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税理士がいらないマイクロ法人とは?条件や必要な業務を解説

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税理士がいらないマイクロ法人とは?条件や必要な業務を解説

マイクロ法人は、条件を満たせば税理士に頼らず自力での運営が可能です。例えば、取引が少ない、会計がシンプルであるなどの条件が挙げられます。この記事では、税理士なしで運営できるマイクロ法人の特徴や必要な業務量を解説します。また、税理士費用を抑えつつリスクを回避する現実的な方法も紹介しますので、参考にしてください。

税理士なしで法人運営しても法令違反ではないが注意点も

個人事業税がかからない業種のイメージ

法人が税理士を関与させずに運営しても、法的には問題ありません。税務申告や帳簿作成は、もともと納税者自身が行うのが前提だからです。したがって、法人の代表者自身が記帳・決算・申告をする分には違法ではありません。

一方で、税理士ではない第三者に申告書の作成・提出を依頼するのは、税理士法違反にあたるおそれがあります。税理士資格を有しているだけではなく、税理士名簿に登録されていないと税理士として認められません。

記帳代行や決算書の作成までは税理士でなくても対応可能ですが、申告書の作成・提出は税理士だけの独占業務です。他人に申告書関連の依頼をする際は注意しましょう。

参考:税理士法違反行為|国税庁

関連記事:税務相談を税理士以外にするのはNG?税理士法違反について

税理士がいらないマイクロ法人の条件4つ

チェックリスト

税理士なしで法人を運営しても違反ではありませんが、人によってはハードルを感じる場面もあります。運営には税務の知識や事務処理能力が求められるためです。ここでは、税理士に頼らなくても運営できる可能性があるマイクロ法人の条件を確認しましょう。

社長に最低限の税務知識と学ぶ姿勢がある

税務のプロである税理士に頼らずに法人を運営するには、社長自身に一定の税務知識と、正しい情報を学ぶ姿勢が必要です。法人は個人事業主と比べて税務制度や会計業務が難しいためです。

会計ソフトを使うとしても、基本的な用語や仕組みを理解していないと誤入力や申告ミスに繋がるリスクがあります。特に申告ミスは多額のペナルティに発展する場合もあり、法人運営に悪影響を与えかねません。

ミスを避けるには、勘定科目や減価償却の処理、消費税の計算方法などを正確に理解して記帳や申告をしなければなりません。さらに、制度改正や新ルールへ対応するには、ネット上の膨大な情報から正確かつ最新の内容を見極めて活用する力も必要です。

税務に苦手意識がなく、最低限の知識と情報の取捨選択能力があれば、税理士に頼らずとも法人運営ができるでしょう。

取引が少なくシンプルな経理で済む

売上・仕入・外注などの取引が少なければ、税理士なしでも対応できる可能性があります。同じような取引が毎月少数あるだけなら、会計処理にかかる負担は軽いでしょう。

例えば、毎月の支出が「役員報酬」「携帯代」「会計ソフト代」だけで、請求も月1~2件程度なら、月1回の処理で十分です。現金取引がなくすべて銀行振込なら、会計ソフトとの連携で自動仕訳も可能でしょう。

逆に、取引の件数が多いと帳簿の入力作業が増えるため、ミスが起きやすくなります。

参考記事:経理業務の効率性をアップする会計ソフトの選び方

税務的な判断が少ない業種である

税務判断が少ない業種は、税理士なしの運営に向いています。法人経理では常に「この支出は経費にできる?」「どの勘定科目を使う?」といった判断が必要です。判断の機会が多いほど税務知識や経験が必要になり、ミスのリスクも高まります。

例えば、投資用法人や単発の受託業務を行う法人なら取引内容がシンプルで、経費の種類も限られています。一方で、飲食店や小売業のように仕入・経費が多岐にわたる業種だと、自力で判断するのが難しくなります。

インボイス登録が不要である

インボイス制度への対応が不要であれば、税務手続きの負担が減るため、税理士なしでも運営しやすくなります。

インボイス登録をすると、消費税の課税事業者として申告・納税の義務が発生します。すなわち、帳簿処理や申告書の作成の手間が増えます。一方、「免税事業者」であれば、消費税に関する事務が一切発生しないため、帳簿や申告がシンプルです。

例えば、取引先がすべて個人や免税事業者であれば、登録を見送っても問題ない場合が多いでしょう。

なお、インボイス登録の要否は「税理士なしで運営できるか」よりも、取引先との関係性を重視して決めるのがおすすめです。なぜなら、登録していないと「仕入税額控除が使えない」という理由で、取引先に敬遠される可能性があるためです。

法人がインボイス登録しない場合の影響について詳しくは下記の記事をご確認ください。

関連記事:法人がインボイス登録しないとどうなる?自社や取引先への影響や登録方法を紹介!
関連記事:インボイス制度に関係ない法人とは?関係ある法人との違いを解説

税理士なしでマイクロ法人を運営するために必要な業務

税金の計算をする男性

税理士に依頼しない場合、基本的に社長自身が税務の業務をこなす必要があります。ここでは、実際に発生する主な業務と、それぞれの難易度や頻度をまとめました。

業務内容

難易度

頻度

解説

帳簿付け(会計ソフトでの記帳)

★★☆☆☆

都度〜月1回

  • 銀行連携や自動仕訳が使える会計ソフトの導入がおすすめ
  • 勘定科目の選び方や消費税の処理を理解する必要あり
  • 取引量が少なければ月1回まとめて帳簿付けしても良い

法人決算と申告書の作成

★★★★☆

年1回(決算期ごと)

    • 決算書の作成は会計ソフトで補助できるが、申告書の作成は難関
    • 特に法人税・地方法人税・消費税の計算や別表作成は専門性が高い
    • 自治体へは、法人住民税や事業税の申告書を提出する
    • 間違ったまま申告すると追徴課税が発生する可能性がある
  • 難易度もリスクも高いため、申告だけスポットで税理士に依頼する人も多い

税務署・自治体への書類提出

★★★☆☆

年1回〜複数回(自治体による)

  • 申告書以外にも税務署へ提出する書類がある(例:支払調書・法定調書合計表など)
  • 外注や士業への報酬、役員報酬に源泉徴収がある場合、税務署へ源泉所得税を納付する
  • 役員報酬や給与がある場合、給与支払報告書を市区町村に提出する

  • 自治体によっては納税通知書が複数回届く場合もある
  • 税務署・都道府県・市町村など提出先が多く、書類形式・提出方法・時期がバラバラ→年間スケジュールを一覧化して管理するのがおすすめ

中でも難易度が高いのが法人決算です。自力で進める際は、下記の記事を併せてご確認ください。

関連記事:法人の決算を自分でするリスクは?判断基準や法人決算の手順などを解説
関連記事:【保存版】決算報告書の種類と書き方

また、自治体へ提出する書類の種類や提出先は、法人の所在する都道府県・市区町村によって異なります。必ず事前に各自治体のホームページなどで確認しましょう。

リスクも税理士費用も抑える現実的な方法3つ

ここでは、完全に税理士なしで運営するのではなく、要所だけ税理士を活用する折衷案をご紹介します。コストを抑えつつも安心感を得られる、現実的な選択肢です。税理士なしで運営したいけど税務に自信がない方や、リスクを避けたい方はぜひ参考にしてください。

申告書だけスポットで税理士に依頼する

リスクを抑えたい場合は、年に1度の申告書作成だけをスポットで税理士に依頼する方法がおすすめです。

申告書の作成は、税理士の独占業務に指定されるほど専門知識が求められる分野です。ミスに気付かないまま提出すると、加算税や延滞税などが科せられるリスクがあります。特に法人税や地方法人税、消費税の申告は、別表の処理や添付書類の記載などがあり複雑です。

決算申告を依頼する場合の税理士報酬は、15〜25万円程度が相場です。この際、申告に必要な決算書を自力で作成すれば、申告書作成のみの依頼で済むため、費用を抑えられる場合があります。価格は法人の規模や取引数などによって変わるためご注意ください。

税理士報酬の相場について詳しくは下記の記事で解説しています。

関連記事:【税理士監修】法人が税理士に依頼する費用の相場はいくら?依頼内容別の相場と費用を抑えるポイントをご紹介!
関連記事:税理士との契約形態|顧問契約・スポット契約の特徴と料金相場

初年度だけ顧問税理士をつけて翌年度以降の参考にする

税務に自信がない場合は、初年度だけ顧問税理士を依頼し、その内容を翌年度以降の自力運営に活かす方法もおすすめです。

法人の会計や申告は初めてだと戸惑う場面が多く、内容を1つ1つ自分で調べて対応すると想像以上に時間と労力がかかります。しかし初年度にプロから正しいやり方を教われば、2年目以降はそれをなぞるだけで運営できるため、効率的です。

まずは税理士と月次顧問契約を結び、毎月の帳簿や仕訳を定期的にチェックしてもらいましょう。実際のやり取りを通じて、自分の処理のどこに注意すべきかを理解できるようになります。

さらに、決算書や申告書の作成も税理士に任せれば、完成した書類を「ひな形」として翌年以降に活用できます。処理の流れが一通り身につくため、2年目以降の自力運営のハードルが大きく下がるでしょう。

顧問契約の相場は月額30,000〜60,000円ほどで、決算は別途、月額報酬の4〜6ヵ月分ほどかかるのが一般的です。初年度の税理士費用は学びの投資として割り切り、知識と実務スキルを身に付けましょう。

なお、1年間だけ契約する場合は、契約時にその旨を伝えておくと安心です。税理士によっては最低契約期間や途中解約の違約金が設定されている場合もあるため、事前に契約内容を確認しておきましょう。

関連記事:顧問税理士とは?業務内容や費用相場、良い税理士の見極めポイントを解説

「単発税務相談」や「無料相談」を活用して相談だけ行う

税理士の「単発相談」や「無料相談」をうまく活用すれば、必要なときだけ税理士に相談できます。基本知識はあるけれどピンポイントで確認したい事項がある場合におすすめです。毎月の顧問料がかからないため、コストも抑えられます。

有料のスポット相談の場合、1回30分〜1時間ほどで、料金相場は5,000〜20,000円ほどです。例えば「これは経費?」「インボイスの登録は必要?」といった相談や、作成した書類へのアドバイスなどが期待できます。

また、税務署や自治体、商工会議所などでは「無料の税務相談」も実施されています。ただし無料の場合、複雑な相談内容や、法人特有の実務に踏み込む話には対応できないケースもあるため注意しましょう。

相談をする際は、あらかじめ自分なりの答えを用意し、その答え合わせをする意識で臨みましょう。疑問点を絞っておくと時間も費用も最小限で済みますし、自分の知識や理解も深まります。

スポット相談や無料相談について詳しくは下記の記事をご確認ください。

関連記事:税理士に節税相談はできる?個人事業主向けの無料相談先や相談内容を分かりやすく解説

関連記事:【税理士監修】税務相談の無料サービスとは?その特徴と利用のポイントを解説

マイクロ法人運営のサポートは一部だけでもご相談ください

この記事では、税理士がいらないマイクロ法人の条件や、税理士なしの場合の業務量などを解説しました。

税理士なしでもマイクロ法人の運営はできます。ただし、社長に税務の知識があり、シンプルな経理である必要があります。帳簿付けや決算・申告には専門的な知識が必要で、間違いがあると追徴課税などのリスクに繋がる場合もあるためです。

そこでおすすめなのが、「すべてを税理士に任せる」のではなく、不安なポイントだけスポットで税理士に頼るスタイルです。申告書の作成や記帳内容のチェックだけを依頼すれば、コストを抑えつつリスクを回避できます。

当税理士法人では、柔軟な形でのサポートも可能です。マイクロ法人に詳しい税理士が、個別の状況に合わせて誠実にサポートいたします。

マイクロ法人の運営についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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