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振込手数料の勘定科目は?仕訳方法と注意点を分かりやすく解説

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振込手数料の勘定科目は?仕訳方法と注意点を分かりやすく解説

振込手数料は、企業の経理処理において頻繁に発生する費用の一つですが、その勘定科目の選び方や仕訳方法に迷うことはありませんか。適切な処理をしないと、財務管理の正確性が損なわれるだけでなく、税務上のリスクが生じる可能性もあるでしょう。本記事では、振込手数料の基本から、勘定科目の選び方、具体的な仕訳例、注意すべきポイントまでを分かりやすく解説します。

振込手数料とは

振込手数料とは、銀行や金融機関を通じて送金を行う際に発生する手数料を指します。個人利用はもちろん、企業間取引においても頻繁に発生する経費の1つです。

振込手数料は、振込額や取引先の金融機関の違いによって異なり、特に異なる金融機関間での送金は手数料が高くなる傾向があります。

また、振込方法によっても手数料は変動し、窓口振込よりもインターネットバンキングを利用する方が低コストですむ場合が多いでしょう。

企業においては、振込手数料をどの勘定科目で処理するかが、適切な経理処理を行う上で重要となります。一般的には「支払手数料」として計上されますが、取引内容によっては異なる勘定科目を使用する場合もあるでしょう。

誤った勘定科目で計上すると、財務状況の正確性に影響を及ぼす可能性があるため、適切な仕訳が求められます。

振込手数料に関連する勘定科目

勘定科目

企業が振込手数料を計上する際には、以下のような勘定科目が使われます。

勘定科目

概要

支払手数料

一般的に振込手数料を計上する科目

雑費

少額かつ例外的な振込手数料を計上する場合

販売手数料

取引先への支払い代行など、売上に関連する手数料

仕入手数料

仕入れに伴う振込手数料を計上する場合

多くのケースでは「支払手数料」として処理されますが、取引の内容や目的によっては「販売手数料」や「仕入手数料」など、他の勘定科目を使用する必要があるでしょう。

誤った勘定科目を使用すると、経費の分類が不適切になり、決算や税務申告の際に修正が必要になる場合があります。企業の経理処理を正確に行うためには、取引内容をしっかり確認し、適切な勘定科目を選択するようにしましょう。

関連記事:租税公課とは?個人事業主・法人のケースや計算方法をわかりやすく解説

振込手数料の仕訳例

仕訳のブロックと電卓

振込手数料の仕訳は、負担者や取引内容によって方法が異なります。具体的なシチュエーション別に仕訳例を紹介します。

振込手数料を自社が負担する場合

仕入代金や経費の支払いに伴い、企業側が振込手数料を負担するケースです。通常は「支払手数料」として処理します

【仕訳例】

10万円の仕入代金を振り込む際に、振込手数料500円が発生した。

借方

貸方

仕入

10万円

普通預金

10万500円

支払手数料

500円

振込手数料を取引先に負担してもらう場合

企業が取引先から売掛金を回収する際に、取引先が振込手数料を負担し、差し引かれた金額が入金される場合です。

【仕訳例】

売掛金10万円を回収する際に、取引先が500円の振込手数料を差し引いて99,500円が入金された。

借方

貸方

仕入

99,500円

売掛金

10万円

支払手数料

500円

取引先が振込手数料を負担しているため、売掛金と相殺する形で計上します。ただし支払手数料として処理する場合、インボイスが必要となるため、売上値引として処理ケースが増えています。

租税公課にかかる振込手数料の処理

税金支払いに関連する振込手数料は、租税公課とは区別し、「支払手数料」などとして処理する点に注意しましょう。

【仕訳例】

法人税10,000円を納付する際に、振込手数料50円が発生した。

借方

貸方

租税公課

10,000円

普通預金

10,500円

支払手数料

50円

銀行から融資を受けた際に振込手数料が発生した場合

銀行からの融資を受ける際、振込手数料が発生するケースがあります。

【仕訳例】

銀行から100万円の融資を受ける際に、振込手数料2,200円が差し引かれて入金された。

借方

貸方

普通預金

99万7,800円

借入金

100万円

支払手数料

2,200円

振込手数料は「支払手数料」として計上し、借入金は本来の額(100万円)で記録します。

仕入先への支払い時に振込手数料を相手が負担する場合

仕入れ代金の振込時に、取引先の要請で振込手数料を差し引いて支払うケースです。

【仕訳例】

仕入代金20万円のうち、振込手数料550円を相手が負担するため、19万9,450円を送金した。

借方

貸方

仕入

20万円円

普通預金

19万9,450円

仕入値引

550円

仕入金額から手数料を差し引くことで、実際の支払額と一致させます。

クレジットカード決済手数料を支払った場合

企業がクレジットカード決済を導入している場合、売上の一定割合が決済手数料として引かれることがあります。

【仕訳例】

売上50万円のうち、決済手数料2.5%(12,500円)が差し引かれた金額が入金された。

借方

貸方

普通預金

48万7,500円

売上

50万円

支払手数料

12,500円

この場合、差し引かれた決済手数料を「支払手数料」として計上します。

振込手数料の勘定科目で注意すべき5つのポイント

0円起業のイメージ

振込手数料を適切に処理することは、企業の経理業務を正確に行う上で重要です。誤った処理をすると、税務上のリスクや経理ミスが発生する可能性があるでしょう。ここでは、振込手数料の勘定科目を扱う際に注意すべき5つのポイントについて解説します。

  1. 正しい勘定科目を選択する
  2. 消費税の課税区分を正しく設定する
  3. 取引先との契約条件を確認する
  4. 手数料の削減方法を検討する
  5. インボイス制度への対応を考慮する

正しい勘定科目を選択する

振込手数料は、一般的に「支払手数料」に分類されますが、取引内容によっては他の勘定科目を使用する場合があります。

例えば、売上に関連する手数料は「販売手数料」、仕入れに伴う手数料は「仕入手数料」として処理するケースがあります。経理処理の正確性を確保するため、取引の性質に応じた適切な勘定科目を選択するようにしましょう。

消費税の課税区分を正しく設定する

振込手数料は、銀行や金融機関が提供する役務に該当し、消費税が課税となります。これを誤って非課税対象として処理すると、納付する消費税額に影響します。

特に、仕入税額控除を適用する際には、インボイスがあることを確認し、正しく処理することが重要です。

関連記事:消費税の非課税と不課税、免税の違いは?取引における対象品目は?

取引先との契約条件を確認する

振込手数料の負担者は、契約内容によって異なります。取引先との間で「振込手数料はどちらが負担するか」を明確に決めておかないと、請求額の相違や支払ミスの原因になる場合があります。

取引開始時に契約書や発注書の記載を確認し、仕訳処理の際にも間違いがないように注意しましょう。

手数料の削減方法を検討する

振込手数料は企業活動において積み重なるコストの一つです。コスト削減を図るために、以下のような方法を検討するとよいでしょう。

  • 同一金融機関間の振込を利用する:同行宛の振込は手数料が無料、または低額で済む場合がある
  • インターネットバンキングを活用する:窓口振込よりも手数料が安く抑えられることが多い
  • まとめて振込を行う:小口の振込を減らし、振込回数を最小限にすることでコスト削減が可能

このように、振込手数料の負担を軽減する工夫を取り入れることで、経費の最適化に繋がるでしょう。

インボイス制度への対応を考慮する

2023年に施行されたインボイス制度(適格請求書保存方式)により、企業間取引において適格請求書の発行と保存が求められるようになりました。

振込手数料についても、適格請求書が必要となるケースがあるため、税務上の要件を満たすように対応する必要があるでしょう。特に、仕入税額控除を適用する場合は、適格請求書の有無を確認し、正確な記録を残すことが求められます。

関連記事:インボイス制度の記載上の重要ポイント 

振込手数料の勘定科目でお悩みの方は専門家に相談

振込手数料の処理は、企業会計において重要な項目の一つです。適切な勘定科目の選択や消費税の扱い、取引先との契約条件の確認を怠ると、税務上のトラブルや誤った経費計上に繋がる可能性があるため、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします

小谷野税理士法人は、企業の会計処理や税務対応に関する豊富な経験を持ち、正確な仕訳のサポートを提供しています。振込手数料の経理処理に不安がある場合は、ぜひ小谷野税理士法人に相談してみてください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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