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歯科医院に税務調査の連絡が来た!調査の流れや事前準備について解説

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歯科医院に税務調査の連絡が来た!調査の流れや事前準備について解説

税務署から歯科医院へ税務調査に関する連絡が来たとき、後ろめたいことがなくても、慌ててしまう人も多いのではないでしょうか。税務署は毎年、一定の法人や個人に対して「正しく税務申告を行えているか」を目的に、税務調査と呼ばれる調査をしています。申告内容に不備があれば、修正申告を受けたり追徴課税の納付が生じますが、きちんと申告できているのなら慌てる必要はありません。この記事では、歯科医院に税務調査の連絡が届いた方へ、調査の流れや事前準備について解説します。

歯科医院における税務調査とは?

個人事業主に対する税務調査のイメージ

税務調査とは税務署による調査のことで、所得や経費の計上がきちんとできているかを確認することを目的としています。歯科医院では、自由診療やクレジットカード決済、歯科治療材料の管理など、収益やコストに関する調査が行われます。

税務調査はランダムに選ばれる場合もあれば、不正等が疑われる際に行われることもあります。国税庁では公表していませんが、調査対象となる会社には以下のような一定の条件を設けていると考えられます。

  • 消費税の還付を受けた会社
  • 売上・利益が急激に伸びた(伸びている)会社
  • 度を超えた経営計上で利益を抑えているとみられる会社
  • 同業他社と比べて収益・費用の割合が異なる会社
  • 経営者が代わった会社
  • 事業規模に変化があった会社
  • 設立から3年目の会社 など

調査結果によっては追徴課税やペナルティが課される恐れがあるため、普段から正確な記帳を心がけましょう。

税務調査の種類

税務調査には「任意調査」と「強制調査」の2つに区分されます。

任意調査とは、税務署等から事前に調査する意思があることを伝えられる調査のことです。「任意」となっていても、会社側が受諾したり拒否できたりするわけではなく、調査は強制的に行われます。

調査官には「質問調査権」が認められているので、受けた質問に黙秘や虚偽の申告は通用しません。もし黙秘や虚偽の申告をすると罰則を科される可能性があるため、丁寧に正しいことを答える姿勢が求められます。

一方、強制調査とは文字の通り強制的に行われる調査のことで、この場合は国税局調査部(通称マルサ)が行います。事前通告は当然なく、マルサの調査官らが会社に出向くため、大がかりな調査になることが一般的です。

強制調査では調査官に対して「納税に関わる資料を押収する」権限が認められており、以下の会社が調査対象になります。

  • 脱税額が1億円を超えていること
  • 脱税の隠ぺい工作が悪質であること

税務調査には2種類あるものの、いずれも対象の会社に対して何らかの疑惑があると判断できます。したがって、事前に連絡があった場合は記録を見直し、正確な内容の帳簿を用意しておくことが望ましいと言えるでしょう。

税務調査については以下記事でもまとめているので、この機会にぜひご覧ください。

関連記事:税務調査とは?どこまで・何を調べる?流れや個人・法人の対応方法などについて詳しく解説

歯科医院の税務調査の流れ

ここからは歯科医院の税務調査の流れについて解説します。具体的な流れをまとめているので、税務署から連絡が来たときは参考にしてください。

税務調査の事前通知

税務調査が行われる前には、通常、税務署から事前通知が届きます。この通知は書類に限らず電話なども多く、調査の日程や対象期間、必要な書類などが伝えられることが多いです。

通知を受けたら、歯科医院は速やかに必要な帳簿や書類を整理し、調査当日に備えます。準備期間中に疑問点があれば、税務署に確認しておくと良いでしょう。

訪問・調査

調査当日は調査官が歯科医院を訪ね、事前に通知された内容に基づいて帳簿や書類を確認します。具体的には、クリニックの収入や支出、人件費の記載内容、在庫管理などです。さらに自由診療の収入やクレジットカード決済の計上、予約表と日計表の一致確認も行われる場合もあります。

調査中は調査官からの質問に対して正確に回答し、必要な書類を迅速に提出する姿勢を心がけましょう。

関連記事:税務調査にかかる時間は?時間帯はいつ?個人・法人別に解説

調査後のフォローアップと対応

調査が終了したら、税務署から「調査結果通知書」が送付されます。この書面には調査結果や指摘事項、問題があれば追徴課税額等が記載されているので必ず目を通してください

届いた指摘については速やかに対応しなければなりません。対応方法や専門家のアドバイスを受けたいときは、税理士や会計士に相談することをおすすめします。

歯科医院における税務調査でのチェックポイント

歯科医院の税務調査には独自のチェックポイントがあります。ここでは税務調査に備えられるようチェックポイントについて解説するので、今後の参考にしてください。

収入を正しく計上できているか

収入について正しく計上できているか必ず確認しましょう。

具体的には以下の項目です。

  • 自由診療の収入申告
  • クレジットカード決済の計上時期
  • 予約表と日計表の一致
  • 撤去した金属冠の売上計上

それぞれどの部分に注目すべきか解説します。

関連記事:【税理士監修】税務調査が入る確率は?10~20年は来ないって本当?売上1,000万円弱の申告は注意!

自由診療の収入申告

自由診療は保険診療と異なり、収入の漏れやズレが発生しやすいため、正確に記録することが大切です。

例えばインプラント治療や矯正治療、審美歯科などは保険対象外の治療に含まれます。自由診療は高額になりやすく保険診療のように点数で把握することができないため、計上漏れや過少申告がないかを確認しましょう。

税務調査では自由診療で使用する歯科治療材料等の仕入、外注費等の請求書を照合しながら売上のチェックを行います。そのため、外注費の請求書や領収書は必ず保管し、帳簿に記載しておくことが大切です。

クレジットカード決済の計上時期

クレジットカードによる決済では、入金日と診療日にズレが生じるので、計上時期を確認することも忘れずに行いましょう。

支払金額が大きくなりやすい自由診療だからこそ、利用した患者の多くはクレジットカードで決済することもあります。売上は実現主義で計上することが原則ですから、クレジットカード決済を受けたときは診療日に売上計上できているかを確認してください。

予約表と日計表の一致

税務調査では、予約表と日計表を照合します。予約が入っているのに売上が計上されていないといったケースは指摘対象になるので注意してください。また、予約がキャンセルになったにもかかわらず修正が行われていない場合も同様です。税務調査の通知が届いた場合は、予約表が正確に管理できているかを確認しましょう。

歯科医院ではその多くが予約制による診療です。そのため、万が一のことがあってもいいように、日頃から予約表と日計表を照らし合わせながら確認する姿勢が大切です。

撤去した金属冠の売上計上

撤去金属冠の売上計上も忘れずに行いましょう。金属冠の売上は歯科医院独自の収入に含みます。撤去金属冠の売却で得た収入を正しく収入として計上しているかは必ず確認しましょう。

なお、税務署では金属冠の買取先業者に対する調査も行うことがあり、この調査を反面調査と呼びます。歯科医院の周囲を広く巻き込むことになりかねないため、この機会に反面調査についても把握しておきましょう。

関連記事:税務署の反面調査とは?反面調査を最小限にする方法も解説

コスト管理が適正であるか

人件費や歯科材料等のコスト管理が適正かどうかもチェックします。

  • 人件費の記載内容
  • 歯科治療材料の在庫管理
  • 経費の正直な計上

税務調査ではこれらの項目もチェックされますから、それぞれどの部分に注意すべきかを見ていきましょう。

人件費の記載内容

人件費を増やすとその分経費が膨らみます。そのため人件費を削ることを目的に、実際には働いていない配偶者や親族を従業員とし、給与を支払っているケースも珍しくありません。

当然ながら、勤務実態のない配偶者や親族への給与の支払いは経費に計上できません

配偶者や親族が勤務しているのであれば、税務調査時にタイムカードなど、出勤が把握できるものを準備する必要があります。

歯科治療材料の在庫管理

確定申告で経費申告できる歯科治療材料の費用は、実際に治療に使用した分に限ります。在庫確認によって不足を防ぐ目的で材料を仕入れても、使用していない分は経費計上できないので注意しましょう。

在庫が残っているにもかかわらず経費計上していた場合、経費の過剰申告とみなされ、追徴課税の対象になる可能性があります。

年度末に在庫として残った歯科治療材料については、棚卸資産として経費から外しましょう。

経費の正直な計上

歯科医院の中には、プライベートでの出費を経費計上しているケースも多いようです。特に交際費として計上しているものについては、誰に何の目的で支出したのかを明確に示す必要があります。

パソコンや冷蔵庫を経費で購入した場合も、個人使用か診療目的のものなのかを必ず帳簿に記載してください。このような準備をしておくことで、税務調査で指摘を受けても正しく答えることができます。

歯科医院の税務調査|事前準備

歯科医院に対する税務調査では、保険適用外の治療に対する診察料や予約表と日計表など、さまざまなものがチェック対象です。

ここでは、税務調査が決まった際にやっておくべき対応について解説します。事前にどのようなことを準備しておく必要があるのかを見ていきましょう。

速やかに帳簿・書類を整理

税務調査の事前通知を受け取った後は、速やかに必要な帳簿や書類を整理しましょう。特に収入や経費に関する資料は保管しているか、予約表・日計表などは誤記がないかを確認してください。

万が一、不正が発覚した場合、追徴課税や重加算税の対象になります。日頃から健全な会計処理ができていることを知ってもらうためにも、内容を今一度確認しましょう。

調査官からの質問への回答

調査当日は、調査官の質問に迅速かつ正確に答えなければなりません。特に、収入の証明や経費の詳細については内容をきちんと説明できるよう準備しておきましょう。また、調査官に対しては常に誠実かつ協力的な姿勢を保つことも心がけてください。

関連記事:税務署から電話が来るのはなぜ?理由と対応方法を解説

是正措置を進める

調査後は、税務署からの「調査結果通知書」に基づいて、指摘された事項に対する是正措置を講じます。具体的には、収入や経費に関する修正申告や今後の業務改善策を検討するなどです。

この際、税理士などの専門家のアドバイスを受けておくことで、適切な対応が可能になります。税務調査は業務の透明性を高める良い機会とも言えるので、今回を前向きに捉え、経営改善に役立てましょう。

税務調査に関する悩みは専門家に相談を

歯科医院における税務調査は、適正な経営を維持するために避けられない過程と考えられます。この記事を参考にしながら、税務調査の事前準備を進めましょう。

なお、税務調査に対して不安があるときや、税務調査の通知が届いたときは、最寄りの税理士に相談してみましょう。専門家に相談し、適切なアドバイスやサポートを受けることで、取るべき行動が把握できます。

税務調査に関する相談や悩み等があれば、この機会にぜひ小谷野税理士法人へご相談ください

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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