消費税は購入した商品やサービスに対して支払う税金です。個人事業主の場合、ある条件を満たすことで経費として計上することができます。この記事では、消費税の経費計上の方法や具体的な計算方法、申告手続きについて解説します。個人事業主になって間もない方や、確定申告に向けて計上方法について学んでおきたい方はぜひ参考にしてください。
目次
個人事業主の消費税の経費計上について
個人事業主が消費税を経費に計上するためには、基本的なルールを押さえておくことが大切です。具体的には、税込経理方式を選択することです。例えば、家族のために購入した商品に対する消費税は、原則経費として認められないなどがあります。
経費を適切に計上し正しく納税できるよう、ここでは経費にできる消費税の種類等について解説するので今後の参考にしてください。
経費にできる消費税の種類
個人事業主が経費にできる消費税の種類は、具体的には仕入に掛かった商品等の消費税です。例えばWebライターやデザイナーなどクリエイティブな業種の場合であれば、事業に必要なパソコンやプリンターなどが該当します。
どこからどこまでが対象か知りたいときは、個人事業主の代表的な勘定科目を理解すると分かりやすいかもしれません。
勘定科目 | 概要 | 経費に該当するものの例 | 経費に該当しないものの例 |
荷造運賃 |
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水道光熱費 |
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旅費交通費 |
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通信費 |
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広告宣伝費 |
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| ー |
接待交際費 |
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修繕費 |
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| ー |
消耗品費 |
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福利厚生費 |
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外注工賃 |
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| ー |
地代家賃 |
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雑費 |
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| ー |
個人事業主が経費にできる消費税かを見分けるには、事業に必要なものかそれ以外かで分けてください。例えば、個人事業主である本人の家族に対して買い与えた日用品や、個人的な興味で利用した飲食店での飲食費は該当しません。
ほかにも、個人事業主である本人が喫煙者で、業務中に喫煙する場合であっても経費にみなすことはできないので注意しましょう。
ちなみに、計上できる経費に上限は設けられていません。とはいえ、あまりに多いと税務署から計上した内容の確認を求められ、内容によっては指摘を受ける可能性があります。領収書やレシートの確認などが必要になる可能性があるため、常識の範囲内に留めましょう。
なお、個人事業主の経費については以下でもまとめています。あわせてご覧ください。
関連記事:個人事業主は経費をどこまで切れる?経費にできるものや上限・メリットなどぶっちゃけ紹介!
税込経理方式と税抜経理方式の違い
会計処理の方法は「税込経理方式」と「税抜経理方式」のどちらかを選ばなければなりません。消費税を経費計上できるのは、税込経理方式を選択した場合です。それぞれの特徴は下表の通りです。
税込経理方式 |
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税抜経理方式 |
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例えば1,100円の商品を購入した場合です。税込経理方式の場合は1,000円の商品代金と100円の消費税を合わせた金額を経費として記録します。一方、税抜経理方式の場合は、1,000円の商品代金と100円の消費税を分けて記録しなければなりません。
どちらを採用するかは事業者の任意です。また、納付する消費税額はどちらの計算方法を選択しても同額になります。
関連記事:【税理士監修】インボイスで変わる!法人が免税事業者と取引をする際の注意点
個人事業主の消費税と免税事業者・インボイス制度の関係
個人事業主であれば免税事業者と課税事業者について知っておきましょう。インボイス制度が施行される前後で、免税事業者と課税事業者のあり方が変化しました。
2年前の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主は、免税事業者に該当します。消費税の納付が免除される事業者であるため、納付が不要でした。また、2年前の課税売上高が1,000万円超の事業者は課税事業者に該当し、消費税の納税義務が発生します。
しかし、2023年10月に施行されたインボイス制度により、免税事業者であってもインボイス登録することで「課税事業者」として事業を行うことができるようになったのです。
そもそも、インボイス制度導入後は適格請求書(インボイス)が発行されない取引は、原則として仕入税額控除を適用できません。適格請求書を発行できる事業者は課税事業者に限定されており、免税事業者はインボイスを発行できません。
インボイス制度が施行された後、免税事業者であることが理由で契約が終了した個人事業主が増加しました。このトラブルは、免税事業者との取引によって消費税の控除を受けることができないためと言われています。
なお、免税事業者であっても、適格請求書発行事業者として国税庁に登録することで課税事業者に切り替えることが可能です。ただし、適格請求書発行事業者になると免税事業者としての扱いが変わり、消費税の納税義務が発生します。
インボイス制度については以下の記事で詳しくまとめているので併せてご覧ください。
関連記事:【税理士監修】インボイス制度で免税事業者はどうなる?個人事業主が知っておきたい取引のポイントをわかりやすく解説!
参考:国土交通省|インボイス制度後の免税事業者との取引に係る下請法等の考え⽅
消費税額の計算方法
ここでは消費税額の計算方法について解説します。簡易課税制度や積上げ計算といったさまざまな専門用語が表示され困惑している方はぜひ参考にしてください。
消費税の計算方法には種類がある
消費税の計算方法には、簡易課税制度と本則課税制度の2種類あります。それぞれの概要は下表の通りです。
簡易課税制度 |
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本則課税制度 |
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消費税の計算方法は、通常本則課税制度で算出します。
関連記事:【税理士監修】インボイス制度と消費税の基礎知識!計算方法や納付の仕組みについても解説!
仕入税額控除の基本
仕入税額控除とは、事業者が事業に必要な商品やサービスを購入する際に支払った消費税を、売上税額(売上に掛かった税額)から控除できる仕組みです。これは仕入時に消費税を払い、さらに売上からも消費税を支払うといった二重課税を予防する目的があります。
仕入税額控除は、納税期間内に仕入れた商品の仕入額に対する消費税額を算出し、計上するのが一般的です。仕入税額を売上にかかる消費税から差し引くことで、最終的な消費税額を算出できます。
簡易課税制度での計算
簡易課税制度は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の中小事業者の納税負担を軽減する制度です。個人事業主は前々年、法人は前々事業年度が対象となり、受け取った消費税額に一定の割合、いわゆるみなし仕入率を乗じて計算します。
原則課税で計算した消費税の申告額に比べて少なくなる場合もあり、節税効果につながるケースも珍しくありません。
本則課税制度での計算
本則課税制度は、売上に係わる消費税額から仕入れに係わる消費税額を差し引いて消費税額を導き出す制度です。
本則課税を使用するには、仕入れや経費に関する全ての消費税を正確に把握し、帳簿に記録しなければなりません。簡易課税に比べて手間が掛かりますが、払い過ぎた消費税を還付できるメリットがあります。
本則課税制度についてはこちらの記事でも取り扱っているので、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:【税理士監修】インボイス制度の負担軽減措置「2割特例」とは?要件や計算方法、適用期間を解説!
消費税の申告と納税における注意点
消費税の申告と納税にはいくつかの注意点があります。思いがけないペナルティを受けないためにも、それぞれに目を通しておきましょう。
消費税と所得税|確定申告の違い
消費税の確定申告と所得税の確定申告はどちらも年度末に行われますが、それぞれ内容が異なります。消費税の確定申告では、当期の売上にかかる消費税から仕入れにかかった消費税を差し引いた金額を申告しなければなりません。一方、所得税の確定申告では、個人事業主の総所得から控除等を差し引き、課税所得金額に基づいて所得税を算出します。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円~194万9,000円まで | 5% | 0円 |
195万円~329万9,000円まで | 10% | 9万7,500円 |
330万円~694万9,000円まで | 20% | 42万7,500円 |
695万円~899万9,000円まで | 23% | 63万6,000円 |
900万円~1799万9,000円まで | 33% | 153万6,000円 |
1800万円~3999万9,000円まで | 40% | 279万6,000円 |
4000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
消費税は事業に対して発生する間接税を指し、所得税は事業主の収入に対する直接税です。それぞれの申告内容は混同しないよう注意しましょう。
中間申告について押さえておこう
前年の確定消費税額が48万円を超えた場合、中間申告をしなければなりません。中間申告書の提出が必要な事業者は、個人の場合は前年度、法人の場合は前事業年度の消費税の年税額が48万円を超えた場合です。
ただし課税期間の特例制度を適用している事業者であれば中間申告書を提出する必要はありません。
中間申告は直税の課税期間の確定消費税額に応じて下表のようになります。
直前の課税期間の確定消費税額 | 48万円以下 | 48万円超~400万円以下 | 400万円超~4,800万円以下 | 4,800万円超 |
中間申告の回数 | 原則、中間申告は不要 ただし任意の中間申告制度があるので注意 | 年1回 | 年3回 | 年11回 |
中間申告提出・納付期限 | 各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2ヵ月以内 | |||
中間納付税額 | 直税の課税期間の確定消費税額の6/12とその78/22の地方消費税 | 直前の課税期間 の確定消費税額の3/12とその78分の22の地方消費税 | 直前の課税期間 の確定消費税額の1/12とその78分の22の地方消費税 | |
1年の合計申告回数 |
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年11回の場合、中間申告の申告・納付期限は以下になります。
個人事業者 | 法人 |
1~3月分→5月末日 | その課税期間開始後の1ヵ月分→その課税期間開始日から2ヵ月を経過した日から2ヵ月以内 |
4~11月分→中間申告対象期間の末日の翌日から2ヵ月以内 | 上記1ヵ月分以降の10ヵ月分→中間申告対象期間の末日の翌日から2ヵ月以内 |
なお、上記に代えて中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算し、それに基づいて納付すべき消費税額を計算することも可能です。中間申告および仮決算については国税庁公式ホームページをご確認ください。
確定申告の期限とペナルティ
消費税の確定申告は、毎年度1月1日から12月31日までの期間について翌年3月31日までに行わなければなりません。万が一この期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが生じるため注意が必要です。延滞税は納期限の翌日から申告納税日までの日数に応じて計算されるので、早めに申告を行うことをおすすめします。
消費税の確定申告の提出は、電子申告システム(e-Tax)の利用または申告用紙を用いての申告が可能です。消費税と同時に所得税の確定申告も並行して行えば、税務処理の一元化に合わせて確定申告の期限を守ることにつながります。
消費税および所得税の確定申告はできるだけ並行して行い、国税庁等の処罰を回避しながら事業の運営に努めましょう。
消費税を節税するには?おすすめしたい7つの方法
消費税の節税は個人事業主や小規模事業者にとって把握しておきたい要素の一つです。ここでは以下7つの方法について解説します。
- 売上を抑え、経費を適切に活用する
- 事業にあわせた課税方式を選択する
- 法人成りで2年間消費税の免除を受ける
- 外注費を活用する
- 収入印紙を購入する際は金券ショップを利用する
- インボイスを導入する際は2割特例を適用する
- インボイス導入後は適格事業者から仕入れを行う
1. 売上を抑え、経費を適切に活用する
消費税を節税する方法として、利益が少ない売上を避けることが挙げられます。
例えば、工数が多い割に利益が少ないサービスの提供を減らすなどです。工数にかけた時間を売上から割ったときに、お住まいの最低賃金を下回る場合は提供を減らして良いでしょう。
具体例を挙げるとすれば、Webライターで個人事業主として活動している場合です。1記事の制作にかかる工数が4時間、売上が税込2,000円としましょう。この場合、東京都の最低賃金はおよそ1,200円のため、1時間で記事制作を終えないと赤字になります。北海道の最低賃金も1,100円ほどなので、いずれにしても4時間もかかるのであれば赤字になるでしょう。
業務にかかる工数とお住まいの都道府県の最低賃金を照合し、利益の少ないサービスがあればこの機会に見直してみることをおすすめします。
また、自身の業務にどのような経費が対象なのかを把握することも大切です。どのような経費があり、現在の事業はどれに該当しているのかを知ることで、経費の幅が広がる可能性があります。
適切に経費を活用できれば、課税対象となる配分を最小限に抑えることができるでしょう。
参考:厚生労働省|東京都最低賃金は10月1日から時間額1,163円になります
厚生労働省|北海道最低賃金の改定
2. 事業にあわせた課税方式を選択する
事業内容に応じた課税方式を選択することも方法の一つです。上述したように、消費税の計算には本則課税制度と簡易課税制度があり、それぞれで特徴が異なります。
自身の事業内容がどちらの課税方式に適しているかを把握し、正しい方法を選択することで節税効果につながるでしょう。
3. 法人成りで2年間消費税の免除を受ける
前々年度における課税売上高が1,000万円を超えた個人事業主の場合は、法人を新設すると消費税の免税を受けることができます。
対象期間は新設から1期目と2期目で、法人を対象とした免税事業者になるには条件として1,000万円未満の資本金を用意しなければなりません。
ただし、前年度あるいは前事業年度上半期の課税売上高と給与等支払額が1,000万円を超える場合、免税の対象から外れるため注意が必要です。また、資本金が1,000万円を下回っていても、課税売上高が5億円を超える事業者がグループで50%超の出資をして設立された法人も対象外です。
法人成りによる節税効果については、税理士等に相談してみることをおすすめします。
4. 外注費を活用する
外部の事業者に業務を依頼することがなかった個人事業主の方は、この機会に外注費にも注目してみると良いかもしれません。外注費は課税仕入れの対象です。そのため、一人で全ての業務をこなすよりも高い節税効果が期待できます。
例えば、事業に関する書類の作成・発送・確認等を自身で行っている場合です。これらの業務を会計事務所に委託すれば、業務に集中することができることに加えて、売上アップを目指すことができます。
ほかにも、記事制作に加えて画像作成も担うことが多いWebライターであれば、デザイナーに画像作成を委託するなどです。
自身の業務は自分で、雑務など細かな業務は外部事業者に委託することで、年収を上げつつ、これまで以上の節税にもつながるでしょう。
5. 収入印紙を購入する際は金券ショップを利用する
節税効果としてはやや低いですが、郵便局ではなく金券ショップで収入印紙を購入するのもおすすめです。
郵便局で購入した場合、非課税取引として扱われますが、金券ショップで購入すると課税仕入れで処理できます。
一度に多くの収入印紙を購入する機会の多い個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。
6. インボイスを導入する際は2割特例を適用する
インボイス制度の施行により、免税事業者から課税事業者へ検討中の個人事業主の方も多いでしょう。もしインボイスを導入するのであれば、負担軽減措置として設けられた2割特例を適用することで消費税の節税につなげられます。
2割特例は、業種によっては簡易課税方式のみなし仕入率よりも低い20%を使用し、消費税の計算を行うことができます。
ただし、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの適用期間があるので、これから課税事業者になる予定の方は早めの登録をおすすめします。
なお、高額な売上があっても、支出が多く手元に残る所得が少ない個人事業主の方もいるでしょう。この場合は2割特例を使うとかえって消費税が高くなる恐れがあります。確定申告では、帳簿を使った一般的な方法と2割特例のそれぞれを試し、最終的に節税効果の高い方法を選ぶと良いでしょう。
7. インボイス導入後は適格事業者から仕入れを行う
インボイスを導入した後は、できる限り適格事業者から仕入を行うことで、節税につなげられます。インボイス制度では、消費税の課税仕入れを計上する目的から、適格請求書の受領が必要です。
しかし、適格請求書を発行できるのは、国税庁へ適格請求書登録事業者として登録した事業者に限定されています。つまり、適格事業者ではない事業者に支払った経費は、仕入税額控除を受けられません。
仕入税額控除によって節税効果を高めたい方は、取引先が適格事業者かどうかを把握することをおすすめします。
消費税を会計処理する際の4つの注意点
ここからは消費税を会計処理する際の注意点について解説します。どのようなことに注意すれば良いのか、それぞれ見ていきましょう。
消費税が経費計上できるのは租税公課に認められるもののみ
消費税を経費計上できるのは、税込経理方式を採用し勘定科目の租税公課を使用した場合に限ります。消費税は事業を運営する際に必要な租税です。そのため、経費計上することが国税庁で認められています。
ただし、消費税の勘定科目を租税公課にできるものは、税込経理方式で仕訳した場合のみです。税抜経理方式の場合は消費税を経費計上できないので注意しましょう。
インボイスとインボイス以外で分けて会計しなければならない
インボイス制度が施行されてからは、普通の請求書と合わせて適格請求書の発行が始まっています。取引先の請求書のやり取りでは、普通の請求書と適格請求書の取引を分けて会計処理する必要がある点に注意してください。
なお、現在は複数税率も用いられています。10%と8%の税率も分けて会計処理しなければならないので、会計処理では細かくチェックするようにしましょう。
インボイス経過措置期間は3年後に負担割合が変わる
インボイス制度が施行されてから、新たに課税事業者になった事業者には、負担軽減措置の適用が可能です。しかし、経過措置の期間と控除割合は施行年の2023年の80%から3年後の2026年10月1日には50%に切り替わります。
さらに、2029年10月1日以降は経過措置が終了し、控除が受けられません。負担軽減措置を利用する目的でインボイス制度に登録しないよう、慎重に検討することをおすすめします。
税抜経理方式は税込経理方式と比較して処理が困難
税抜経理方式を選択した場合、消費税を分けて会計処理しなければなりません。事業所の取引ごとに消費税額を計算・記帳する必要があるため、会計業務が困難になる場合があります。
税込経理方式の場合、税込の金額をそのまま使って会計処理できますが、消費税毎に仕訳を計上した方がいいでしょう。複数税率も適用されているので、会計処理が今まで以上に難しくなる可能性がある点は念頭に置く必要があるでしょう。
消費税を節税するなら|会計士のアドバイスを受けよう
消費税の経費計上においては、事業に関連する支出を正確に記録し、必要な証拠書類を保管する姿勢が不可欠です。また、インボイス制度を導入する場合は経過措置期間に対応した準備も必要になるでしょう。
個人事業主の方で、消費税を上手に経費計上して節税効果を高めたい方は、本記事を参考にしながら適切な方法を選択してください。
なお、個人事業主における経費計上の方法やインボイス制度について知りたい方は、税理士に相談することも検討しましょう。
小谷野税理士法人では、個人事業主や小規模事業者の方へ、経費計上の方法やインボイス制度への相談を承っています。現在の事業にインボイスが必要なのか、どのような方法で節税効果が得られるのかを知りたい方は、ぜひこの機会に小谷野税理士法人へご相談ください。