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キャッシュフローを改善する7つの方法!悪化時の注意点とは?

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キャッシュフローを改善する7つの方法!悪化時の注意点とは?

キャッシュフローとはお金の流れのことを指し、キャッシュフローがプラスであれば保有する現金の増加、マイナスであれば現金の減少を意味します。キャッシュフローの適切な管理により、企業の財務や事業運営の安定化につなげられます。キャッシュフローが悪化している場合は原因を確認した上で改善策を検討し、実行することが大切です。本記事では、キャッシュフローの種類や悪化する原因、改善する方法を紹介します。

キャッシュフローとは?

キャッシュフローとは、事業活動における現金の流れのことを指します。キャッシュフローは企業の経営状態を判断する重要な指標であり、企業がどれだけ効率的に現金収入を得て、支出しているかを表しています。キャッシュフローの種類や重要性を確認しましょう。

キャッシュフローの種類

キャッシュフローには、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3種類があります。いずれも、企業の財政状態を理解するための重要な指標です。

営業キャッシュフローは、主に商品の販売やサービス提供を通じた現金の動きを表しています。営業キャッシュフローがプラスであれば、企業が日々の事業活動で安定した収益を上げているということであり、健全な経営状態を意味します。

投資キャッシュフローとは、資産の購入や売却といった投資活動による現金の流れのことです。具体的には、新しい機械や不動産など、将来的な利益や成長を目的とした投資活動に関連するものであり、企業の長期的な成長戦略を読み取る上で重要な指標です。

財務キャッシュフローは、事業のための資金調達や借入金の返済など、営業や投資のための資金調達に関する現金の流れを表します。

財務キャッシュフローがプラスの場合、企業が新たな資金調達を行っていることを意味し、マイナスであれば、借入金の返済や配当金の支払いが続いていることを表します。

プラスだから良い、マイナスだから悪いわけではなく、営業キャッシュフローや投資キャッシュフローも確認しながら、内容の正しい分析が大切です。

関連記事:フリーキャッシュフローとは?マイナスの要因や影響、分析方法まとめ

事業活動におけるキャッシュフローの重要性

キャッシュフローは事業活動において重要な指標であり、企業がどれだけ効果的に現金を管理し、経営資源を活用しているかを表しています。

健全なキャッシュフローにより、利益が出ていても、資金繰りが悪化して支払不能になる「黒字倒産」のリスクを減らせます。そのため、キャッシュフローの改善は持続的な企業経営において、欠かせない取り組みです。

また、キャッシュフローが充実すれば、新規事業への投資や研究開発に必要な資金を確保しやすくなります。その結果、競争力を維持でき、長期的な成長を見込めるでしょう。効果的なキャッシュフロー管理を行えば、事業の軌道修正や市場変化への迅速な対応も可能です。

さらに、キャッシュフローの確保は、企業の信用力を高める要因にもなります。キャッシュフローの改善により取引先や金融機関からの信頼を集め、将来の取り引きや資金調達をスムーズに進める環境を整えられます。

キャッシュフローが悪化する原因

キャッシュフローが悪化する原因として、現金収入(キャッシュイン)の減少と支出(キャッシュアウト)の増加が挙げられます。

他にも、取引先の経営悪化による売掛金の未回収や貸し倒れのリスクもあります。キャッシュフローが悪化する原因を詳しく見ていきましょう。

現金収入(キャッシュイン)の減少

売上の低下による現金収入の減少は、キャッシュフローを悪化させる原因であり、企業にとって深刻な問題です。

市場の変動や競争激化、消費者ニーズの変化などが主な原因となり、売上が思うように伸びない場合、キャッシュインも大きく影響を受けます。特に、中小企業のように資金的な余裕が少ない企業にとっては、キャッシュフロー改善の取り組みが喫緊の課題となるでしょう。

商品やサービスの価格設定は現金収入に大きく影響します。価格が高すぎると顧客離れが起こり、逆に価格を下げすぎると利益の減少が避けられません。

適切な販売戦略を立て、現金収入を増やす必要があります。広告やプロモーションなどのマーケティング活動が不十分な場合も収入が減少する原因となるため、効果的な戦略の立案が重要です。

支出(キャッシュアウト)の増加

支出の増加も、キャッシュフローを悪化させる主な要因です。企業運営には固定費や変動費がかかり、状況によっては予想以上に膨らむことがあります。特に、不良在庫の発生や経費管理が不十分な場合、余分な支出につながる可能性があります。

ビジネスの成長期は投資を進めることが一般的ですが、無駄な支出を行えばキャッシュアウトが増えてしまうでしょう。キャッシュアウトの原因を正しく理解し、予算管理やコスト削減策の徹底が重要です。

売掛債権の未回収や貸倒れ

売掛債権の未回収や貸倒れも、キャッシュフローに深刻な影響を与えます。取引先からの支払いが滞ることで現金収入が期待できず、資金繰りが厳しくなる場合があります。

取引先の信頼性を過信したり、与信管理を怠ったりした場合には貸倒れのリスクが高まるため、注意が必要です。

関連記事:取引先が倒産した場合の税務処理はどうする?

キャッシュフローを改善する7つの方法

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キャッシュフローの改善には、現状を把握した上で具体的な施策を実行する必要があります。まずは現金の流れを把握し、ムダな費用を削りながら、入ってくるキャッシュを増やしたり、その期日を早めたりといった取り組みが大切です。

キャッシュフローを改善する方法を確認しましょう。

資金繰り表を活用して現金の流れを把握する

資金繰り表とは、予定する収入と支出を記録し、現金の流れを把握する管理表のことです。月ごとのキャッシュフローの状況を可視化し、どの時期に資金が不足するリスクがあるのかを予測すれば、効率的な資金計画を立てられます。

予測に基づいて早めに対策を行えば、急な現金不足を避けられ、キャッシュフローを改善しやすくなります。

また、定期的に資金繰り表を見直せば、現金の流れを継続的に把握できるだけでなく、財務の健全性を保ち、無理のない資金管理が可能です。資金繰り表の適切な活用により、企業全体の経営安定につながります。

売掛債権の回収サイクルを早める

売掛債権の回収サイクル短縮は、キャッシュフローの改善につながります。取引先からの入金が遅延すると、その分の現金が手元に入らず、資金繰りに悪影響を与えます。

請求書の発行から入金までの期間を短くするには、請求書をタイムリーに発送し、支払期限の明確な設定が大切です。

さらに、取引先とのコミュニケーションを積極的に行い、支払い状況を常に把握する姿勢が未回収リスクの減少につながるでしょう。取引先と定期的に相談の場を設けるなどの具体的な改善策を導入しましょう。

また、必要に応じて早期に支払いを促せば、回収スピードを更に向上させられます。効率的な管理と適切な改善策の実行により、安定したキャッシュフローの確保が期待できます。

無駄な経費を減らす

経費が増加すると、キャッシュフローに悪影響を及ぼします。無駄な経費を減らすためには、定期的な見直しを行い、本当に必要な出費かどうかの再評価が重要です。

固定費や変動費の中で経営戦略にそぐわない支出を削減すれば、キャッシュフローの改善につながるでしょう。

また、全社でコスト削減への意識を高める文化の醸成が重要です。社員全員が経費削減に協力する体制の整備により、無駄な経費を削減する仕組みが生まれます。その結果、キャッシュフローの安定と改善を見込め、企業経営にプラスの効果をもたらすでしょう。

関連記事:固定費と変動費の違いは?分類の仕分けや指標、計算方法について

不良在庫や遊休資産を処分する

不良在庫や遊休資産は、企業のキャッシュフローを圧迫します。不良在庫や遊休資産の放置により、在庫管理コストや保管の手間が生じるだけでなく、資金繰りの悪化にもつながります。

そのため、定期的な在庫チェックを実施し、動きのない在庫については早急に処分する対策が重要です。効果的な在庫削減により無駄な保管コストを削減し、企業の収益性を向上させましょう。

遊休資産も同様に、使用していない機器や設備は売却を検討し、現金化により資金回収を行います。定期的な見直しを通じて効率的な資産活用を行い、流動資産の増加による健全なキャッシュフローの確保が大切です。

在庫処分と遊休資産の売却を組み合わせ、財務健全性につなげましょう。

事業用クレジットカードを活用する

事業用クレジットカードを活用すれば、キャッシュフローの管理や改善につながります。支払いサイトが長く設定されていれば、実際に現金が出ていくまでの間に、他の収入を確保しやすいためです。

特に、月末の資金繰りが厳しいときに、支払いを迅速に行える手段として役立ちます。事業用クレジットカードを上手に取り入れれば、キャッシュフローの改善が期待できるでしょう。

さらに、多くの事業用クレジットカードは、利用額に応じてポイント還元やキャッシュバックを受けられるため、支出が将来的な利益になるという付加価値もあります。

関連記事:法人カード審査で個人信用情報はどれだけ影響する?ブラックリスト入りの場合はどうなる?

売掛債権を売却(ファクタリング)する

売掛債権を売却し、本来の支払期日よりも前に現金化できるファクタリングは、キャッシュフローを改善する有効な対策の1つです。

ファクタリングの活用により、取引先からの支払いを待たずに、現金を手に入れられます。特に、資金繰りが厳しい場合や緊急で現金が必要な状況において、キャッシュフローを改善する優れた解決策です。

ただし、ファクタリングを利用する際は、手数料を含めたコストを把握する必要があります。経済的な負担を考慮しながらキャッシュフローの状況を丁寧に分析し、適切な選択をしましょう。

慎重に検討すれば、ファクタリングを効果的に活用し、事業を安定させられます。

支払いサイトの調整と契約の見直しをする

支払いサイトの調整は、キャッシュフローの健全性を保つのに効果的です。支払いサイトを調整する際は、以下のキャッシュフロー4原則を意識しましょう。

<キャッシュフロー4原則>

  • キャッシュインは多く
  • キャッシュインは早く
  • キャッシュアウトは少なく
  • キャッシュアウトは遅く

取引先との支払い条件を見直し、可能であれば支払いサイトを延ばすことで、手元資金の確保につながります。手元のキャッシュを厚くしておけば、ビジネスにおける突発的なトラブルや不測の事態にも対応しやすくなるでしょう。

まとめ

未成年・若者の個人事業主

キャッシュフローの改善は、企業にとって重要な経営課題です。現金の流れを適切に管理すれば、事業の安定化や成長を期待でき、強固な経営基盤を構築できます。

キャッシュフロー改善のためには、キャッシュフロー4原則に基づいた対策が重要です。キャッシュフローを安定させ、事業成長や拡大につなげていきましょう。

キャッシュフロー分析・改善についてのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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