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投げ銭はどんな税金がかかる?ライバーが知っておくべき確定申告の方法を徹底解説

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投げ銭はどんな税金がかかる?ライバーが知っておくべき確定申告の方法を徹底解説

最近は配信サービスなどで視聴者から送られてくる「投げ銭」で報酬を得ているライバーの方々も増えてきています。この投げ銭はファンからの応援の気持ちとして贈られるものですが、税法上は「所得」のため所得税がかかるのです。そのため、一定の収入がある場合は確定申告が必要となりますが、どのラインから申告が必要か分からない方も多いはずです。今回は、投げ銭の確定申告や注意点を徹底解説します。

そもそも「投げ銭」って何?

スマホを見ている女性

投げ銭とは主にライブ配信サービスなどで、視聴者が配信者に対して金銭を贈る行為です。投げ銭の起源は大道芸人などに対し観客がそのパフォーマンスに感謝の気持ちを込めてお金を渡す行為から始まったそうです。

現代ではインターネットを通じて、さまざまなコンテンツクリエイターに対して投げ銭を送ることができます。投げ銭には、以下のような種類があります。

  • 直接的な投げ銭:配信プラットフォームが提供する機能を利用して、直接金銭を贈る方法
  • ギフトアイテム:プラットフォーム内で購入できるギフトアイテムを贈ることで、間接的にクリエイターを支援する方法

投げ銭はクリエイターにとって活動を続けるための大きな支えとなり、視聴者は応援の気持ちを具体的に伝える手段でもあります。また投げ銭を通じてファン同士の交流が深まり、コミュニティの活性化にもつながるでしょう。

投げ銭をもらえるライバーってどんな仕事?

ライバーとは、主にライブ配信サービスで活躍する配信者です。雑談配信やゲーム実況、カラオケ配信といったさまざまなコンテンツを取り扱っています。

ライバーは比較的新しい職業であり、自分のアイデアや工夫次第でどこまでも活躍の場を広げられます。しかし投げ銭をもらって収益を上げるためには個性的なコンテンツ、継続的な配信、視聴者とのコミュニケーションなどが重要です。

投げ銭は事業所得か雑所得とみなす

投げ銭はどのような税金がかかるのかについてですが、基本的には事業所得か雑所得とみなされることになります。事業所得か雑所得のどちらに該当するかどうかに関しては、以下の表を参照してください。

事業所得

  • 継続的な収入:ライブ配信や動画投稿などを通じて、継続的に投げ銭を得ている
  • 営利目的:投げ銭を得ることを目的として、積極的に活動を行っている
  • 事業としての体裁:ライブ配信の企画、宣伝、集客など、事業としての体裁を整えている

雑所得

  • 一時的な収入:たまにライブ配信を行ったり、趣味の延長で動画を投稿したりする程度
  • 営利目的ではない:投げ銭を得ることを主な目的としていない
  • 事業としての体裁がない:ライブ配信や動画投稿が、あくまで個人的な趣味の範囲内である

投げ銭はいくらから確定申告が必要?

 

ライバーはある程度の収入がある場合は確定申告が必要です。具体的には、年間所得が48万円を超えると確定申告の手続きが必要となります。

副業ライバーが年間20万円を超える所得を得ている場合も、所得税の確定申告をしなくてはいけません。もしアルバイトやパートで年末調整をしていない場合は住民税の申告が必要です。

関連記事:副業所得20万円以下で確定申告は必要?ポイントや注意点を解説!

投げ銭の確定申告がいらないライバーは?

年間所得が48万円以下の場合、確定申告の義務はありません。これはライバーとしての収入だけでなく、他の所得(給与所得など)も含めた合計金額で判断されます。

またライバーの収入が「雑所得」として扱われる場合、年間20万円以下の所得であれば確定申告は不要です。ただし、これは他の所得(給与所得など)がある場合に限ります。他の所得がない場合は、48万円以下であれば確定申告は不要です。

関連記事:個人事業税のかからない業種とは?ケースや職業別に解説

ライバーが投げ銭の確定申告しないとどうなる?

もし確定申告を怠ると、さまざまなペナルティが科せられる可能性があります。ペナルティの例を以下でご紹介します。

  • 延滞税:期限までに税金を納めなかった場合に発生する追加の税金
  • 無申告加算税:期限までに確定申告を行わなかった場合に発生するペナルティ

もし悪質なケースと判断された場合には、刑事罰が科せられる可能性もあるので注意が必要です。もし確定申告について不安な点がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

関連記事:個人事業主の開業1年目、初めての確定申告の方法について

ライバーが知っておきたい!確定申告のやり方悩む女性

フリーランス・個人事業主の確定申告のイメージ

ここからは、投げ銭によって発生した事業所得か雑所得といった税金の確定申告方法について解説します。

必要書類

ライバーの確定申告に必要な書類は以下の通りです。

  • 支払調書
  • 確定申告書
  • 保険料の控除証明書
  • 源泉徴収票(給与所得が発生した場合)
  • 青色申告決算書・収支内訳書(事業所得の場合)

確定申告書は国税庁のホームページにアクセスすればダウンロードできるため、早めに用意しておきましょう。

書き方

ライバーが行う確定申告においては、一般的に第一表と第二表の2つの書類を記載します。

  • 第一表:納める税金や還付される税金を計算する書類で、収入金額や所得金額、所得控除の金額などを記載します。
  • 第二表:所得の内訳や保険料の情報、配偶者や親族の情報などを記載します。

確定申告書は通常、青色申告決算書(または収支内訳書)と第二表から作成し、最後に第一表を作成します。

提出方法

ライバーの確定申告書の提出方法は、主に以下の3通りが挙げられます。

  1. 税務署の窓口に提出:紙の確定申告書を税務署の窓口に持参して提出します。
  2. 郵送で提出:確定申告書を税務署もしくは業務センターに郵送します。通常は簡易書留で郵送します。
  3. e-Tax:確定申告書を電子データとして提出します。国税庁公式サイトの「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxと連携しているソフトを利用します。

ライバーの配信事業で経費扱いになるもの

ライバーの配信事業で経費扱いになるものの一部をご紹介します。

  • 撮影機材(スマホ・スマホスタンドなど)
  • 動画編集ソフト・配信プラットフォームの利用料
  • 宣伝広告費
  • 衣装やメイク用品(日常的に使用しているものは除く)
  • インテリアや小道具(日常的に使用しているものは除く)
  • 飲食費
  • 旅費・交通費
  • ゲーム機・ソフト代・サブスク代(ゲーム配信者の場合)
  • ライバー事務所へのマネジメント料
  • 税理士に対する報酬
  • プレゼント配信用の費用
  • ほかのライバーに対する投げ銭(事業に関連する場合のみ)
  • 光熱費など家事按分

経費として認められるのは配信事業に直接関係のあるものに限られ、プライベートでも使用するものは使用割合に応じて経費計上する必要があります。経費の判断に迷う場合は、税理士に相談してみましょう。

関連記事:YouTuberの経費とは?その内容や注意点について解説

投げ銭の税金を確定申告する際の注意点

確定申告は、1年間の収入と支出を計算して、納めるべき税金を確定する手続きです。投げ銭による収入も例外ではないため、以下の注意点を踏まえてスムーズな確定申告を心がけましょう。

経費レシートは保管

配信活動では配信機材の購入費用や、イベントの参加費、衣装代などが経費として認められます。領収書やレシートは、これらの経費を証明する大切な書類のため、紛失しないようにしっかり保管しておいてください。

領収書やレシートの保管期間は、白色申告の場合は5年間、青色申告の場合は7年間です。なお副業ライバーの場合も、経費が認められます。

源泉徴収税額の申告も忘れずに

源泉徴収とは、報酬や料金などを支払う側が、あらかじめ所得税などを差し引いて支払う制度です。ライバーの収入も、源泉徴収の対象となる場合があります。

源泉徴収された税金は実際の年間税額よりも多くなっていることがあります。確定申告をすることで払い過ぎた税金が還付される可能性があるので、源泉徴収税額の申告も忘れずに行いましょう。

振込額=売上ではない

ライバーの収入は必ずしも「振込額=売上」とは限りません。売上金額の定義は源泉徴収税額や振込手数料、システム使用料などを引かれる前の金額です。

確定申告時に売上を勘違いしたまま集計すると、納めるべき税額や、課税事業者かどうかの判断も変わってしまうので要注意です。

振込手数料は経費計上が可能

振込の際に売上から差し引かれる振込手数料やシステム使用料は、「支払手数料」という勘定科目で経費として計上できます。そのため金額をしっかり把握しておき、経費の計上漏れがないようにしてください。

投げ銭の税金に関するよくある質問

最後に投げ銭の税金に関するよくある質問をまとめたので、ライバーの皆様はぜひ参考にしてみてください。

投げ銭は「贈与」扱いになる?

投げ銭はファンからのプレゼントだから贈与として扱いたい、と考える方もいるかもしれません。贈与税は年間110万円まで非課税だからです。

しかし、投げ銭を贈与として申告するのは現実的ではありません。贈与税の性質や対価性の有無といったことが理由として挙げられます。海外のチップ収入と同様に、投げ銭は所得税の対象となるので、贈与扱いにはならないでしょう。

事務所に所属して収入がある場合は?

事務所に所属していても給与ではなく報酬として収入を得ている場合は、個人事業主として確定申告が必要です。

事務所によっては、確定申告のアドバイスやサポートを受けられるケースもあります。どうしても不安がある場合は税理士へ一度相談してみるのも1つの手段です。

確定申告のときに使える控除はある?

ライバーが確定申告で活用できる控除には、以下のようなものがあります。

  • 社会保険料控除:健康保険料や国民年金などの保険料を所得から差し引くことができます。
  • 青色申告特別控除:青色申告を行うことで、最大65万円の所得控除を受けることができます。
  • 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済という共済制度に加入している場合、掛金を控除することができます。

これらの控除を有効活用することで、税金を抑えることができます。ご自身の状況に合わせて、利用できる控除がないか確認してみましょう。

まとめ

今回はライバーが投げ銭を受け取ったときに発生する税金や確定申告の必要性について解説しました。ライバーが投げ銭による報酬を得た場合、年間所得48万円を超える場合は確定申告が必要となります。

しかし、確定申告は煩雑な手続きが多く、特にライバーになりたての方にとっては分からないことが多いかもしれません。

投げ銭の確定申告をしないままでいると、延滞税や無申告加算税といったペナルティをうける場合があります。そのため、自分が確定申告が必要かどうかを確認した上で対応しなくてはいけません。

投げ銭の確定申告でお困りの際は、税理士への相談がおすすめです。小谷野税理士法人では、ライバーの確定申告のお悩みやご相談にも対応しています。確定申告の方法に不安がある方は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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