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個人事業主の共同経営は可能?主な形態や親子・友人・夫婦との経営について

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個人事業主の共同経営は可能?主な形態や親子・友人・夫婦との経営について

個人事業主は一人で行うものというイメージが強いことから、共同経営できることは広く知られていません。共同経営の選択肢は、複数人で協力し合い、事業を効率的に進めるための手段として有効です。ただし、個人事業主が共同経営する場合の形態にも種類があり、自分たちに適した組織の構成を選ばなければなりません。個人事業主の共同経営について、メリットとデメリットを含め説明します。

個人事業主の共同経営は上手くいく?

パソコンと個人事業主の男性

相手が信用に値するパートナーであれば、上手に個人事業主として共同経営できます。親子・友人・夫婦だけでなく、どのような関係性のパートナーであっても構いません。

ただし、一旦トラブルが発生すると、関係性が悪化したり責任を押しつけ合ったりして、共同経営を上手く運べない可能性があります。

共同経営者のパートナーがたとえ身内であっても、ビジネスに徹し、事前に詳細なルールを作っておくことが大切です。

個人事業主が共同経営する際の形態

個人事業主の共同経営には複数のパターンがあります。自分たちに合った形態で事業を行うことで、より共同経営が上手くいくでしょう。

共同経営者がすべて個人事業主になる

共同経営の形として、すべての人が個人事業主になる方法があります。

この形態では、どの共同経営者も同じ立場であることが長所です。上下関係がなく、フラットな立場で話し合いを行えるでしょう。また、請け負う責任の重さも全員が同じであるため、「協働」の意識が高まりやすいのがメリットです。

ただし、共同経営するすべての人が個人事業主になると、利益や費用の配分が複雑化します。また、一つの案件に複数人が対応する場合、報酬の入金先を誰にすべきかで悩む場合があります。

報酬の入金先を対応メンバー個々の口座に指定することも可能ですが、取引先の手間が増えるため断られることも考えられるでしょう。

いずれにせよ、トラブルが生じないように、利益や費用の配分は平等に行うよう工夫しなければなりません。

代表者が個人事業主、ほかは下請けになる

共同経営の方法の一つが、一人の個人事業主が代表として就き、ほかの共同経営者は下請けとして事業を行う形態です。

この方法は代表者と下請けの立場こそ対等ではないものの、利益や経費を算出しやすいことが利点です。個人事業主自身が経理を行っている場合や、経理担当者の負担が軽減されます。

また、利益や経費が明確な分、金銭トラブルが生じにくく、共同経営者は良好な関係を築いたまま事業の展開が可能です。意思決定においても、代表者の意向を反映できるため、進展がスムーズです。

ただ、報酬や業務量の配分など、代表者の負担が増えることが想定されます。さらに、上下関係が生じてしまうことから、下請けとして業務を受ける側の不満が生じやすい点に注意が必要です。

代表者が個人事業主、ほかは従業員になる

個人事業主は代表者一人とし、ほかの共同経営者は従業員として勤める形態もあります。

この場合も対等な立場とは言えませんが、共同経営者の間に実力や経験の差が見られるようであれば、従業員として勤めるのがおすすめです。従業員としての業務を積みながら、スキルを向上してもらったり、経験を積んでもらったりできるでしょう。

雇用関係を築くことで、従業員は実力や経験に見合った給与を継続して受け取れます。

関連記事:法人化して後悔するケースとは?後悔しないための対処法を解説

個人事業主が共同経営するメリット

握手をしている人

個人事業主を共同経営することで、資本金や人脈、業務への対応の仕方など、さまざまな面でメリットを得られます。具体的なものを紹介しましょう。

資本金を集めやすい

共同経営する場合は、資本金を集めやすいのがメリットです。

現在の会社法では資本金1円からの事業開始が認められていますが、実際に1円で始めるケースはほとんど見られません。

取引先や金融機関など、事業に対する周囲からの信頼を得るためにも、資本金としてのまとまったお金が必要です。

個人事業主の共同経営では、一人で事業を行うよりも多くの資本金を用意でき、その分、周囲からの信頼も高くなるでしょう。

それぞれの得意分野を活かせる

個人事業主の共同経営者は、それぞれの得意分野を活かし、お互いの苦手な領域をカバーして事業にのぞめます。

一人で個人事業を行う場合、特に事業を開始してすぐは、自分で営業や経理など何もかもしなければなりません。

共同経営であれば、営業が得意な人、経理が得意な人と、各自が得意分野を活かして事業を展開できます。

役割分担をすることで、よりスムーズな事業を行えるでしょう。

人脈を増やせる

一人で個人事業を行うよりも、共同経営したほうが、より多数の人脈を築ける可能性があります。

人脈のバリエーションが広がることで、さまざまな分野や業界とのネットワークが形成されるのです。

その結果、ただ単に人脈の数が増えるだけでなく、取引できる業界や業種も増加し、新たなビジネスチャンスが生み出せます。

休みをカバーしやすい

共同経営することで、病気やケガで個人事業主が休んだときも、ほかの人からのフォローが可能です。

一人で個人事業をしていると、体調不良で仕事を休んだ際に、事業そのものがストップしてしまうリスクがあります。

短期間の休みであれば事業の損害は少ないかもしれません。しかし、病気やケガで入院した場合は、事業そのものが成り立たなくなるでしょう。

共同経営であれば、たとえ一人が休んだとしても、ほかの人がカバーにあたり事業を継続できます。

広い視野で事業を行える

複数の共同経営者がいることにより、さまざまな角度から意見やアイディアが出され、より客観的に物事を捉えられます。

異なる経験を持つ人々が集まることで、問題解決のアプローチも多様化し、新たな視点が生まれるのです。

その結果、従来の方法では見逃していたような可能性にも気づくことができ、新しいビジネスチャンスにつながります。

新規事業をお考えであれば、以下の記事で補助金や助成金について触れているので、参考にしてみてください。

関連記事:新規事業に活用可能な注目の補助金・助成金をご紹介!

個人事業主が共同経営するデメリット

注意点

共同経営する場合は、メリットだけでなくデメリットも無視はできません。デメリットを事前に把握した上で、個人事業主の共同経営を行いましょう。

経営悪化がトラブルのもとになる

共同経営は、経営悪化からトラブルにつながりやすいと言われています。

業績の良い時期には上手くいっていても、いざ経営が悪化すると、共同経営者同士で責任転嫁し合ったり、金銭トラブルに発展したりする恐れがあります。

こうしたことから、経営状況の良いときばかりを想定せず、業績が悪化した場合のことも事前に考慮して共同経営を行いましょう。

物事の決定に時間を要する

複数人が共同経営に関わることで、個人事業主一人のときより物事を決定するまでに時間がかかります。

個人事業を一人で行っている場合は、物事を独断できるため、素早いビジネスが可能です。

一方、共同経営では、代表者が相談や打ち合わせもなく事業を進めた場合、トラブルの原因となるでしょう。

共同経営では、さまざまな物事が決まるまでに時間を要するかもしれませんが、必ず相談や打ち合わせをし、お互い納得した上で事業を進めなければなりません。

仕事の量や内容に不公平感が生じる

共同経営の場合、仕事量や報酬をめぐり、不公平感が生じやすくなる可能性があります。

仕事量や報酬はなるべく平等に分散したいところでしょうが、それぞれの業務内容が異なれば、違いが生まれるのは自然なことです。

その場合は仕事量や報酬に関しても、共同経営者同士が十分に納得できるよう、事前にルールを作っておきしましょう。

また、何よりも普段からコミュニケーションしっかり取り、お互いを敬って人間関係を良好にしておくことが重要です。

責任の所在がはっきりしない

特に共同経営者全員が個人事業主となる場合は、誰に責任があるか不明になりがちです。

代表者がおらず、対等な立場であるだけに、誰の責任なのかはっきりしないケースが見られます。

業務範囲をきちんと区切り、あらかじめ責任の所在を明確にしておくことで、一人ひとりが責任感を持って事業にあたれるでしょう。

関連記事:1人で起業は可能?おすすめビジネスモデルやポイントを解説!

個人事業主が共同経営するときトラブルになりやすい事例

個人事業主が共同経営をする際、実際にはどのような場面でトラブルが起こりやすいのでしょうか。事例を紹介します。

報酬の配分をめぐる金銭トラブル

個人事業主が共同経営する際に多いのが、報酬の配分に関する金銭トラブルです。

共同経営者のうち誰か一人でも報酬の配分に納得がいっていないと、不満が積もり積もってもめごとへと発展する可能性があります。

例えば、資本金を集めた際に出資額に差があったり、利益や費用の配分が公平でなかったりすると、不満につながりやすいです。

人間関係に亀裂が走ると、仕事場の雰囲気が悪くなり、事業にも影響を与えます。

報酬の配分については事前にしっかりと話し合い、共同経営者全員が納得できる内容にしておきましょう。

コミュニケーション不足による行き違い

共同経営を行う中でコミュニケーションが足りないと発生するのが、行き違いや思い込みなどのトラブルです。

事前にお互いの業務範囲を決めていたとしても、仕事内容によってはどちらの業務にも該当しなかったり、分野が曖昧な場合もあったりします。

こまめに連絡を取り合っていないと、「やった」「やってない」や「言った」「言ってない」などの行き違いや思い込みへと発展するのです。

密に連絡を取り、できる限りお互いの業務内容や進捗状況を確認し合いましょう。また、それがコミュニケーション不足の解消にもつながります。

共同経営を解消する場合とその引き継ぎ

個人事業主の共同経営を解消する際や、事業の引き継ぎをする際にも、トラブルは起こりがちです。

さまざまな理由から共同経営全体を解消したり、パートナーのうち一人だけが共同経営者から抜ける場合、資産や権利の配分でもめるケースも見られます。

場合によっては事業そのものが成り立たなくなるリスクもあるでしょう。

共同経営をスタートさせる際には、全体、もしくはそのうちの一人が共同経営を解消する場合について、明確な取り決めをしておくことが大切です。

個人事業主が共同経営を成功させるポイント

男性2人

相手が信頼できる人物であったとしても、お互いに歩み寄らなければ共同経営は破綻してしまいます。個人事業主が共同経営を成功させるため、次のような点を大切にしましょう。

細かい点までルールを決めておく

ここまで取り上げてきたように、共同経営する際には、何事に関しても細部まで取り決めておくことが重要です。

共同経営者同士で十分に話し合い、特に次のような点については明確なルールを作っておきましょう。

  • 事業目的
  • 共同経営の形態
  • 共同経営の年数
  • 出資金額の割合
  • 業務範囲と責任・権限
  • 利益・費用の配分と報酬金額
  • 共同経営を解消する際の清算

最初に取り決めた後も定期的にルールの確認を行い、ときには見直しが必要です。

また、新たに共同経営者が増える際には話し合いを持ち、新たなルールを設けましょう。のちのリスク回避につながります。

共同経営契約書を作成する

上記のようなルールを取り決めたら、共同経営契約書を作成し、データや文書として残しておきましょう。

共同経営契約書は法律で義務づけされたものではありませんが、事業を進める中、共同経営者の間でトラブルが起こった際に必要です。

何らかの問題が起こった際には共同経営契約書を確認し、内容に従うことで解決できる可能性があります。

専門家に相談や依頼をする

個人事業主の共同経営では、税理士を始めとした専門家への相談や依頼が有効です。

共同経営者同士の中でも特に問題となりやすい金銭トラブルに関しては、税理士から問題を回避するための適切なアドバイスが受けられます。

また、個人事業主の共同経営は利益や費用の配分が複雑であるため、経理と節税を含めた税金対策についても税理士に相談可能です。

親子・夫婦・友人との共同経営について

親しい間柄での共同経営は、パートナーとの関係性で注意点も異なります。親子・夫婦・友人との共同経営する場合は、それぞれ次のような点に気をつけましょう。

親が死亡した場合の相続では手続きが必要

個人事業主の共同経営を親子で行っていた場合、親が死亡すると子どもは事業のすべてを相続できますが、適切な手続きが必要です。

遺言書の内容や後継者の有無により相続手続きは変わります。概ね次のような流れです。

  1. 相続人の調査
    相続人の調査を行うため、死亡した親の戸籍謄本を用意する
  2. 相続財産の棚卸し
    個人事業主の個人資産と事業資産の内容を明らかにする「相続財産の棚卸し」を行う
  3. 遺産分割協議の実施
    相続人が複数いる場合は、誰がどの資産をどのぐらい引き継ぐかを話し合うため、遺産分割協議を行う(有効な遺言書があれば記載内容に従う)
  4. 金融機関・賃貸の相続手続き
    事業に用いていた金融機関の口座を解約するか名義変更を行い、個人事業主が借りていた店舗の賃貸を承継する
  5. 税務と社会保険の手続き
    親が死亡したことを管轄の税務署・年金事務所・ハローワークなどに伝え、必要な手続きを行う

個人事業主が宅建業・建設業、個人タクシー事業などの許認可を保有している場合は、取得し直さなければならないケースもあります。

また、税務や社会保険の手続きでは、遅滞するとペナルティが発生するものもあるため注意が必要です。

事業主が年度の途中で亡くなった際の準確定申告は4ヵ月以内に、相続税申告は10ヵ月以内に済ませなくてはなりません。

夫婦で経営する場合は「青色専従者」での開業に注意

夫婦で個人事業を行っており、どちらか一方が青色専従者である場合には、その青色専従者と共に個人事業主にはなれません。

青色事業専従者給与は、青色申告を行っている個人事業主が、家族従業員に支払う給与を経費にできる制度です。そのため共同経営をするとしたら、個人事業主と雇用契約を結ぶ必要があります。

青色事業専従者と認められるためには、次の事柄が条件です。

  • 青色申告者と生計が1つである配偶者か親族の場合
  • 該当する年の12月31日で年齢15歳以上の場合
  • 青色申告者の事業に6ヵ月を超えて従事している場合

青色専従者は個人事業主として共に開業はできず、共同経営の従業員である必要がありますが、メリットも存在します。

夫婦のどちらか一方が青色事業専従者として個人事業主に従事することで、給与に対して高い節税効果を得られるのです。

夫婦で個人事業を営む場合は、共同経営の形態についても十分考慮し開業する必要があります。

関連記事:夫婦で起業するなら個人事業主?法人?それぞれの節税対策を解説

友人と売上折半では割に合わないと感じる可能性有り

パートナーが友人の場合、売上や経費を折半することに不満が生じると、共同経営の継続は厳しいです。

特に業務範囲を区切り、それぞれの得意分野を仕事とする場合は、仕事量や精神的な負担から「折半では割に合わない」と感じるケースもあります。

親子や夫婦で個人事業主になる場合、共同経営者は生計を共にしている可能性が高いです。

一方、共同経営が友人同士の場合、報酬はそれぞれ自らの生活費や貯蓄と関わるため、不満も起こりやすい傾向が見られます。

個人事業主の共同経営者が友人の場合は、より密にコミュニケーションを取り、不満を感じている点についてもしっかりと話し合いましょう。

個人事業主の共同経営には税理士からの適切なアドバイスが効果的

個人事業主の共同経営はデメリットもありますが、メリットを活かせば一人で事業を展開するよりも個人の負担が軽減されます。

ただし、共同経営する際の形態で報酬の配分が複雑になったり、税制が分かりにくかったりする場合もあるでしょう。

そのような際には、経営や経理についての相談にも乗ってもらえる税理士に相談すると、適切なアドバイスを得られます。

また、それぞれの共同経営に合わせた節税についてサポートを受けられるのも、税理士への相談をおすすめするポイントです。

私たち小谷野税理士法人では、個人事業主の会計や税務について、幅広いサポートを行っています。

皆さんにとって身近な税理士事務所です。どのようなお悩みでもご相談ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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