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定款変更とは?必要なケースから登記申請の流れ・費用、注意点までを解説

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定款変更とは?必要なケースから登記申請の流れ・費用、注意点までを解説

会社の基本的なルールや運営の方針を定めた定款。この内容を修正、追加、または削除することを定款変更と言います。その際、法律に基づいた手続きを適切に行うことが求められます。本記事では、定款変更が必要になるケースから各種手続きや費用、注意点まで定款変更について詳しく解説します。スムーズかつ正確な定款変更にお役立てください。

そもそも定款とは?

定款とは、会社や法人の基本的なルールや運営の方針を定めた公式な文書のことです。法人を設立する際に必要なもので、「会社の憲法」とも呼ばれている基本ルールです。会社の組織や活動内容、権利義務関係などを規定する重要な書類として、法的な効力を持ちます。

定款の記載事項

定款には、主に以下のような事項が記載されます。

◆絶対的記載事項(必須項目)

これらは、定款に必ず記載しなければならない事項で、記載がない場合、定款は無効となります。

  • 目的:会社が行う事業内容
  • 商号:会社の名称
  • 本店所在地:会社の主たる事務所の所在地
  • 設立時に出資される財産の内容とその価額
  • 出資者の氏名または名称

◆相対的記載事項(記載すれば効力が発生する事項)

記載がなくても定款自体は無効になりませんが、記載することで効力を持つ事項です。

  • 株式の譲渡制限
  • 役員の任期や報酬に関する規定
  • 株主総会の議事録の省略規定 など

◆任意的記載事項

法律上の要件ではありませんが、会社運営に関するルールを記載することができます。

  • 取締役会や監査役の設置有無
  • 利益配分の方法
  • 会計年度や決算期 など

定款の記載例については下記で確認できます。

参考:日本公証人連合会

定款の役割

定款は会社運営の指針を明確にするもので、法的トラブルの防止に役立ちます。株式会社の場合、会社設立時には公証役場で定款の認証を受けることで法的な効力を発揮します。その後は会社や法人が保管します。

定款の内容は設立後も変更可能ですが、株主総会や社員総会の特別決議が必要となる場合があるため、変更には慎重な検討が求められます。

会社設立時の相談先については以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【無料有り】会社設立の相談先一覧|失敗しないための選び方も解説

定款変更登記が必要となるケースとは?

オフィスのイメージ

会社設立後に定款の変更登記が必要になる理由は多岐にわたります。たとえば、会社の所在地を移転する場合にはこの手続きを行う必要があります。また、会社名や事業目的を変更する際も定款の変更が必須となります。ここでは定款変更登記が必要となるケースについて説明します。

本店所在地を移転するとき

本店所在地を移転する場合、定款を変更しなければなりません。新しい所在地が確定した時点で、定款に記されている本店の住所を更新する必要があります。この手続きは、法務局への変更登記申請を伴います。

さらに、所在地に関連する法律や規制の確認も欠かせません。本店を移転する際は、顧客との円滑なコミュニケーションを維持するためにも、事前に十分な計画を立てることが大切です。また、新しい住所での事業がスムーズに進められるよう、必要に応じて許認可の手続きも忘れずに行いましょう。

事業目的や会社名(商号)の変更が生じたとき

会社名や事業目的の変更が生じた場合には、定款変更が必要となります。社名を変更する際には、新しいブランドイメージを構築しやすくなるなどの利点があります。また新たな事業目的を設定することで、会社の方向性を明確にし今後の成長を後押しすることが可能になります。

このように会社名や事業目的の変更により、会社の認知度を向上させたり新たな市場への進出を効果的に進めたりすることができます。しかし、変更内容によっては株主総会での特別決議が求められるため、事前に詳細な計画を立て、関係者への説明を十分に行うようにしましょう。特に、目的を再定義する際には企業の競争力や市場戦略に直結するため、慎重な検討と適切な手続きが必要です。

会社の変更登記については下記の記事も参考にしてください。

関連記事:会社の変更登記は自分でできる?手続き方法や費用を解説

役員の人数や任期を変更したとき

役員の人数や任期を変更する場合、定款の変更が必要な場合があり、その際、株主総会で特別決議が行われます。役員の構成や任期は会社の経営戦略に関わる重要な要素です。

たとえば役員の人数を増やすことで、よりスムーズな意思決定が期待できます。役割分担を明確にし、それぞれが専門分野で迅速に判断を下せる体制を整えることで、組織全体としての効率が向上するからです。ただし、その分、適切な人材を選ぶことが求められます。

また、任期を延長すると長期的な視点で安定した経営体制を構築しやすくなります。一方、任期を短縮すると柔軟な経営判断がしやすくなる効果があります。

いずれにしても、こうした変更を行う際は手続きを正確に進めることが大切です。また、効率的で合法的な運営体制を実現するために株主総会の承認を得る必要があります。

定款変更手続きの流れ

定款の変更は会社の運営に影響を与えるため、正確な手続きと適切な流れを守ることが求められます。この手続きは株主総会での特別決議から始まり、最終的には法務局への申請で完了します。ここでは定款変更の流れについて説明します。

1.株主総会での特別決議の実施

定款変更の最初のステップは、株主総会における特別決議の実施です。株主総会で定款に記載された絶対的記載事項や相対的記載事項の変更が審議されます。その際、株主の過半数以上の賛成が必要となります。

特別決議の採択までには、招集通知を事前に送付し、該当する議題を詳細に説明した上で決議を行う必要があります。株主総会で特別決議が成立した場合は、変更内容が正式に決定され、次の手続きへと進むことが可能となります。

2.議事録作成と定款変更内容の確定

特別決議が無事に成立したら、次は議事録の作成に移ります。議事録の書き方には注意が必要で、結論や誰が出席したのかなど、必要事項を明確に記載しなければなりません。この文書は法務局に提出する際の重要な資料となるため正確さが求められます。

作成された議事録は変更された定款の内容もしっかりと反映し、公式な書類として完成させます。

3.必要書類を準備して法務局に申請

法務局への申請を行う際には、必要書類を適切に準備することが大切です。この書類には、定款の変更内容を記した文書や株主総会の議事録、代表者の印鑑証明書などが含まれます。

不備があると申請がスムーズに進まないことがあるため注意が必要です。法務局で申請が受理されると変更内容が正式に登記されます。この手続きは会社の運営において大切なステップであり、社会的信用にも関わってきます。したがって、細部にわたり注意を払いながら申請手続きを行うことが求められます。

4.定款変更後の議事録や書類を保管する

定款の変更が完了した後は、関連する議事録や必要書類を適切に保管しましょう。これらの書類は、将来的に監査対応や関連法令の遵守状況を証明する際に求められることが多く、会社の法的履歴や証拠としての役割を果たします。

定款の保管方法については、法律で明確に定められていないものの、会社運営に必要なため永続的に保管します。

変更前の定款についても法的義務はありませんが、証拠保全の観点から10年程度は保管するのが一般的です。トラブルや監査の際に役立ちます。

定款変更にかかる費用の内訳・相場

固定資産税のイメージ

定款変更にはさまざまな費用が発生します。主な費用は登記申請時の登録免許税です。登録免許税は定款変更内容を法務局に登記する際に必要で、金額は会社の資本金に応じて異なります。そのため、自社の状況に合わせた予算計画を立てることが大切です。ここでは、定款の変更時にかかる費用について紹介します。

定款の変更登記時に必要となる主な費用

定款の変更に際して発生する主な費用の登録免許税ですが、株式会社の場合、登録免許税は原則として3万円が適用されます。変更内容が大きい場合には相当な額になることがあります。

それに加えて、登記申請に必要書類の作成費用や印刷費用も発生します。さらに、書類作成や手続きにかかる時間や人件費も忘れずに計上しましょう。

司法書士に依頼する場合の費用相場

定款の変更を司法書士に依頼する場合、その費用は依頼内容や所在地によって異なります。一般的に司法書士への依頼費用は数万円から十万円程度が相場です。具体的な金額は手続きの内容や複雑さ、また依頼する司法書士が設定する報酬によって異なります。

司法書士に依頼することで、専門的な知識に基づいた正確な手続きが可能となり、書類作成や申請のサポートも受けられます。ただし、どこまでが範疇なのかは司法書士にもよるので、これらの費用は事前に確認して予算を計画的に立てましょう。

定款変更の際に押さえるべき注意点

定款変更を行う際には、いくつかの注意点があります。まず、会社の運営に大きな影響を与えるため、しっかりと計画を立てることが大切です。変更内容に応じて事前に準備が必要です。準備には、変更後の事業運営への影響や法的要件の確認が含まれます。ここでは、定款変更を行う際の注意点をまとめました。

原始定款と変更定款の違いを理解する

原始定款

会社設立時の初期定款

変更定款

変更後に内容を変更した定款

 

まず、原始定款と変更定款の違いを正しく理解しましょう。

原始定款は会社設立時に初めて作成されるものであり、会社の基本的な制度や運営ルールの内容が詳細に記載されています。この原始定款は法律的に重要な役割を果たし、会社運営の基盤となるものです。

一方で変更定款は、会社の成長や事業環境の変化に応じて新たに必要となった要素や内容を反映させたものとなります。

株主総会が必要か確認しておく

定款変更を行う際には、特別決議が必要かどうか、株主総会を開く必要があるかどうかを事前に確認することが重要です。特別決議が必要な場合は、株主総会を開催しなければ変更が無効とされる可能性があるためです。なお、多くの場合、定款の変更は特別決議を必要とし、株主総会を開く必要があります。

株主総会の開催には時間や手間がかかることが多いため、計画的にスケジュールを立てることが欠かせません。必要な資料や議題を早めに準備し、株主には事前に説明することで全員の理解と合意を得るためのプロセスをスムーズに進めましょう。

登記申請期限を守る

会社法においては、定款変更に際する登記の申請は、決議の日から2週間以内に行うことが義務付けられています。期限を過ぎた場合、遅延申請として罰則やペナルティが科される可能性があるため注意しましょう。

こうしたリスクを回避するためには、スケジュール管理を徹底し、申請が期限内に確実に行われるように計画を立てることが重要です。

まとめ

定款変更は、会社が成長する過程で避けて通れない手続きです。会社名や事業目的の変更、本店所在地の移転、役員の数や任期の変更など、さまざまな理由で定款の見直しが求められることがあります。このプロセスをスムーズに進めるためには、具体的な方法や必要書類を事前に把握しておくことが重要です。

手続きの流れとしては、まず株主総会での特別決議が行われ、その内容を基に議事録を作成します。この議事録は定款変更を進める上での重要な必要書類となるため、記載内容に十分注意を払う必要があります。その後、議決内容に従い法務局へ登記申請を行うことで、定款変更が正式に効力を持つ流れになります。これらのステップを正確に進めることによって、法律的なトラブルを回避し、企業の透明性を保つことが可能です。

定款変更について分からないことや手続きについては、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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