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キッチンカーの耐用年数は新車・中古車で異なる!減価償却の方法について

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キッチンカーの耐用年数は新車・中古車で異なる!減価償却の方法について

キッチンカーを使った事業を始める際、キッチンカーをどのように経費として計上すべきかお悩みの事業者も多いのではないでしょうか。キッチンカーは減価償却と呼ばれる固定資産に用いられる方法で計上する必要があります。また、その経費の金額は耐用年数によって変わってくるのもポイントです。本記事ではキッチンカーの減価償却の計算方法や注意点について解説します。これからキッチンカー事業を始める方は、ぜひ参考にしてください。

キッチンカーは経費として計上できる?

キッチンカー

キッチンカーの運営に関連する費用は、原則として経費として計上できます。事業所得や雑所得に関わらず、所得を得るためにかかった費用であれば経費として計上可能です。キッチンカーの経費には、次のようなものが挙げられます。

キッチンカー関連費

  • 車両運搬具
  • 損害保険料
  • 租税公課
  • 旅費交通費
  • 地代家賃

営業関連費

  • 仕入れ
  • 消耗品費
  • 水道光熱費
  • 工具器具備品

集客関連費

  • 広告宣伝費

出店関連費

  • 支払手数料

キッチンカーの購入費は固定資産になる

10万円以上のキッチンカーの車両の購入費用は、固定資産扱いとなります。10万円以上の購入費用がかかり、なおかつ1年以上利用できる物品は経費として計上できないからです。

ただし、200万円の車両を購入しても、購入した年に全額を経費として計上できません。経費として計上するためには購入の翌年50万円、翌々年50万円と分割して経費にする「減価償却」をする必要があります。

後ほど詳しく説明しますが、減価償却は年月の経過とともに減少した固定資産の価値に対して行われるものです。またキッチンカーの「法定耐用年数」に応じて、年ごとに計上できる金額も変わってきます。

キッチンカーをどのように経費として計上すべきか理解するためには、減価償却と耐用年数の基礎について知る必要があるのです。

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減価償却とは?

減価償却とは、事業で用いる固定資産を耐用年数に応じて分割して経費計上する方法です。「固定資産」とは、長期間保有するものや1年以上の時間をかけて現金化・費用化される資産を意味します。

このうち、キッチンカーなどの車両や機械、建物など年月の経過とともに価値が減っていく資産を減価償却資産(償却資産)と呼びます。

事業のために購入した物品は、基本的に経費として計上が可能です。しかし減価償却資産の場合は購入した年に全額を費用計上するのではなく、耐用年数に応じて分割して計上します。

キッチンカーなどは使用すればするほど機能低下や摩耗が発生して価値が下がっていきます。そして耐用年数が過ぎると「購入当初の価額に見合った価値を使い果たした」という認識となり行われるのが、減価償却です。

減価償却できる固定資産の例は以下の通りです。

建物

事務所・工場・倉庫・車庫・店舗

建物附属設備

衛生設備・ガス設備・給排水

構造物

貯水槽・用水路・サイロ

車両・運搬具

普通自動車・トラック・リヤカー・自転車

工具

検査工具・測定工具

器具・備品

家具・電気機器・電話・パソコン

生物

農業に利用する馬・牛・綿羊・豚や果樹

無形固定資産

のれん、特許権、ソフトウェア

キッチンカーの法定耐用年数とは

キッチンカーの費用を計上する際には、法定耐用年数に応じて計上方法が変わることを説明しました。以下では、その法定耐用年数について解説します。

法定耐用年数の概要

法定耐用年数は、国が定めた固定資産を使える期間を指します。この年数は業種や資産の種類に応じて異なり、キッチンカーの場合は車両の種類により耐用年数が異なるのが一般的です。

法定耐用年数が定められている理由

法定耐用年数があることで減価償却費が正しく計上できるというのが一番の理由です。また資産を使える期間を定めることで納税者の間に公平性を保てるというメリットもあります。

耐久年数の違い

耐用年数は国が定めた固定資産を使える期間です。それに対して耐久年数はその商品を製造してメーカーが「問題なく使える期間」として独自に判断した年数を意味します。

新車と中古車のキッチンカーにおける耐用年数と算出方法

固定資産税のイメージ

新車と中古車のキッチンカーだと法定耐用年数に違いがあるため、これにより減価償却の対応が変わってきます。以下では、新車と中古車のキッチンカーにおける耐用年数の違いについて解説します。

車種

耐用年数

新車(一般用のもの)

小型車…4年

普通車…6年

貨物自動車(トラックなど)…5年

リヤカー…4年

中古車(法定耐用年数が残っている)

(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)

例:法定耐用年数5年、経過年数2年5ヶ月

(5年-2.5年)+(2.5年×20%)=2.5年+0.5年=3年

中古車(法定耐用年数が残っていない)

法定耐用年数×20%

例:新車登録後10年が経過した普通車

6年(普通車の法的耐用年数)× 20%=1.2年

※今回のように2年未満だった場合は一律「2年」扱いとなる

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キッチンカーの減価償却の算出方法

キッチンカーの減価償却には、資金計画や税金対策のために「定額法」と「定率法」の2つの方法があります。以下では、この2つの方法の特徴について解説します。

定額法

定額法は、毎年一定額の減価償却費を計上する方法です。一定額を計上していくため、計算が簡単にできるというメリットがあります。

定額法の計算式は、以下の通りです。

定額法の減価償却費=取得価額×定額法の償却率

定額法の償却率については、以下の表を参考にしてください。

2年…0.500

3年…0.334

4年…0.250

5年…0.200

6年…0.167

出典:減価償却資産の償却率等表|国税庁

例えば150万円のキッチンカーを購入し、法定耐用年数5年の場合は、償却率が0.200となります。計算式に加えると、150万円×0.200=30万円となり、この金額が1年間の減価償却費に該当します。

定率法

定率法は、毎年の減価償却費が年ごとに異なる方法です。この方法は初年度の減価償却費が大きく、その後は徐々に少なくなる傾向があります。資産の初期段階で費用を多く計上したい場合におすすめです。

定率法の計算式は、以下の通りです。

定率法の減価償却費=未償却残高×定率法の償却率

定率法の償却率については、以下の表を参考にしてください。

2年…1.000

3年…0.667

4年…0.500

5年…0.400

6年…0.333

出典:減価償却資産の償却率等表|国税庁

例えば、150万円のキッチンカーを購入して法定耐用年数が5年の場合、初年度の償却率は0.400となります。初年度は150万円×0.400=60万円、次年度は(150万-60万)×0.400=36万円と減価償却費が少なくなっていきます。

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定率法と定額法のどちらで計算すべき?

定率法と定額法のどちらで計算すべきかについては、それぞれのメリットを踏まえてどちらを選択するかを決めましょう。

定率法にした場合は、購入した最初の年度に多くの費用を計上できるため、購入直後の利益を下げられるのがメリットです。その一方で定額法は毎年同じ費用を計上するため、計算のしやすさや資金計画の立てやすさといったメリットがあります。

ただし、機械設備や車両運搬具、工具器具備品に関しては個人事業主は定額法、法人は定率法が法定償却方法です。しかし事前に届出書を提出すれば、個人事業主は定率法、法人は定額法で計算可能です。

キッチンカーの改造費は「資本的支出」扱い

キッチンカーを改造した場合、その費用は「資本的支出」として処理されます。資本的支出とは、固定資産を修理・改良した費用のうち、その固定資産の価値を増加させた支出のことです。つまり、キッチンカーを改造することによってその車両の価値が上がったとみなされるのです。

開業のために新車のキッチンカーを購入し、その後キッチンの設備を増築した場合は資本的支出と見なされるでしょう。そして資本的支出を経費として計上するためには、減価償却をしなくてはいけません。

ただし改造費用が20万円以下の場合や3年以内に改修が必要と認められた場合は「修繕費」として経費計上が可能です。ただし修繕費として計上するためには、これらの条件に当てはまっていることを証明する書類が必要になります。

また中古のキッチンカーの不具合を修理した場合も修繕費扱いとして経費計上が可能です。しかしエンジンの性能を上げるなど性能を改善する修理は「資本的支出」になる可能性があるので注意しましょう。

キッチンカー事業を開業するために知っておきたいポイント

キッチンカーの事業をこれから始める方に知っておいてほしいポイントを開業資金と運転資金、準備の3つの観点から解説します。

開業資金

キッチンカーの開業資金は規模や内容によって異なりますが、一般的には250万~300万円程度が相場です。開業資金にかかる項目には、以下のようなものが挙げられます。

  • 初期費用車両購入費
  • 厨房設備費
  • 車両の改造費
  • 営業許可取得費
  • 初期の食材費

運転資金

キッチンカーでの事業運営にかかる運転資金は、50~100万円程度が相場です。運転資金にかかる項目には、以下のようなものが挙げられます。

  • 駐車場代
  • 保険料
  • 車検代
  • 使い捨て容器
  • 出店料

開業準備

一般的なキッチンカーの開業準備の流れは以下の通りです。

  1. 資金調達をする
  2. コンセプトと事業計画を立てる
  3. 必要な資格・許可を取得する
  4. キッチンカーを準備する
  5. 仕入れ先を確保する
  6. 出店場所を確保する
  7. 広報・宣伝活動をする

キッチンカーを使った移動販売の開業準備をスムーズに進めるためにも、開業までの流れを把握しておきましょう。起業・開業に関する不安がある場合は、税理士に相談してみるのもおすすめです。

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キッチンカーの耐用年数・減価償却に関する注意点

最後にキッチンカーの耐用年数・減価償却費を求める際に理解しておきたい注意点についてまとめました。

改造費は車両本体価格の50%以内にする

中古車をベースにキッチンカーを製作する場合、改造費用は車両本体価格の50%以内に抑えることをおすすめします。なぜなら改造費が資産の再取得価額の50%相当額を超えると、減価償却の計算において新車と同様の耐用年数が適用されるためです。

一般的に、中古車の耐用年数は新車よりも短く設定されています。耐用年数が短いということは、1年あたりの減価償却費が多くなることを意味します。つまり改造費を抑えることでより早く経費として計上し、税負担を軽減できる可能性があるのです。

ただし改造費の比較対象となる「車両本体価格」は中古車を購入した金額ではなく、その車両の新車時の価格に該当します。例えば新車価格が300万円の車両であれば、改造費は150万円未満に抑えるのがおすすめです。

ローン利用時も減価償却が必要

キッチンカーの購入にあたって、ローンの利用を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もしローンを利用する場合でも、減価償却を計上しましょう。これは現金の有無に関わらず、減価償却が「固定資産の価値の減少」を費用として計上する会計処理だからです。

ローン返済時には元金と利息を支払いますが、このうち経費として計上できるのは利息部分のみです。

利息は「支払利息」として経費計上できますが、元本の返済部分は経費として計上できません。元本返済は、借入金の減少という財務状態の変化を示すものであり、費用とは性質が異なるので注意しましょう。

キッチンカーの減価償却まとめ

キッチンカーを使用した事業を始めるにあたり、ビジネスを続けていく上で経費の計上は欠かせません。特にキッチンカーは固定資産扱いとなり、減価償却という方法で経費計上する必要があります。

しかし事業が軌道に乗ってくると、複雑な経理処理をするのが大変で手が回らないという事業者の方も多いのではないでしょうか。もしキッチンカーの減価償却に関して不安がある方は、必要に応じて専門家に相談するのもひとつの手段です。

小谷野税理士法人では、キッチンカーの減価償却に関するあらゆるお悩みの相談やご依頼が可能です。まずは一度、お気軽にご相談してみてください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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