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非課税・不課税・免税・課税の違いを徹底解説!

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非課税・不課税・免税・課税の違いを徹底解説!

非課税・不課税・免税とは、いずれも消費税が課税されない取引で、それぞれ要件が異なります。課税とは、消費税が課される取引を示します。消費税の納税額に影響を与えるケースがあるため、それぞれの違いを理解しておくのは重要です。今回は、非課税・課税・免税・課税の違いや特徴などを解説します。最後まで読めば、経費処理するときの疑問を解消できるでしょう。

非課税・不課税・免税・課税の違いとは

事業承継のイメージ

事業者が分かりにくいと感じやすいものとして、非課税・不課税・免税・課税の違いがあげられます。大まかな違いは、消費税が課税されるのかという点です。

  • 非課税・不課税・免税:消費税が課税されない
  • 課税:消費税が課税される

非課税・不課税・免税の具体的な違いは以下の通りです。

非課税

  • 課税の条件を満たすものの、消費税としてなじまないことや、政策上の理由で非課税となる
  • 土地取引や預貯金の利子などが対象
  • 仕入税額控除できない

不課税

  • そもそも課税の条件を満たしておらず、消費税が課税されない
  • 給与や寄附金、試供品などが該当する
  • 課税売上計算で算入できない

免税

  • 外国人旅行客などの非居住者が対象で、対象商品には課税されない
  • 日本国外に持ち出さない場合、課税の対象である
  • 短期滞在の外国人であるなど、条件を満たす必要がある
  • 仕入税額控除できる

仮に、仕入の場合は消費税が課税されない非課税取引と不課税取引を誤って処理しても、納税額に大きな影響はありません。

一方で、課税取引と非課税取引など、課税の有無に関わる取引を誤って処理すると、ペナルティを課されるリスクが生じます。以下の通り、消費税の納税額が変わる可能性があるためです。

  • 課税売上割合95%以上(課税期間中の課税売上高が5億円以下):仕入にかかる消費税すべてが仕入税額控除の対象
  • 課税売上割合95%未満:仕入にかかる消費税の一部が仕入税額控除の対象外

課税売上割合とは以下の計算式で求められ、課税期間中の売上に占める課税売上高の割合を示します。

(課税売上高+免税売上高)÷(課税売上高+免税売上高+非課税売上高)

意図せずとも、消費税の納税額が少なくなると、追徴課税を求められるケースがあります。通常よりも多くの税金を納めたり、事業者の信用に影響を与えたりするなどのデメリットがあり、正確に処理するのがポイントです。

消費税に関して分からない点がある場合、税理士などのプロに相談するのが効果的です。

追徴課税とは?加算税の種類や計算方法、対象期間について解説

非課税取引とは

非課税取引とは、消費税の課税要件を満たすものの、なじまないものや政策上適当ではないとされているものを示します。非課税取引の具体例は、以下の通りです。

土地の受け渡し・貸付け

  • 地上権や地役権などの「権利」も含まれる
  • 土地の受け渡しや貸付けは、消費ではなく移動と見なされる
  • 1ヵ月未満や駐車場などで土地を利用の場合は対象外となる

国債や株式など有価証券などの受け渡し

  • 消費ではなく資本の移転と見なされる
  • 支払時に発生する手数料は対象外である

紙幣や硬貨、小切手などの受け渡し

以下の通り、収集品・販売用のものは対象外である

  • 記念硬貨
  • 小銭
  • 2,000円札など現在も使われている紙幣
  • プレミア紙幣など

預貯金の利子・保険料を対価とするサービスの提供など

以下に該当するものが対象

  • 利子
  • 信用保証料
  • 信託報酬
  • 保険料にかかる共済掛金など

郵便切手や印紙・証紙・物品切手などの受け渡し

金券ショップなどで入手できる郵便切手などは対象外である

商品券やプリペイドカード・ギフト券・旅行券などの受け渡し

  • 実際に商品を買ったり、サービスの提供を受けたりしないと仕入税額控除できない※サービスの提供事業者によって回収されるなど、一定の条件を満たす場合は除く
  • 郵便切手などとは異なり、金券ショップなどで入手したものも対象である

国などによる一定の事務などのサービス

以下に該当するものが対象

  • 法令にもとづいて徴収される登記や公文書の交付、パスポートの発給などにかかる手数料
  • 法令で登録などが義務づけられているもの
  • 滞納処分について、法令にもとづき他の方から徴収する手数料など
  • 情報の公開に関する法律などにもとづく手数料など

外国為替業務に関するサービス

以下に該当するものが対象

  • 外国為替取引
  • 対外支払手段の発行・売買or債権売買

社会保険の給付

  • 健康保険法などによる医療や労災保険などに該当するもの
  • 美容整形などの自由診療は対象外

介護保険サービス

  • 居宅・施設・地域密着型サービスを含む
  • 利用者の希望による特別な居室や送迎などのサービスは除く

社会福祉事業などによるサービス

社会福祉法によって定められたもの

助産

  • 医師や助産師などによるもの
  • 妊娠の判断をする診察も含む

火葬料や埋葬料にかかるサービス

  • 葬儀費用は対象外

身体障害者用物品の貸付けなど

  • 障害のある方にとって、生活必需品である義肢や車いすなどが対象
  • 生活の質を高めるうえで効果的な点字器や、一部の身体障害者用物品の修理に関するものなども含む

学校教育

  • 学校教育法で決められている小中高等学校や大学などが対象で、年間の授業時間680時間以上などの条件を満たす必要がある
  • 学習塾やカルチャースクールなどは除く

教育用図書の受け渡し

  • 文部科学大臣認定の教科用図書などが対象である
  • 学校指定であっても、参考書や問題集などは課税される

住宅の貸付け

  • マンションなどの賃貸契約時に、人が住むことを証明する必要がある
  • 家賃のほか、管理費や共益費、礼金なども非課税である
  • 貸付け期間が1ヵ月未満の場合は対象外

非課税取引の対象は多岐に渡っており、すべての項目を覚えるのは難しいかも知れません。経費を処理するタイミングで一覧表をチェックするなど、適切な対応をするのが望ましいです。

参考:「No.6201 非課税となる取引」国税庁

非課税とは?非課税となる取引の種類や注意点を詳しく解説

不課税取引とは

フリーランスの税金がやばいイメージ

不課税取引とは、消費税が課税される要件を満たさない取引を示します。消費税の課税要件を満たすものの、課税されない非課税取引と間違いやすいかも知れませんが、明確な違いがあります。不課税に該当するものは以下の通りです。

  • 寄附金・祝金・補助金・助成金
  • 試供品や見本品
  • 保険金・共済金
  • 株式の配当金・出資分配金
  • 資産の廃棄や減失(物理的な消滅)・盗難
  • 損害賠償金※無体財産権(特許権や著作権など)の侵害によるものが、権利の使用料に該当する場合などは対象外

非課税とは異なり、課税売上割合の計算において、不課税は算入されないのが特徴です。配当金や還付金などを得たとしても、課税売上割合を計算するうえでは関係がありません。

条件を満たす必要があるものの、補助金や助成金などは不課税取引の1つで、事業者にとってはリスクなく資金調達できるのがメリットです。事業を発展させるうえでも、申請できる補助金や助成金の概要や要件なども押さえておくとよいでしょう。

参考:「No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」国税庁

補助金申請は税理士に相談したほうがいい?依頼のメリットやコストについて

免税取引とは

免税取引とは、海外の消費者への消費税の課税をなくすことや、国際的な競争力の維持を目的に、消費税が課税されない取引を示します。免税取引は以下の3つに分けられるのが特徴です。

  • 輸出免税:一般的
  • 免税店で物品の売買時に発生する免税:免税店を運営する方を対象
  • 消費税法以外の法律による免税:限定的

一般的な免税取引が輸出免税で、以下の条件を満たすのがポイントです。

  • 輸出取引として認められる範囲内である
  • 輸出取引を証明できる書類などがある

輸出免税となる取引は、具体的に以下の通りです。

免税対象の取引

必要な証明書

国内からの輸出にかかる資産の譲渡や貸付けなど

  • 輸出の許可が必要な貨物:輸出許可書
  • 20万円超えの郵便物:輸出許可書
  • 20万円以下の小包郵便かEMS郵便:日本郵便発行の書類や発送伝票
  • 20万円以下の通常郵便:日本郵便発行の書類

※データでの記録を含む

国内と海外の通信や郵便など

帳簿or一定事項記載の書類

国内に住所がない人・事業者に対する営業権など、無体財産権の譲渡や貸付け

一定事項記載の契約書などの書類

国内に住所がない人・事業者に対するサービス提供

一方で、免税店を運営する事業者の場合、以下の条件を満たすと消費税が課税されません。

  • 国内に住所がない人・事業者に対して、生活で使われる物品販売である
  • 飲食料品や衣料品などの消耗品:1日の販売額が5,000円以上である
  • 家電やバッグなどの生活用品:同一店舗における1日の販売額が5,000円以上50万円以下である

海外に主要な事務所がある人・法人などの場合、代理権の有無に関係なく、免税取引の対象外として扱わます。消費税法以外の法律による免税は非常に稀なケースであるため、本記事での解説は省略しました。

参考:「No.6551 輸出取引の免税」国税庁

課税取引とは

課税取引とは消費税が課税される取引を示し、以下の条件を満たすのが特徴です。

  • 国内での取引である
  • 事業者が事業として提供するものである
  • 対価を得て実施するものである
  • 資産の譲渡・貸付け、サービス提供のいずれかである

法人の取引は事業として認められる一方で、以下の例の通り、フリーランスの場合は状況によるといえます。

  • フリーランスのWebライターが、クライアントに記事を納品する:課税取引
  • フリーランスのWebライターが、フリマアプリで日用品を転売する:不課税取引

「事業として」とは、対価を得るサービス提供などを継続・独立して実施することを示します。フリーランスは消費者と事業者の両方の側面を持っており、不課税取引に該当するケースもあるのが特徴です。

「資産の譲渡や貸付け、サービス提供」とは、具体的に以下の意味を持ちます。

  • 資産の譲渡:資産の同一性を保ちつつ、他人へ移転させる
  • 資産の貸付け:動産や不動産などの資産を他人へ貸付け、使用させる
  • サービスの提供:請負契約や委任契約などにもとづき、サービス提供する※スポーツ選手や税理士など、専門スキルや知識にもとづくものも含む

前述の通り、資産の譲渡の対価として認められていない補助金や寄附金、株式利益の配当などは課税取引ではありません。

【税理士監修】個人事業主の消費税の扱いは?インボイス制度の免税業者や免除されているケースなど

税務に関する相談は税理士へ

ここまで、非課税・不課税・免税・課税の違いや、それぞれの特徴を解説しました。

非課税・不課税・免税とはいずれも消費税を課税されない取引を示します。名前が似ているものの、それぞれ異なる特徴があり、適切に処理するうえでも違いを把握しておく必要があります。

消費税の納税額に影響を与えるケースがあることから、特に課税と非課税・不課税・免税の違いを押さえておくのがポイントです。

一方で、「そもそも数字が苦手」「経費の処理や確定申告などを任せたい」と感じている方もいるでしょう。事業に専念するうえでも、税務に関して税理士に任せるのは賢明な判断です。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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