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青色申告で帳簿をつけてないとどうなる?確定申告の可否や対処法を解説

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青色申告で帳簿をつけてないとどうなる?確定申告の可否や対処法を解説

青色申告は、事業取引を適切な帳簿に記帳し、正しい税額を算出・申告することで、白色申告に比べて税制面で控除が受けられる制度です。しかし、事業を営む人の中には、帳簿記録を後回しにしたり、適当に済ませたりする人も少なくありません。そこで今回は、青色申告を行う事業主が帳簿をつけていないときにどのようなことが起こりうるのかについて解説します。帳簿記録の必要性を押さえ、青色申告手続きをスムーズにしましょう。

帳簿をつけていなくても確定申告できる?

家事按分における経費のイメージ

帳簿をつけていなくても確定申告自体は可能です。ただし、青色申告を選ぶ場合は、帳簿付けが必須であるため注意してください。

青色申告は、個人事業主やフリーランスにとって所得税の軽減や繰越損失といった税制優遇が受けられる手続きです。青色申告を行う場合、正しい納税額を申告しますが、そのとき必要なのが帳簿です。

青色申告では帳簿に記録された情報等をもとに書類を作成するのが一般的です。帳簿をつけていない場合、正しい金額・税額がわからず、申告書作成に大幅な時間がかかってしまいます。場合によっては、負担する税額が増えるといった懸念もあります。

帳簿がなくても確定申告自体は可能ですが、帳簿がない場合は白色申告となり、税制優遇が受けられないでしょう

青色申告の税制優遇を受けたい場合は、日々の取引を帳簿に記録・管理することが大切です。

関連記事:個人事業主の入門編!青色申告とは?メリットと手続き方法をわかりやすく解説

帳簿をつけていない場合のリスク

事業主が帳簿をつけていない場合、どのようなことが起きるのでしょうか。
ここでは、帳簿をつけていないときに考えられることを4つ紹介します。

1.税務署の推計課税が行われる

税務調査において帳簿をつけていないことが発覚すると、税務署が税額を推計して計算する「推計課税」を行う場合があります。

事業で得た所得に対する税金いわゆる所得税は、自分で税金がいくらかを計算後、納税する「申告納税制度」で納税します。しかし、税務調査で帳簿をつけていないことが発覚した場合、税務署は事業主が売上や所得等を正しく計算しているのか判断できません

この場合、税務署は近隣の同業者の売上・経費等をもとに本来納めるべき税金を算出後、事業主へ納税を依頼します。

推計課税によっては納税額が高くなるリスクがあるため、個人事業主やフリーランスの方は注意が必要です。

2.消費税が増える

帳簿をつけていない、あるいはないといった場合、消費税の仕入税額控除を受けることができません。そのため、消費税の納税額が増えるリスクがあります。

仕入税額控除とは、事業主が支払った消費税から仕入で支払った消費税を差し引いて計算する方法のことです。仕入税額控除を受けるには原則、帳簿・請求書等の保存が不可欠です。

帳簿をつけていなかったり、そもそも無かったりする場合は仕入税額控除が享受できず、本来の消費税よりも多く納税しなければなりません。

3.ペナルティを受けるリスクがある

帳簿をつけていない場合、以下のようなペナルティを受けるリスクも潜んでいます。

  • 過少申告加算税および無申告加算税の加算
  • 令和5年分の申告から10%加重対象になる

それぞれ、以下で詳しく解説するため、想定外のペナルティを避けるためにも参考にしてみてください。

過少申告加算税および無申告加算税の加算

過少申告を行うと、青色申告で重要な帳簿管理が不適切とみなされ、過少申告加算税が課される可能性があります。これは本来の税額に追加の納税を求められるもので、その割合は申告の状況によって異なります。

また、青色申告の帳簿管理が全く行われなかった場合に無申告加算税が課されると、その負担は非常に大きくなります。個人事業主やフリーランスにとって青色申告の帳簿管理は不可欠であることを念頭に置きましょう。

令和5年分の申告から10%加重対象になる

事業の売上にまつわる帳簿の記帳および保存がない場合、令和5年の申告分から10%の加重措置が適用されます。

特に過少申告や無申告によるペナルティが大幅に強化されることから、個人事業主やフリーランスにとって正確な帳簿管理が不可欠と言えるでしょう。

4.青色申告を取り消される可能性も

帳簿をつけていないことが発覚した場合、青色申告の承認が取り消される可能性もあります。このような結果になれば、本来受けられていた税額控除や節税効果が失効します。

特にフリーランスや個人事業主にとっては資金繰りが厳しくなり、最悪の場合、事業が頓挫する恐れもあるでしょう。このようなことから、事業を営む上では適切な帳簿管理は不可欠と考えられます。

関連記事:【税理士監修】確定申告「青色申告」を税理士に依頼した場合の費用はいくら?

帳簿をつけていないときの対処法

フリーランスの確定申告のイメージ

事業を営む際、帳簿を用意せず、きちんとつけることを失念していた場合、どのように対処するのが望ましいのでしょうか。ここでは、帳簿をつけていないときに有効な対処法を4つ紹介します。

今からでも帳簿をつけ始める

帳簿をつけていない方は、今からでも帳簿をつけ始めましょう

帳簿をつけるときは以下のような書類を用意したうえで、作成することをおすすめします。

  • 請求書
  • 領収書
  • レシート
  • 取引履歴
  • 事業取引がわかる通帳など

なお、個人事業主やフリーランスの場合は、事業またはプライベートのものかを区別した上で記載する点に注意しましょう。

月ごとの売上・仕入を集計する

帳簿をつけるときに取り入れてほしいことの一つに、月ごとの売上・仕入の集計を習慣化することです。

個人事業主やフリーランスの方にとって、青色申告における帳簿管理は重要です。適切に管理することで税務上のメリットを得られるうえに、経営状況の把握もしやすくなります。

まず、月ごとに売上や仕入を集計することを心がけ、帳簿記載を漏れなく行うよう取り組みましょう。具体的な流れとしては以下のようなものがあります。

  1. 売上帳の作成:各月の売上を詳細に記録し、合計額を計算する
  2. 仕入帳の作成:同様に各月の仕入れを記録し、合計額を算出する
  3. 差引き計算:月ごとの売上から仕入れを差し引き、収益を算出する

上述した工程を心がけることで事業収支の全体像が明確になるほか、青色申告の信頼性を高めることにも役立ちます。

税金のプロである税理士へ相談する

税理士に相談することで、青色申告の帳簿管理の重要性を理解し、適切な対策を講じることができます。帳簿をつけていない、あるいは帳簿がないといった人は、まず最寄りの税理士事務所に連絡し、自分の状況を説明してみると良いでしょう。

税理士に相談後、面談日を設定したら、必要書類を持参して訪問してください。税理士による適切なアドバイスで現在の状況に適した帳簿記載ができるでしょう。

関連記事:青色申告はどのような時に取り消される?条件やデメリットについて解説

青色申告に必要な帳簿の種類と書き方

単発バイトの確定申告のイメージフリーランスの確定申告のイメージ

青色申告を行うにあたっては、原則、主要簿に該当する仕訳帳と総勘定元帳の作成が必須です。

これらのほかに、取引内容に応じた補助簿の作成や保存も義務づけられています。主要簿・補助簿に該当する帳簿の種類は下表の通りです。

主要簿

補助簿

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳

補助記入帳

補助元帳

  • 現金出納帳
  • 当座預金出納帳
  • 小口現金出納帳    
  • 売上帳
  • 仕入れ帳
  • 受取手形記入帳
  • 支払手形記入帳
  • 商品有高帳
  • 得意先元帳(売掛金元帳)
  • 仕入先元帳(買掛金元帳)
  • 固定資産台帳

以下の記事では主要簿・補助簿に該当する帳簿の概要についてまとめています。正しく申告するためにも、こちらの記事もあわせてご覧ください。

節税効果には毎日の帳簿管理が不可欠

個人事業主やフリーランスにとって青色申告をスムーズに行うためには、日々の帳簿管理が欠かせません。何らかの理由で帳簿をつけていない場合、推計課税やペナルティなどのリスクがあるため、気付いた日から帳簿記載を行うことをおすすめします。

帳簿記載やペナルティ等のリスクに不安がある人は、ぜひ小谷野税理士法人までご相談ください。税のプロが責任をもって、適切な対策についてアドバイスいたします。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
  • 会社設立の基礎知識 特集「法人のための確定申告」
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