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会社設立の基礎知識

経営計画書とは?事業計画書との違いや書き方を徹底解説!

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経営計画書とは?事業計画書との違いや書き方を徹底解説!

経営計画書と事業計画書の違いは、目的や対象期間などの面です。長期的な方針や戦略を示す経営計画書に比べると、より短期的で具体化されているのが事業計画書です。経営計画書と事業計画書の作成によって、事業者は恩恵を受けられるでしょう。今回は、経営計画書の特徴や作り方、メリット、事業計画書との違いなどを解説します。最後まで読めば、経営計画書に関する疑問点を解消できます。

経営計画とは?作るメリットと策定方法をご紹介

経営計画書とは

考えている男性

経営計画書の基本情報として、まずは以下の点を押さえておくとよいでしょう。

  • 長期的な会社の方針を定めたものである
  • 3つの種類がある

それぞれ詳しく解説します。

長期的な会社の方針を定めたものである

経営計画書とは、会社が長期的に目指す方向性や経営方針などをまとめた計画書を示します。経営計画書を策定するメリットは、社員との目標の共有による団結力の向上や、業務改善などです。

経営計画書の重要性については、海外旅行をイメージするとわかりやすいかもしれません。目的地までの交通手段やマナー、気温、持ち物、危険な地域、日程、ビザの取得など、調べたり決めたりする内容は多岐に渡ります。

何も計画をせずに現地に着いた場合、目標の達成は難しくなるでしょう。

会社経営も同様で、経営計画書を策定しておくと、効率的に目標達成まで進めやすくなります。経営計画書の策定はあくまでも手段ではあるものの、会社を経営するうえで重要なアクションの1つです。

3つの種類がある

経営計画書は3つの種類に分けられるのが特徴で、具体的には以下の表の通りです。

経営計画書の種類

概要

長期経営計画

  • 5年から10年後の目標達成を目指すうえで策定する計画
  • 経営ビジョンや中期経営計画と連動させるのがポイント
  • 景気や顧客ニーズの変化、新規事業の展開などを決める
  • リスクのある投資や新規事業、製品開発に取り組みやすくなるのがメリット
  • 変化の激しい現代において、企業によっては長期経営計画を立てないケースもある

中期経営計画

  • 3年から5年後に、目標達成を目指すうえで策定する計画
  • 固定方式(期間の途中で計画内容を変更しない)とローリング方式(毎年計画を見直す)がある
  • 長期経営計画の目標をより具体化できる
  • 予定と実績を確認する「予実管理」が必要である

短期経営計画

  • 1年単位で経営方針や目標、販売方針などを決める
  • 事業所別、部門別などで計画を策定する
  • 中期経営計画や前年度の実績をもとに作成する
  • 基本的に、一度作ったあとは変更しない
  • 計画と実績の差を正確に認識する
  • 達成できる範囲内の目標にするのが望ましい

長期経営計画によって長いスパンでの計画を立て、中期・短期計画で具体的な行動レベルに落とし込む流れです。事業所によって考え方は異なるものの、経営を円滑にするうえでは3種類とも策定するのが望ましいです。

経営計画書と事業計画書の違い

経営計画書と似ている事業計画書とは、経営目標を達成するうえで必要な行動計画をまとめたもののことです。以下の通り、具体的な数値計画を含んでいることから、経営計画書とは異なり、抽象度が低かったり対象期間が短かったりします。

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • キャッシュフロー計算書
  • 借入金返済計画書
  • 資金運用計画
  • 利益計画
  • 商品別販売計画など

経営計画書と同様に、融資や補助金などの申請時、事業計画書の提出が求められるケースがあります。基本的には経営計画書の内容をベースに策定することから、本記事では経営計画書の書き方やメリットを主に紹介します。

経営計画書に必要な項目

経営計画書で記載する主な項目とは、具体的に以下の通りです。

  • 会社概要
  • 経営理念
  • 基本指針
  • 経営戦略
  • 収支計画

ここから、具体的に解説します。

会社概要

経営計画書では、会社概要を記載するのがポイントです。会社概要とは、会社の大まかな全体像を示し、具体的には以下の通りです。

  • 社名
  • 所在地
  • 設立年月
  • 資本金
  • 事業内容
  • 従業員数
  • 代表取締役名
  • 電話番号
  • 主要な取引先
  • 取引銀行
  • 会社沿革など

会社概要を記載すると、会社の情報を正確に知ってもらえ、信頼感を高める効果が期待できます。

経営理念

経営理念とは、経営者の考え方や価値観などを明文化したもので、会社が進む方向性を示すのが特徴です。経営理念を決めるうえで重点的に考えたいのは、以下の2点です。

  • 世の中に貢献するために何をするのか
  • 誇れる会社にするうえで何をするのか

経営理念に含まれるものは、具体的に以下の通りです。

  • ミッション:存在意義や提供価値を示す
  • ビジョン:長期的な目標や方向性を示す
  • バリュー:基本的な信念や原則を示す
  • 戦略:目標達成するため、どのように成長していくのかを示す

経営理念を決めると、社員の心を1つにまとめられたり、ピンチに遭遇したときに冷静に判断しやすくなったりするでしょう。

経営理念を決めるうえでは、以下の通り世の中で成功している企業を参考にすると効果的です。

  • Amazon:地球上で最もお客様を大切にする企業であること
  • 味の素:圧倒的な生産性、味の素グループを牽引する食品生産技術力、付加価値の高い業務品質により新たな生活者価値提供を実現し、従業員がより幸せを感じ、個人そして組織が挑戦・成長し続ける魅力あふれる食品生産会社を目指します。

企業の競争力や信頼性を高めるうえで、経営理念には影響力があります。

参考:「Amazonについて」Amazon

参考:「企業理念・商品情報」味の素食品株式会社

基本指針

基本指針とは、経営理念を実現するために必要な姿勢や、方向性などを明確にするものを示します。基本方針は「経営基本方針」や「経営方針」などといわれる場合もあり、主に以下の7つによって構成されます。

  • 顧客
  • 商品
  • 会社
  • 地域
  • 社員
  • 業界
  • 取引先

基本方針に基づき、社員は自分の目標を設定すると、組織の目標達成へとつながります。基本指針を徹底すると、経営理念の達成へつながるともいえます。経営計画書の土台となる部分で、組織の目標を明確にするうえでも重要です。

経営戦略

経営戦略とは、社員やお金などの経営資源を活かし、中長期的な目標達成に向けた方向性を明確にするものを示します。経営戦略は主に以下の3つに分けられるのが特徴です。

  • 全社戦略:会社全体の方向性や方針を決める中長期的な戦略
  • 事業戦略:全社戦略をもとに、事業ごとに決める戦略
  • 機能戦略:事業をより細かくし、機能領域ごとに方向性を明確にする戦略

経営戦略を立てるうえでは、以下の通り会社を取り巻く環境を分析するのがポイントです。

会社を取り巻く環境分析の方法

概要

外部環境分析

  • 社会や政治、競合他社など、外部の環境を分析する
  • 自社でコントロールできるものは限られる
  • 環境変化が大きい現代で、重要視される傾向にある
  • マクロ環境分析(政治や社会などの変化を分析する)とミクロ環境分析(市場や顧客などの変化を分析する)に分けられる
  • 長期的な環境の変化に対し、柔軟に対応しやすくなる

内部環境分析

  • 財務状況や社員など、会社の内部要素を把握する
  • 自社の強みや弱みを特定できる
  • 目標と現実の差を認識できる
  • 自社でコントロールできるものがあり、改善できる傾向にある
  • リスクを特定し、戦略の方向性を明確にできる

外部環境分析と内部環境分析を連動させると、効果的な経営戦略を立てられるでしょう。

収支計画

収支計画とは、事業の収入と支出を計算し、結果としていくら残るのかを示すものです。お金の流れを具体的に理解できると、適切な資金繰りの計画を立てられます。

損益とキャッシュの流れは異なるため、収支計画書を作ると「キャッシュがなくて事業を存続できない」事態を防ぎやすくなるでしょう。

収支計画書を作ると、金融機関に対して信用度をあげられるのもメリットの1つです。返済の見込みを数値で示すと、資金調達しやすくなります。

収支計画を立てるときのポイントは以下に示します。

  • 適正な粗利率の設定:売上高に影響するため
  • 固定費の削減の可能性:事業開始後に削減しにくいため
  • 繁忙期や閑散期などの考慮:正確な収支を予測できるため
  • 客観的なデータの取得:金融機関の融資を受けるときなど根拠を示せるため

収支計画を立てるときは、約3年先まで見越しておくのが望ましいです。

経営計画書の作り方

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経営計画書を作るとき、大まかな流れは以下の通りです。

  1. 経営理念を決める:最優先で決めたいもので、他社の事例を参考にするのも一つの方法である
  2. 内部環境分析する:会社を構成する「ヒト、モノ、カネ、ノウハウ」などをすべて分析する
  3. 外部環境分析する:社会や市場、競合他社など、会社を取り巻く環境について分析する
  4. 具体的な目標設定する:分析結果をもとに、3年から5年後にどのような会社でありたいのかを考える

流れ通りに計画書を作ると、効率的に進められるでしょう。

初めて経営計画書を作る場合、テンプレートを活用すると、項目の漏れをなくしたり作業時間を短縮したりする効果が期待できます。Web上には無料で提供されているものが複数あり、比較検討したうえで使いやすいものを選択するとよいでしょう、

経営計画を立てるメリット

経営計画を立てると、以下の通り事業者はさまざまなメリットを得られるでしょう。

計画の実現率を高められる

  • 優先順位をつけたうえで、やるべきものを明確にしやすくなる
  • ムダな作業を省きやすくなる
  • 社内のリソースを有効に活用できる

社内の従業員と目標を共有できる

  • 仕事の意義を見出してもらえる
  • 業務の流れや目的を理解してもらえる
  • 目標から逆算したうえでの業務改善アイディアなどが生まれやすくなる

重要な決断を下しやすくなる

  • 決断をするときにブレにくくなる
  • 決断をしたあとに、目標に向けて集中して行動できる
  • 決断を速く下すと、実際に行動に移すまでのスピードをあげられる
  • リスクのある決断を下しやすくなる

課題を認識できる

  • 自社のリソースや、置かれている環境などを洗い出せる
  • 課題の認識によって、優先的にやるべきものとやらなくてよいものを明確にできる
  • 自社の強みや今後伸ばしていくものを再認識できる
  • 目標達成へ向けて効率的に行動しやすくなる

資金調達しやすくなる

  • 計画的に経営をしていると見なされ、金融機関から融資を受けやすくなる
  • 収支計画などをもとに投資すべきかの判断をしやすくなるため、投資家からの出資を受けやすくなる
  • 開業資金などに活用できる助成金や補助金を申請するときに、必要な書類の1つである

経営計画書を作ると、社員の気持ちを1つにしたり、目標達成に向けて効果的な決断を下しやすくなったりするのがメリットです。

変化のスピードが早い現代において、業務のムダをなくし素早く決断・実践するのは、企業が生き残るうえで重要です。

融資や補助金など、資金調達を受けると事業展開をさらに加速させられるでしょう。経営計画書は作成に時間や労力がかかるものの、長期的に見ると多くのメリットを得られるのが特徴です。

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経営計画書や事業計画書の作成依頼は税理士へ

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経営計画書の特徴や作成するメリット、事業計画書の違いなどを解説しました。経営計画書は会社の長期的な方針などをまとめたもので、具体的な数値計画を含む事業計画書とは異なります。

経営計画書を作成すると、社員のモチベーションを高められたり、資金調達しやすくなったりするなどのよい影響があります。

一方で、そもそも計画を立てるのを苦手に感じている事業者もいるでしょう。経営計画書や事業計画書などの作成に関する相談は税理士へ依頼するのがポイントです。

小谷野税理士事務所は、経営革新等支援機関として国からの認定を受けており、事業計画書の作成サポート実績が豊富にあります。よりよい会社にしていきたいとお考えの方は、お気軽に無料相談をご利用ください。

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この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
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