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会社設立の基礎知識

マイクロ法人での資産運用はいくらから?目安や今注目の「FIRE」を解説

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マイクロ法人での資産運用はいくらから?目安や今注目の「FIRE」を解説

増税や値上がりなどにより、現在の働き方や退職後の生活に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。このような時代をどう乗り切れば良いのか、そんな今だからこそ、増しているのが資産運用の重要性です。さらに、資産運用を行う際に組み合わせたいのが、小規模な経営形態で会社設立できるマイクロ法人です。ここでは、注目のライフスタイル「FIRE」とともに、資産運用を軸とした会社経営について説明します。

マイクロ法人の資産運用会社を設立するとき知っておきたいこと

個人事業主とオフィス

マイクロ法人に適した業種は複数ありますが、資産運用会社もその中の1つです。マイクロ法人を通じて資産運用を行う際、必要となる知識を紹介します。

そもそもマイクロ法人とは

マイクロ法人とは一般的に、従業員を雇うことはなく、経営者一人で事業を行う小規模な会社形態を指します。

株式を一般公開していない非公開会社の場合、役員や株主の人数に制限は設けられていません。このことから、マイクロ法人も法律上では一般的な会社と同等に扱われます。

ただし、マイクロ法人という呼び方やその会社形態については、法律による明確な定義は存在していません。

また、一般の会社が収益の向上や事業拡大を目指しているのに対し、マイクロ法人は主に節税を目的としている点にも特徴があります。

そもそも資産運用会社とは

資産運用会社とは、その名称の通り、クライアントの資産を適切に運用し、その対価として報酬を得る事業のことです。

ただし、マイクロ法人のように小規模な会社形態である場合、資産運用会社を設立する意味合いは少し異なります。

マイクロ法人で運用するのは、経営者のための資産であり、報酬を得る目的で行われるものではありません。そのため、クライアントからの依頼も受け付けていない場合がほとんどです。

マイクロ法人とプライベートカンパニーの違い

マイクロ法人は資産運用に限らず、さまざまな事業や業種を選んで会社を設立できます。

その事業の中でも、経営者の資産を運用・管理するため設立される会社は、プライベートカンパニーとも呼ばれます。

そのためプライベートカンパニーは、マイクロ法人による会社形態の一種であると言えます。

資産運用と資産管理の違い

資産運用と資産管理は混同されがちですが、資産運用とは資産を貯めることや増やすことを指します。一方で、資産管理は資産を守ることを意味します。

ただし、マイクロ法人に限れば、資産運用会社と資産管理会社は似たような意味合いを持ち、多くの場合、どちらの会社でも運用と管理が同時に行われています。

その中でも、資産を貯めることや増やすことに重きを置く場合には、資産運用会社と名乗ると良いでしょう。

関連記事:マイクロ法人とは?マイクロ法人設立のメリットやデメリット、設立の流れを徹底解説

マイクロ法人として資産運用会社の設立をおすすめするケース

インゴット

マイクロ法人の設立を検討している場合、どのようなケースが資産運用会社に適しているのでしょう。マイクロ法人を設立する前の働き方から考えてみましょう。

投資家として利益を得ている

個人投資家の場合、マイクロ法人化することで、税金の負担を抑えられる可能性があります。その理由は、個人に課される所得税と、会社や企業に課される法人税の税率に違いが見られるためです。

所得税は、収入が多いほど税率の上がる累進課税制度が適用されています。

具体的なその税率は、5%~45%の幅で設定され、所得金額695万円から900万円未満までは税率23%、900万円から1,800万円未満までは33%です。

これに対し法人税は、普通法人で資本金が1億円以下の場合、800万円までの課税所得に15%、800万円を超える分には23.2%が課せられ、その後の税率はそのまま一定です。

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

参考:No.5759 法人税の税率|国税庁

給与を得ながら資産運用や副業を行っている

会社に勤めながら資産運用や副業を行っている場合も、やはりマイクロ法人での資産運用会社設立をおすすめします。

法人化することで、個人で行っていた資産運用や副業のときよりも広い範囲を経費計上できます。

また、最初は経営者一人のマイクロ法人であっても、その後にプライベートカンパニーへと変わり、家族を役員に加えたり従業員として雇ったりもできます。

配偶者や子どもに給与を支給すると、経営者一人に集中していた所得が分散されて金額が下がります。そのため結果的に全体の税額を抑えられます。

関連記事:マイクロ法人で節約できるのは収入いくらから?社会保険料最安を狙おう

マイクロ法人の資産運用会社を設立するならいくらから?

個人に対する所得税と比較すると、法人税は上限が低く設定されています。

こうしたことから、マイクロ法人を設立すれば節税につながる可能性がありますが、そのラインは経営状態やほかの税金・経費の影響もあるため、一概には言えません。

ただし、所得税と法人税だけを比較すると、所得金額が800万円を超えた時点から法人税のほうが税制的には有利に働き始めます。

そのため所得税と法人税に限れば、個人の所得金額が700万円以上になった頃から法人化の準備をするのが良いでしょう。

そして、800万円に到達する前にマイクロ法人を設立するのがおすすめです。

マイクロ法人の資産運用会社を設立するメリット

資産運用

マイクロ法人の資産運用会社を設立するにあたっては、目標を明確にするためにも、法人化で経営者がどのようなメリットを得られるか把握することが大切です。

具体的には、次のようなメリットが挙げられます。

経費計上できる範囲が広がる

マイクロ法人を設立するメリットの1つとして、まず経費計上の範囲拡大が挙げられます。個人の場合は経費として計上できなかった支出が、法人を設立することで可能に変わります。

例えば、その中に役員報酬があります。個人事業主には役員が存在しないため、法人化することで初めて経費計上を行えます。

経営者一人のみで事業を行うマイクロ法人の場合は、自分自身を役員にできますし、プライベートカンパニーであれば家族を役員にすることで、経費の適用範囲が広がります。

ただし、役員報酬を得ると個人の所得額が上がるため、納税額を考慮した上で報酬を決める必要があります。

法人化により経費計上が可能となるのは、ほかに退職金・法人保険・福利厚生費などです。

また、法人では役員報酬以外にも、役員の自宅を社宅とすることで、家賃の一部を経費計上可能です。同様に、自宅を法人の所有とすれば減価償却費として扱え、ローンがあればその利息を経費として計上できます。

損失を最長10年間にわたって繰り越せる

資産運用を行っていて、株式・投資信託・不動産といった資産を売却した際に譲渡損失が発生した場合、確定申告により繰越控除を利用できます。

損失の繰越控除は、その年度の損失を控除しきれないとき、損失分を繰り越して、翌年以降の利益から控除できる制度です。 

個人が利用する場合、その期間は最長3年ですが、法人の場合は最長10年間にわたって損失の繰越控除が適用されます。

また、損失の繰越控除はリスクの負担軽減だけでなく、黒字分から赤字分を差し引くことで課税対象の所得を抑えられるため、節税にも有効です。

所得税・住民税・社会保険料の負担軽減

前述した通り、法人税は個人の所得税よりも税率の上限が低いため、税制上有利です。

また、マイクロ法人の場合、経営者は自らが役員や従業員となることで、所得の区分が給与所得として扱われ、給与所得控除を受けられます。

給与所得控除は、収入金額が162.5万円までであれば55万円が差し引かれ、収入金額によって変動し、上限の控除額195万円まで利用できます。

給与所得控除が適用されると所得金額が抑えられ、所得税はもちろん、住民税が負担軽減されます。

さらには、法人が加入を義務付けられている健康保険や厚生年金は、個人の利用する国民健康保険や国民年金よりも支払い額が減額されており、やはり負担の軽減につながります。

参考:No.1410 給与所得控除|国税庁

マイクロ法人なら初期投資を抑えられる

マイクロ法人は小規模な経営が可能なため、比較的に初期費用も低く抑えられます。業種にもよりますが、施設は省スペースで済み、設備も多くの場合で大がかりなものは必要ありません。

特に、資産運用会社であれば、低い初期投資でスタートし、個人の経験・実績や経営状況に合わせ、柔軟な事業の展開を行えます。

関連記事:【マイクロ法人】後悔例と対策を解説!失敗したらすぐやめられる?

マイクロ法人の資産運用会社を設立するデメリット

マイクロ法人としての資産運用会社設立には、メリットだけでなくデメリットも存在します。法人化はメリットだけでなく、必ずデメリットも確認した上で行いましょう。

会社の資産は個人で自由に使用できない

個人の資産を会社名義にした場合や、法人化後に事業で得た収益は、経営者と言えどもプライベートのために自由には使えません。

個人事業主の場合、事業で得た分を含めて、すべての資産は個人の思うままに利用可能です。

しかし、法人の場合は、役員報酬として会社から支払われない限り、資産を自由にできません。

さらには、役員報酬を変更できるのは原則年1回、事業年度がスタートしてから3か月以内と定められています。

このように役員報酬の金額は調整が難しいため、慎重に定める必要があります。

赤字でも法人住民税が発生する

個人事業主の場合、所得が赤字であれば、所得税及び住民税は発生しません。

その一方で法人の場合は、たとえ所得が赤字であったとしても、免税されない税金が存在します。それが、均等割と法人税割の2つからなる法人住民税です。

法人税割は、会社の所得金額に応じて変動するもので、赤字では支払い義務が発生しません。

しかし、均等割は違います。均等割は損益とは無関係に、会社の資本金や従業員の人数といった規模で税額が定められています。

そのため、たとえ会社の所得が赤字であったとしても、法人住民税は必ず支払わなくてはなりません。

関連記事:個人投資家が法人設立するメリットは?節税の観点からも詳しく解説

資産運用で今注目の「FIRE」とは?

疑問を持つ男性

価値観の多様化により、現在ではさまざまな働き方が受け入れられています。そんな中で今、注目を浴びているのが「FIRE」というライフスタイルです。

資産運用により経済的自立をする

これから紹介するFIREとは「火」を表す単語ではなく、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字で、「経済的自立」と「早期リタイア」を組み合わせた言葉です。

もともとはヨーロッパやアメリカで広がり、最近では日本でも新たなライフスタイルとして受け入れられています。

早期リタイアというと、事業の成功者や遺産相続を受けた資産家などが行うものというイメージがありますが、FIREにおいては資産運用がそのカギを握っています。

早期リタイアする前に、仕事を辞めても資産運用で生活できるだけの投資を積み重ね、それによって経済的自立を目指します。

投資の額や生活水準にもよりますが、FIREの場合、消費を抑えた暮らしを続けるのであれば、多額の資産を築くことなく経済的に自立した早期リタイアが可能です。

サイドFIREとは

サイドFIREとは、資産運用だけで生活費全体をカバーするのではなく、副業やアルバイト・パートなどを組み合わせて資金を確保するライフスタイルです。

最初から資産運用だけに頼る暮らしが不安な場合や、社会との関わり、趣味の延長による収入を持ちたいと考えている場合にサイドFIREは適しています。

関連記事:プライベートカンパニーの作り方と節税に有効な複数の理由

マイクロ法人の資産運用については税理士からのアドバイスが有効!

マイクロ法人で資産運用会社を設立しようと考えている方には、まず税理士への相談をおすすめします。

法人化するにしても、その目安は個人の経済状況や投資の規模により異なるため、専門家のアドバイスを受けることで適切なタイミングで会社設立が可能です。

また、資産運用そのものについても、税理士であれば、税制を含む的確なアドバイスが期待できます。

さらに確定申告においては、複雑な手続きをスムーズに進めるためのサポートが受けられます。

私たち小谷野税理士法人でも、資産運用に関するご相談や確定申告のサポートを提供しております。お気軽にお問合せください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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