確定申告は、一人親方にとって必要な手続きです。「少しぐらいなら大丈夫だろう」と手続きを怠ってしまうと、無申告として深刻なリスクに繋がります。この記事では、一人親方が確定申告をしないと直面するデメリットやリスクについて、詳しく解説します。
目次
確定申告をしない一人親方のリスク
一人親方が確定申告の必要性を軽視すると、さまざまなトラブルに直面します。納税の義務を果たさなければ、罰金や追加税が発生するだけでなく、一人親方としての信用を失うでしょう。この章では、確定申告を怠るとどのようなリスクがあるのか、具体的にご紹介します。
税務署から指摘を受けるリスクがある
一人親方として事業を営む際、所得に応じた適切な納税が求められます。無申告を続けると、税務署からの指摘を受ける可能性が高まります。結果として、多額の追徴課税が発生する場合があるため注意が必要です。納税の義務をきちんと理解し、正確な確定申告を行いましょう。
過少申告や無申告が引き起こすペナルティ
確定申告を無視した場合、税務署により多額のペナルティが科せられます。過少申告の場合も、所得に応じた適切な納税を行っていないとみなされます。そのため、追徴金や加算税が課される可能性があるでしょう。
税務上の罰則を避けるためには、正確な申告と納税が重要です。無申告加算税や延滞税は、一人親方の財務負担を厳しくする要因ではないでしょうか。また、延滞税などは経費にはならないため注意しましょう。
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確定申告を怠ると何が起こるのか?
確定申告を怠ったり虚偽の申告を行ったりすると、最悪の場合、刑事罰に問われます。特に悪質な脱税行為が行われた場合、税務署だけでなく、検察庁による捜査と起訴が行われるでしょう。結果的に、罰金刑や懲役刑が科される可能性が出てきます。
刑事罰の原因として、意図的かつ組織的に税金を逃れようとする行為が挙げられます。税務調査によって発覚した場合、一人親方として社会的信用を失う結果に繋がるため注意が必要です。
一人親方が逃れられない税務調査の現実
一人親方として事業を営む場合、税務調査は避けられないでしょう。税務署は、確定申告の内容の確認や不正防止のために、定期的に税務調査を行っています。一人親方としての信用を保つため、税務調査が行われた際は素直に対応しましょう。
税務調査の対象になる理由
税務調査の対象となる理由はさまざまですが、無申告や過少申告は原因の一つです。税務署は収入の増減や不自然な経費計上などを細かく確認しており、異常な点があれば調査を開始します。
また、一人親方の場合は一般的に収入が不安定です。そのため、申告内容が正しいかどうかを確認する調査が行われやすいでしょう。不正やミスが発覚した場合、ペナルティが科せられるため、事前に対策を行ってください。
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反面調査とは何か?
反面調査とは、納税者本人ではなく、納税者の取引先や関係者に対して行われる調査です。
例えば、一人親方が取引している企業やクライアントに対して、取引の内容や金額について問い合わせが行われます。反面調査は、納税者が提出した情報の正確性や完全性を確認するための手段として用いられます。
反面調査は、納税者にとってプレッシャーになり得ます。日頃から正確な記録を保ちましょう。
確定申告におけるメリット
一人親方が確定申告を行えば、さまざまなメリットを得られます。確定申告を通じて正確な所得金額を証明すれば、民間企業との契約もスムーズに進むはずです。確定申告は、自身の経済状況を客観的に把握できるプロセスのため、将来のビジネス計画を立てるうえでのヒントにしてみましょう。
確定申告をすれば節税につながる
確定申告が必要かどうかは、主に年間所得に基づいて決まります。具体的には、給与所得以外に一定以上の所得がある場合や、年間の所得が一定金額を超える場合には確定申告が必要です。
また、医療費控除や配偶者控除、住宅ローン減税など、特定の控除を受ける場合も確定申告を行う必要があります。自身の所得状況をしっかりと把握し、確定申告を行う必要があるのかどうか注意を払いましょう。
確定申告を行うことで必要経費を売上から差し引くことができます。課税所得を軽減できるため、収支において大きなメリットといえるでしょう。
確定申告を行うと受けられる給付金
確定申告を行えば、さまざまな給付金を受け取れます。健康保険や年金の減免申請をする際には、確定申告書が必要です。所得が少ない方は、住民税の減額や生活保護の対象になる場合もあります。
さらに、災害時の支援金や教育費の補助金も、確定申告を通じて受け取れます。給付金は生活の安定に役立つため、確定申告を積極的に行うのをおすすめします。
収入証明が得られないデメリット
収入証明を得られなければ、一人親方にとってさまざまなデメリットに繋がります。納税を怠り、適切に確定申告を行わないと、正式な収入証明を得られません。さまざまな公的支援や金融サービスの利用に制約が生じるでしょう。収入証明を通じて信頼性を証明できなければ、ビジネスチャンスを逃すリスクが高まります。
公的支援援助が受けられない
確定申告を行わないと、収入証明が得られないため、公的支援や援助を受けるのが困難です。例えば、失業手当や児童手当、住民税の減免などが挙げられます。さまざまな公的支援を受けるためには、確定申告を通じて収入証明を入手しましょう。
また、教育ローンや住宅ローンの審査にも収入証明は欠かせません。確定申告を怠ると、さまざまな支援や融資を受けられないため、生活やビジネスの安定に悪影響を及ぼすでしょう。
民間企業と契約ができない
民間企業との契約においても、収入証明が求められる可能性があります。商業契約や取引においては、企業に対する信頼性が重要視されるためです。確定申告を行わず収入証明を提出できない場合、契約が締結できず、ビジネスチャンスを逃してしまいます。
確定申告の必要がある方は、無申告とならないように注意しましょう。
無申告がバレる具体的な理由
一人親方の無申告は、税務署にバレやすい行為です。税務署は、多様な情報源を活用して無申告者を特定します。社会的な信頼を維持するためには、正直かつ正確な申告が必要です。この章では、無申告がバレる具体的な理由について、詳しく解説します。
依頼主や第三者によるリーク
無申告がバレる主要な理由の一つが、依頼主や第三者によるリークです。特に、法人と取引を行っている一人親方は注意が必要です。法人側は取引内容を詳細に記録しており、資料せんなどを通じて情報が税務署に報告される場合があります。
例えば、依頼主が税務署に情報提供を行った場合、内容が一人親方の申告状況と照合され、不自然な点が発見される可能性があります。リークによる発覚は、無申告がバレる確率を高めるでしょう。
資産状況からの発覚
無申告が発覚するもう一つの理由は、資産状況の変動です。収入や支出に不自然な増減があれば、税務署がすぐに察知するでしょう。
例えば、高価な不動産を購入したにも関わらず、見合う収入が申告されていない場合、税務署は無申告や過少申告を疑います。資産取引はいずれも記録が残るため、情報から無申告が明らかになる可能性があるため注意が必要です。
まとめ
一人親方として事業を営むうえで、確定申告の重要性とリスクについての理解は欠かせません。無申告や過少申告は、さまざまなルートで税務署にバレる可能性があります。確定申告を怠るデメリットと、正確な申告で得られるメリットの双方を理解し、適切な対応を心掛けましょう。その他にも、確定申告の詳しいやり方や税金対策について知りたいとお考えの方は、小谷野税理士法人までぜひご相談ください。