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会社設立の基礎知識

商標登録のやり方は?流れや費用、メリットや注意点について解説

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商標登録のやり方は?流れや費用、メリットや注意点について解説

自分の会社の商品やサービスを商標登録をしたいと思った時、まず何をすればいいのか、手続きの方法がわからないという方が多いのではないでしょうか。実は、商標登録は自分でも申請が可能です。そこで今回は、商標登録のやり方について解説します。自分で行う場合のやり方の流れや費用、登録しておくメリットについても紹介するので参考にしてください。

そもそも商標とは?

商標とは、自分の会社で取り扱う商品やサービスを、他社のものと区別するために使用する商品・サービスやマークのことです。他の会社に商品やサービスを真似されたくない場合、商標登録しておくことで、自分の商標として使い続けられます。

商品やサービス名だけでなく、キャッチコピーや会社名、2014年からは色彩や効果音などにも商標登録が可能になりました。商標として登録できる種類が増えたことで、企業は様々な方法を使い他社との差別化を図っています。

なお商標権の継続期間は登録した日から10年で、その都度登録更新する必要があります。

商標登録のメリット

商標登録は手続きや費用・登録までの日数もかかる大変な作業ですが、登録しておくと様々なメリットがあります。

自分の商標として独占的に使える

商標登録をしておく最大のメリットは、サービスや商品を独占して使用できることです。商標権は早い者勝ちなため、先に登録しておけば、他社は商標を使用できません。

第二十五条 商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有す

る。ただし、その商標権について専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

出典:参照条文(商標法) – 特許庁

商標法にもこのように記載されています。商標登録すれば、会社が生み出した商品やサービスを法律の力で守れるようになるのです。

商標の使用・模倣を防げる

商標登録しておけば、模倣品が広がるリスクも回避できます。仮に商標を無断使用していた場合は、商標権を侵害されたとして差止請求や損害賠償請求を行えます。

登録商標が他社に使用されていた場合は、下記の措置も可能です。

  • 商標法に基づいて警告状を送る
  • 今までの販売分についての商標使用許諾契約を結ぶ
  • 許諾料(ライセンス料)を支払ってもらう

商標登録には他社からの無断使用によるブランドイメージの低下を防ぎ、信用を失うリスクを軽減できるというメリットがあります。

商標登録のやり方・流れ

申請書

商標登録には紙で書類を作成して提出する「書類出願」と、インターネットから申し込む「インターネット出願」があります。どちらの出願方法も、登録完了までのステップは同じです。商標登録のやり方は、大まかに以下の流れで行います。

  1. 調査
  2. 出願
  3. 審査
  4. 登録完了

順を追って紹介します。

商標登録のやり方①:調査

まずは調査をしましょう。ここでの調査とは、商標登録したい商品と似た商品・サービスがすでに他社から商標登録されていないかを事前に調べることです。

他社が既に同じ商品または似た商品を商標登録している場合、自社の商品を登録できないだけでなく、そのまま申請すれば商標権侵害として訴えられる可能性もあります。そのため、類似している商標が登録されていないかまず調べましょう。

例えば、他社の商標登録名が自社の商品名と同じでも、サービス内容が違う場合は商標登録できます。提供されているマニュアルやパンフレットなども参考にしつつ、慎重な調査が必要です。

商標されている商品・サービスは以下のサイトから検索できます。マーク入りの見つけにくい商標なども多いため、自分の調査だけで不安な場合は弁理士に相談しましょう。

参考:特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP]

参考:パンフレット・マニュアル・講習会テキスト等の提供|独立行政法人工業所有権情報・研修館

商標登録のやり方②:出願する

商標調査を十分に行い、問題なければ出願するための申請書類を作成します。1つの出願につき、1つの商標を申請できます。出願方法は以下の3通りです。

  1. 書類で特許庁の窓口に持参
  2. 書類で特許庁に郵送
  3. インターネットで出願

書類出願とインターネット出願の費用は以下です。区分数によって変動しますが、インターネットでの出願の場合は、電子化手数料・郵送料がかからないため少し費用を安く抑えられます。

書類出願

インターネット出願

出願料

3,400円+(8,600円×区分の数)

3,400円+(8,600円×区分の数)

電子化手数料

「2,400円+(枚数×800円)」

なし

郵送料

かかる

かからない

書類での出願

書類で手続きする場合は、まず「商標登録願」から記入しましょう。願書は「知的財産相談・支援ポータルサイト」よりダウンロード可能です。

紙で申し込む場合は、別途電子化手数料(2,400円+(800円×書類のページ数))が必要なため、出願後に送られてくる払込用紙で納付してください。

願書の作成・出願の手続きは非常に複雑で難しいため、書き方ガイドなどを参考にしながら進めましょう。1人で不安な場合は、弁理士に相談もおすすめです。

参考:各種申請書類一覧(紙手続の様式)|独立行政法人工業所有権情報・研修館

参考:商標登録出願書類の書き方ガイド|独立行政法人 工業所有権情報・研修館

インターネット出願

インターネットでの出願の場合には、以下のものを準備する必要があります。

  •  「インターネット出願ソフト」(パソコンへのダウンロード必須)
  •  電子証明書(個人での出願にはマイナンバーカードも利用可)
  •  ICカードリーダー(電子証明書がICカードタイプの場合)

出願書類の作成が初めての場合でも、電子出願用の書類を作成できるツール「さくっと書類作成」を利用すれば、スムーズに書類の作成ができます。

ICカードリーダーなどの出願設備がない場合、知財総合支援窓口へ行けばインターネット出願が可能です。予約が必要な場合もあるため、まずは地域の窓口に問い合わせましょう。出願だけでなく、書類作成についてのアドバイスなども無料で受けられます。

参考:STEP-3 出願ソフトの入手|電子出願ソフトサポートセンター

参考:知財総合支援窓口|知財ポータル 

商標登録のやり方③:審査を受ける

書類を出願すると、特許庁の審査官によって審査され、商標の登録可否が判断されます。審査期間は出願から審査結果の通知まで、平均約6〜7ヶ月程度です。

審査には「方式審査」と「実体審査」の2種類があり、そのどちらも通過すると登録が認められます。

  • 方式審査:提出された書類が指定された様式にそった形式であるか
  • 実体審査:出願されたものが商標の要件に合っているか

審査の結果、出願全体の約65%が登録査定(合格通知)が送られ、約35%は拒絶理由通知(不合格通知)が送られてきます。拒絶理由通知が送られて来たとしても、登録できないことが確定したわけではありません。意見書を提出したり、書類の不備を修正したり、書類を追加したりすることで登録できる場合もあります。

もし拒絶理由通知が送られてきて、その後の手続きに困った場合は特許庁の「お助けサイト」を確認しましょう。弁理士や知財総合支援窓口への相談もおすすめです。

参考:お助けサイト|特許庁

商標登録のやり方④:登録が完了する

登録査定通知を受け取り、30日以内に登録料を納付することで正式に商標登録が完了し、商標権が発生します。商標登録証は、2024年から電子データでの交付です。

登録料の納付方法は以下の2通りあります。

  • 10年ごとの一括納付(全額納付)の場合:区分数×32,900円
  • 5年ごとの分割納付の場合:区分数×17,200円(前期・後期)

商標権は10年の有効期限があり、権利期間は10年ごとに更新できます。10年後に更新する可能性がある場合は、更新料の納付期限を忘れないよう「特許(登録)料支払期限通知サービス」に登録しておくと安心です。

参考:特許(登録)料支払期限通知サービス|特許庁

商標登録の費用

償却資産申告書とはのイメージ

商標登録には様々な費用が発生するため、前もってまとまった金額を準備しておく必要があります。金額は区分によって大きく変動しますが、商標に関わる費用は以下です。

出願料

3,400円+(区分数×8,600円)

電子化手数料(書類出願のみ)

2,400円+枚数×800円

登録料

10年分 一括納付

区分数×32,900円

5年分 分割納付

区分数×17,200円

更新料

10年分 一括納付

区分数×43,600円

5年分 分割納付

区分数×22,800円

商標登録を自分で行うだけでも以上の費用は必ず発生します。それに加えて弁理士や申請代行サイトなどを利用する場合は、費用が上乗せされます。手数料を自動で計算してくれるサイトもあるため、詳しい料金を知りたい方は参考にしてください。

参考:手続料金計算システム|特許庁

申請代行や弁理士に依頼する場合、相場平均は以下です。

自分で行う

申請代行を頼む

弁理士に依頼する

費用

登録にかかる費用のみ

平均1万〜5万円

平均2〜15万円

品質

補助金

商標の申請代行の場合は、登録費用プラス1万〜5万円前後の料金が発生します。サイトによってはサービスの品質に不安を感じる場合もあるため、事前にサイトの下調べが必要な可能性があります。どこまでサポートしてくれるのかなど、自分で見極めるのが大切です。

弁理士に依頼する場合は、通常の登録費用に加えて2~15万円前後の料金が発生するでしょう。費用面では高額になる可能性が一番高いですが、歴史があったりその分プロにおまかせできるので安心感があります。

弁理士に依頼したくても、費用面で二の足を踏んでしまう場合は補助金を利用する選択肢もあります。日本弁理士会の「特許出願等援助制度」では、商標登録出願の場合最大5万円が補助が出る可能性があるため、気になる方は参考にしてください。

申請代行や弁理士に依頼する場合、問い合わせや見積もりを無料で行っている場合が多いです。まずは数件見積もりを行い、比較したうえで安心して任せられる選択肢を選びましょう。

参考:特許出願等援助制度|日本弁理士会

商標登録する際の注意点

商標登録を検討している場合の注意点について解説します。

海外では適用されない

日本で登録した商標権の効力は、海外には及びません。海外でも商標を保護したい場合は、保護しておきたい国それぞれで商標権を取得する必要があります。

海外でも商品を展開したい場合は、発売よりも前に展開先の国で商標登録をしておくと安心でしょう。海外での出願方法は以下の2通りあります。

  1. 国ごとの特許庁等に直接出願する方法
  2. 複数国に一括出願する方法(マドプロ出願)

マドプロ出願は、英語で作成した出願書類を日本の特許庁に提出し、複数国に一括で申請できる出願方法です。アメリカ・ヨーロッパ・アジアなど100以上の国・地域で利用可能なため、手間と費用面でもマドプロ出願がおすすめです。

審査期間を短縮できる場合もある

申請から登録完了まで平均10ヶ月程度かかるため、早く権利化したい企業のための早期審査が認められる場合があります。以前は2通りありましたが、現在の制度は1つです。

  1. 早期審査
  2. ファストトラック審査(※現在は休止)

早期審査とは、一定の要件に該当した場合通常よりも早く審査する制度です。早期審査が認められると、最短約2ヶ月で審査結果が通知されます。なお、手数料はかかりません。

早期審査を申請する場合は、商標登録の出願後に早期審査に関する事情説明書の提出を準備しましょう。

早期審査は年々ニーズが増えており、審査が厳しく条件も複雑です。専門知識が必要な場合もあるため、早期審査を検討する場合は弁理士に依頼するのがおすすめです。

参考:商標早期審査・早期審理の概要|特許庁

経費や確定申告など税金についての相談は税理士へ

商標登録には、まず出願時点で費用が発生します。商標審査の結果、登録が認められなかったとしても返金されません。

スムーズに登録できるよう、調査・出願・審査・登録完了までのそれぞれのステップの詳細をよく確認して準備しましょう。

書類での出願では、記入の際にどうしてもケアレスミスが出てしまう場合があるため、最近ではインターネットでの出願が増えています。インターネット出願の場合、記入漏れがあればエラー表示が出る仕組みのため、方式審査(書類の審査)で落ちる可能性を減らせます。

商標登録には費用と時間がかかるため、1人で取り掛かるのが難しい場合は弁理士や知財総合支援窓口に相談するのがおすすめです。

確定申告や節税対策などのお困りごとやご相談があれば、「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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