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会社設立の基礎知識

個人事業主はパソコンを経費にできる?購入金額別で計上処理を解説

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個人事業主として、業務でパソコンを使用しない方はほとんどいないでしょう。そんな必需品であるパソコンですが、経費計上の方法が購入金額によって異なるため、混乱する方も少なくないはずです。本記事では、パソコンの購入金額別の計上方法、減価償却や関連経費など、パソコンの経費に関する疑問点を網羅的に解説します。パソコンをお使いの個人事業主の方はぜひ参考にしてください。

パソコンは経費として計上できる?

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パソコンは、業務に使用する目的(事業運営に必要)であれば経費として計上できます。個人事業主(自営業者)とサラリーマン・アルバイト(給与所得者)で、経費の扱いに違いはあるのでしょうか。

個人事業主の場合

事業活動を通じて収入を得ている個人事業主は、パソコンを経費として計上できますが、プライベートと兼用している場合は、業務使用部分を按分計算しなければなりません。

例えば、パソコンの使用時間のうち70%が業務で、30%がプライベートである場合、購入費用の70%を経費として計上できます。

また業務日誌、会計ソフトの使用履歴、顧客とのメッセージ履歴、契約書などは、業務に使用した証憑として保持しておきましょう。

サラリーマンやアルバイトをしている方の場合

サラリーマンやアルバイトなど給与所得者の場合、業務で使うパソコンは会社からの支給品であることが多いです。また業務に関連して発生する一般的な経費を見込んで設けられた給与所得控除があるため、基本的にパソコンを経費計上するケースはありません。

ただし、副業を行っている場合、業務でパソコンを使用していれば、事業運営の必要経費として計上できます。こちらについても、業務用のメール履歴、クライアントとの契約書などを証憑として保持しておきましょう。

購入金額が10万円未満は「一括計上」

購入金額が10万円未満のパソコンの場合、消耗品費として「一括計上」できます。購入年度に全額を経費として計上できるので、会計処理が簡単です。

以下は、計上(仕訳)処理の一例です。

例)3万円のノートパソコンを現金で購入した場合

借方

借方金額

貸方

貸方金額

消耗品費

30,000円

現金

30,000円

購入金額が10万円以上30万円未満は3つの計上方法がある

購入金額が10万円以上かつ30万円未満のパソコンの場合、計上方法が3つあるため、事業の財務状況や会計方針に応じて判断してください。

1. 減価償却

1つ目の方法として「減価償却」があります。減価償却とは、資産の購入費用を一度に全額計上するのではなく、耐用年数にわたって少しずつ経費として計上する方法で、手続きが複雑である反面、毎年の税負担を分散させられます。

サーバー用以外のパソコンの法定耐用年数は「4年」ですので、4年間にわたって分割して経費を計上しましょう。

減価償却には定額法と定率法がありますが、定額法で計算した場合は以下が計上(仕訳)処理の一例です。この場合、パソコンは資産扱いとなるため、勘定科目は「工具器具備品」または「備品」になります。

例)2020年5月に15万円のパソコンを現金で購入した場合

  • 2020年度(5月~12月):25,000円(15万円×0.25×8/12)
  • 2021年度(1月~12月):37,500円(15万円×0.25×12/12)
  • 2022年度(1月~12月):37,500円(15万円×0.25×12/12)
  • 2023年度(1月~12月):37,500円(15万円×0.25×12/12)
  • 2024年度(1月~4月)  :12,499円(15万円-25,000円-37,500円-37,500円-37,500円-1円)

※法定耐用年数「4年」で計算

 

借方

借方金額

貸方

貸方金額

購入時

工具器具備品

15万円

現金

15万円

2020年

減価償却費

25,000円

減価償却累計額

25,000円

2021年

減価償却費

37,500円

減価償却累計額

37,500円

2022年

減価償却費

37,500円

減価償却累計額

37,500円

2023年

減価償却費

37,500円

減価償却累計額

37,500円

2024年

減価償却費

12,499円

減価償却累計額

12,499円

参考:No.2100 減価償却のあらまし|国税庁

参考:主な減価償却資産の耐用年数表

2. 一括償却

2つ目の方法として「一括償却」があります。一括償却とは、資産の購入費用を一度に経費計上するのではなく、3年間にわたって均等に経費として計上する方法です。

通常の減価償却(4年間)に比べて、3年間で減価償却するため、1年度あたり多くの額を経費として計上できる点や、3年間で均等に計上するため、会計処理が簡便である点がメリットでしょう。

以下が計上(仕訳)処理の一例です。こちらについても、先ほど同様、パソコンは資産扱いとなるため、勘定科目は「工具器具備品」または「備品」になります。

例)2020年5月に15万円のパソコンを現金で購入した場合

  • 2020年度:50,000円(15万円×12/36)
  • 2021年度:50,000円(15万円×12/36)
  • 2022年度:50,000円(15万円×12/36)

※3年均等割のため36ヵ月で計算

 

借方

借方金額

貸方

貸方金額

購入時

工具器具備品

15万円

現金

15万円

2020年

一括償却資産償却費

50,000円

一括償却資産償却累計額

50,000円

2021年

一括償却資産償却費

50,000円

一括償却資産償却累計額

50,000円

2022年

一括償却資産償却費

50,000円

一括償却資産償却累計額

50,000円

参考:No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁

3. 一括計上(青色申告者の特例)

3つ目の方法として、少額減価償却資産と呼ばれる「一括計上」がありますが、こちらは青色申告者の特例です。

青色申告者の場合、購入金額が10万円以上30万円未満の資産でも、一括で経費計上できる特例があります。ただし、年間300万円までという制限があるので注意してください。

以下が計上(仕訳)処理の一例です。購入したパソコンを一旦資産として計上し、購入金額の全額を減価償却費として処理します。

借方

借方金額

貸方

貸方金額

工具器具備品

15万円

現金

15万円

減価償却費

15万円

工具器具備品

15万円

購入金額が30万円以上は「減価償却」

購入金額が30万円以上のパソコンは、減価償却資産として経費計上してください。

パソコンに関連する経費

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パソコンの経費は、本体の購入費以外にも、業務に直接関わる費用であれば、必要経費として計上できます。以下一例になりますので、参考にしてください。

項目

説明

周辺機器の購入費用

プリンター、スキャナー、マウス、キーボードなど、パソコンに付随する機器の購入費用

ソフトウェアの購入費用

業務に必要なソフトウェアの購入費用

例)オフィスソフト、デザインソフトなど

保守・修理費用

パソコンの保守契約や故障時の修理にかかる費用

リース料

パソコンをリース契約で使用する場合のリース料

消耗品費

インクカートリッジ、トナー、用紙などの消耗品にかかる費用

インターネット接続費用

インターネット接続にかかる費用

例)プロバイダー料金や回線使用料など

電気料金

パソコン使用時にかかる電気代

クラウドサービス利用料

クラウドストレージやSaaSなどのオンラインサービスの利用料

ライセンス費用

(サブスクリプション費用)

ウイルス対策ソフトや各種ソフトウェアライセンスの利用料(サブスクリプション費用)

これらを購入した際の領収書やレシートなどの証憑は、しっかり保管しておきましょう。

パソコンを経費にできるかお悩みの個人事業主の方はご相談を

パソコンの経費計上に関するお悩みや疑問をお持ちの個人事業主の方は、専門家に相談することをおすすめめします。パソコン関連の経費計上には、法的な要件や税務上の細かなルールがあり正確な知識が必要です。

小谷野税理士法人では、パソコンの経費処理に関するご質問にお答えし、最適な経費計上方法をご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。

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