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会社設立の基礎知識

ベビーシッター代は経費になる?個人事業主・会社員の判断基準や助成制度を解説

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個人事業主や共働きの場合、ベビーシッターを利用している方もいるのではないでしょうか。仕事に専念するためには保育園に預ける、もしくは実親などの第3者の協力が必須です。しかし、地域によっては保育園に子どもを預けることができず、ベビーシッターの利用を検討している方もいるのではないでしょうか。今回は、ベビーシッターを利用した場合、経費計上できるのかを解説します。

そもそも経費とは

そもそも経費とは、個人事業主や法人が事業で使用した費用です。例えば、オフィスの備品や仕事の出張でかかった交通費や宿泊費、商談で利用したホテルの会議室や軽食などにかかった費用も経費に含まれます。

しかし、経費には一定の規定があり、判断基準は「事業の運営に関係する費用かどうか」です。経費に含まれない費用を経費にしてしまうと、ペナルティが科せられる場合もあるため、適切に判断して正しく計上しなければなりません。

ベビーシッター代は経費になる?

スマホとパソコンを操作している女性

結論から言うと、ベビーシッター代は経費として認められていません。仕事をするために子どもを保育園に預ける、もしくはベビーシッターを利用する場合のどちらもかかった費用を経費にできません。

基本的にベビーシッター代は経費として認められていませんが、会社員の場合であれば、従業員の福利厚生費として計上できる場合があります。事業所内に託児所を設けたり、民間の託児所と連携したりして、社員の子どもを預かる社内制度を用意している場合です。

こういった託児所を用意したり、社内制度を整えるのには手間や資金が必要なため、基本的には大企業でしか導入していないでしょう。中小企業の場合、そのような手厚い福利厚生制度を用意できないため、ベビーシッター代を経費として計上するのは難しいでしょう。

個人事業主のベビーシッター代が経費にならない理由

個人事業主のベビーシッター代が経費にならない理由は、事業との関連性を提示できないためです。国税庁のHPには、経費について以下のように定義されています。

事業所得、不動産所得および雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。

  1. 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
  2. その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

参考:「No.2210 やさしい必要経費の知識」国税庁

経費として計上するには事業との関連性を示さなければなりません。税務署から「事業に関係する経費であることの証明」を求められた時に、客観的に証明できるかどうかが経費計上の判断基準です。

ベビーシッター代の場合、仕事をするために必要な支出であることは確かですが、事業との直接的な関連性が証明できないため、経費として計上するのは難しいでしょう。

子どもがいなければベビーシッターを利用する必要はありません。そのため「仕事をするから必要」なのではなく、「子どもがいるから必要」という個人的な理由になってしまうため、必要経費の条件を満たさないと言えます。

ベビーシッターをお得に使える補助金・助成制度はある?

助成金イメージ

ベビーシッターは経費にはなりません。そのため節税はできませんが、国や市町村が子育て支援の一環として作った助成制度を利用して、ベビーシッター代を安くできる場合があります。現在利用できる代表的な助成制度は以下です。

  • ベビーシッター派遣事業[割引券]
  • ベビーシッター利用支援事業(ベビーシッター事業者連携型)
  • ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)

現在は東京都を中心とした都市部が多いですが、少子化対策として今後制度を利用できる範囲も拡大していくでしょう。それぞれの助成制度について解説していきます。

ベビーシッター利用割引券

ベビーシッター割引券とは「企業主導型ベビーシッター利用支援事業」の承認を受けた企業が従業員に配布し、仕事のためにベビーシッターを利用したい場合に使える割引券です。

この割引券を使えばベビーシッター代が、子ども1人につき1回あたり4,400円の補助が受けられます。利用範囲は「家庭内における保育やお世話」や「保育等施設への送迎」のみで、家事サービスや習い事などの送迎に関しては利用対象外です。

対象児童は乳幼児または小学3年生までの児童で、対象内であれば兄弟の人数分利用できます。双子などの多胎児の場合は2人で9,000円、3人以上の場合は18,000円です。

この制度は企業が「企業主導型ベビーシッター利用支援事業」の承認事業主であることが大前提です。

まずは勤め先の企業が承認を受けているか確認しましょう。なお、ベビーシッター利用割引券には利用上限があるため、通年いつでも利用できるわけではないので注意が必要です。

参考:「ベビーシッター利用割引券案内ガイド」公益社団法人全国保育サービス協会

参考:「割引券承認事業主一覧」公益社団法人全国保育サービス協会

ベビーシッター利用支援事業(ベビーシッター事業者連携型)

ベビーシッター利用支援事業(ベビーシッター事業者連携型)は、子どもが待機児童となった保護者が、保育所等に入所できるようになるまでの間、ベビーシッターを利用する場合の利用料の一部を助成する制度です。1時間150円(税込)で利用できます。

対象地域は東京都のみで、詳しい区市町村はホームページを確認してください。対象者は以下のいずれかの条件に該当する方です。

  1. 保育所等の0~5歳児クラス(未就学児)の待機児童の保護者
  2. 保育所等の0歳児クラスに入所申込みをせず、1年間の育児休業を満了した後、子どもの1歳の誕生日から復職する保護者(復職日以降利用できる)
  3. 夜間帯保育を必要とする保護者

参考:「令和6年度 利用案内パンフレット」東京都

すべてのベビーシッター事業者で利用できるわけではなく、東京都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者でのみ利用できます。詳しい認定事業者は、以下のホームページを確認してください。

参考:「ベビーシッター利用支援事業(ベビーシッター事業者連携型) 認定事業者一覧」東京都福祉局

ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)

ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)とは、日常生活上の突発的な事情で一時的に保育が必要となった保護者や、仕事などの理由でベビーシッターを活用したい保護者が、ベビーシッターを利用する場合の利用料を区市町村が一部補助する制度です。

保育所等の0~5歳児クラス(未就学児)が対象で、1時間2,500円まで補助金が出ます。基本的にベビーシッターの利用料金は1時間2,000円〜3,000円前後のため、補助金を利用すれば費用を安く抑えられます。

対象地域は東京都のみで、実施している詳しい区市町村はホームページを確認してください。対象者は以下のいずれかの条件に該当する方です。

  1. 日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより、一時的に保育を必要とする保護者(保育認定の有無は問わない)
  2. ベビーシッターを活用した共同保育(保護者等とベビーシッターによる保育)を必要とする保護者

参考:「ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」東京都福祉局

すべてのベビーシッター事業者で利用できるわけではなく、東京都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者でのみ利用できます。詳しい認定事業者は、以下のホームページを確認してください。

参考:「認定事業者一覧」東京都福祉局

今回は東京都を中心に助成金の紹介をしましたが、他の市町村でも独自に子育て支援としてベビーシッター代の助成を行っている場合もあります。一度ご自身の市町村のホームページも確認してみましょう。

節税にお悩みの方は税理士に相談も

個人事業主がベビーシッターを必要経費にできる可能性は低いのが現状です。ベビーシッター代が事業に関係する経費であると証明をするのは今のところ難しいですが、今後子育て支援として控除を受けられることを期待しましょう。

経費として節税はできませんが、国や市町村が子育て支援の一環として作った助成制度を利用すれば、お得にベビーシッターが利用できる場合もあります。ベビーシッターの利用を考えている方は一度調べてみるのがおすすめです。

確定申告や節税などのお困りごとやご相談は、ぜひ「小谷野税理士法人」までお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。

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