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会社設立の基礎知識

個人投資家の法人化のメリット・デメリットやタイミングについて解説

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個人投資家の法人化のメリット・デメリットやタイミングについて解説

投資を行っている方のなかには、ある程度安定した利益を得られるようになってきた方もいるのではないでしょうか。そこで、本記事では個人投資家の法人化(法人成り)をテーマに解説します。個人投資家が法人化する意味、メリット・デメリット、検討するタイミングなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

個人投資家の法人化とは?

投資のイメージ

個人投資家の法人化(法人成り)とは、「資産管理会社を設立すること」を指します。個人で投資を行っている代表者の資産を管理・運用することが目的です。

そのため、ほかの株式会社とは少し異なり、資産の管理以外の事業を行わないことが一般的です。

株式を所有することによる配当収入が、収入源の大半を占めることになります。

個人投資家の法人化には、節税をはじめとする様々なメリットがあります。その一方で、個人には必要がなかった手続きや費用などが発生します。

また、法人化すれば必ず節税できるわけではなく、時期尚早の場合はむしろ損となるケースもあります。

本記事では、法人化のメリットや注意点、法人化におすすめのタイミングなどを解説します。ぜひ検討する際の参考にしてください。

法人化のメリット・デメリット

最初に個人投資家が法人化するメリットとデメリットを比較してみましょう。

メリット

デメリット

  • 税負担が軽くなるケースがある
  • 繰越控除期間の延長
  • 経費の適用範囲が広くなる
  • 相続対策として活用できる
  • 会社設立の費用と手間がかかる
  • 会社運用の維持費がかかる
  • 申告に必要な書類が増える

大半の個人投資家は、税負担の軽減を目的として法人化を行います。

また、法人化によって繰越控除期間の延長や相続対策が可能になるため、事業拡大がしやすくなることもメリットです。

ですが、そのためには煩雑な手続きが増え、設立費用や法人特有の税金がかかるようになることがデメリットでもあります。

本記事では、上記の比較表に沿って詳しく解説します。

投資家が法人化するメリット

法人化によって、個人投資家が享受できる4つのメリットについて解説します。

ただし、ただ法人化しただけで実現できるわけではありません。注意点を十分考慮し、くれぐれも慎重に検討してください。

税負担が軽くなるケースがある

個人投資家と法人は、所得に対して適用される税金が異なります。

個人には所得税、法人には法人税が課されます。どちらも所得にかかる税金のため、位置付けはほとんど同じです。

ただし、この2つは税率が異なります。そのため、ある基準を超えると所得税よりも法人税のほうが節税しやすくなるのです。

資本金1億円以下の法人の場合、法人税の税率は2パターンしかありません。800万円以下の部分が15%、800万円を超えた部分は23.2%です。

それに対して、個人投資家には超過累進課税が適用されるため、所得が増えるほど所得税の課税額も比例して高額になります。

【個人投資家の所得税】

課税される所得金額

税率

1,000円 から 1,949,000円まで

5%

1,950,000円 から 3,299,000円まで

10%

3,300,000円 から 6,949,000円まで

20%

6,950,000円 から 8,999,000円まで

23%

9,000,000円 から 17,999,000円まで

33%

18,000,000円 から 39,999,000円まで

40%

出典:No.2260 所得税の税率|国税庁

所得が900万円を超えると、法人税のほうが税率が低くなり節税しやすくなります。

そのため、所得が安定的に700万円を超えるタイミングで、法人化の準備を始める方が多い傾向です。

法人化する最大の目的が節税だという方は、税理士に継続的な相談を行うことをおすすめします。

また、いざというとき円滑に法人化するために、通常の税務を依頼するのもよいでしょう。

参考:No.5759 法人税の税率|国税庁

参考:超過累進税率とは|総務省

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

繰越控除期間の延長

法人税は、赤字(欠損金)を最大10年まで繰越控除できます。そのため、今期が赤字でも、その後10年先まで黒字と相殺が可能です。

個人投資家の繰越控除は、最大3年間であるのと比べると大きな違いです。

投資を行っていると一時的に大きな赤字が出ることもあります。

現時点の赤字を乗り切ることで事業を継続できる場合は、繰越控除は長いほどメリットになるでしょう。

ただし、10年間まで延長されるのは青色申告を行っている法人のみです。

青色申告をするためには、申請書だけではなく確定申告や青色申告決算書などの書類も必要です。

また、青色申告書には提出期限が定められているため、作成においては代行可能な税理士への依頼も検討してみてください。

参考:No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除|国税庁

参考:A1-8 所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

経費の適用範囲が広くなる

法人化すると、経費として認められる範囲が大幅に広がります。法人が利益を獲得するために使用した費用は、原則として経費にできます。

例えば社会保険料や役員報酬、退職金なども経費として計上できるため、節税対策としても有効です。

そのため家族を役員にして報酬を支払うことも可能です。

一方、個人投資家の場合は、自分への給料や退職金などは経費になりません。

また、日頃から事業用とプライベート用を厳密に分けていないと、税務調査で指摘が入る可能性があります。

経費面では、個人投資家よりも法人のほうが節税効果が高いと言えるでしょう。

相続対策として活用できる

法人化は資産をスムーズに相続するための対策としても活用できます。

保有する財産を個人名義で保有している場合、相続人はそれらを個別に相続しなければなりません。

そのため、相続の際は大きな負担となってしまいます。

ですが、あらかじめ法人化によって財産を法人名義に変更してある場合、法人の株式を承継するだけで相続を済ませられるのです。

相続税の負担も抑えられる可能性があるため、将来的に相続をお考えの方はぜひ検討してみてください。

参考:No.4105 相続税がかかる財産|国税庁

投資家が法人化するデメリット

法人化はメリットのみに注目されやすい傾向がありますが、デメリットを計算に入れることも重要です。

ここでは、個人投資家が法人化する際の注意点と対策について解説します。

会社設立の費用と手間がかかる

会社設立の際、仮に司法書士に依頼せずに自分で設立をした場合、費用は24万円前後かかることが一般的です。

具体的な費用の内訳は下記の通りです。

定款認証印紙代

40,000円

定款認証手数料

50,000円

登録納付税

150,000円

設立手数料

0円

合計

240,000円

設立手数料以外は、すべて法務局などに納付するために必要な費用です。

自分で設立する場合、費用を最小限に抑えられることがメリットです。しかし、その分非常に時間を奪われることが大きなデメリットです。

一方、司法書士に依頼する場合は、業務は一任できる代わりに設立手数料が10万円以上かかります。

小谷野税理士法人では、個人の方の会社設立をサポートしてきた実績から、設立手数料0円での会社設立のサポートを承っています。

特に東京近郊での会社設立をお考えの方は、ぜひ一度相談に訪れてみてはいかがでしょうか。

会社運用の維持費がかかる

法人には、会社設立後に運営を続けるための費用(ランニングコスト)がかかります。主な費用は下記の3つです。

  • 社会保険料
  • 税理士や弁護士への報酬
  • 法人住民税

法人には、社会保険への加入が法律で義務付けられています。

代表者1人の場合でも、健康保険と厚生年金には加入しなければなりません。

また、税理士をはじめとする士業への報酬も、大半の方には必須の費用と言えるでしょう。

士業への依頼方法は、年間契約や1件ずつなど様々なスタイルがあります。しかし、法人化した際は、年間を通してアドバイスを受けられる顧問契約を選ぶのが一般的です。

そして、法人住民税の一部は、赤字になっても納税義務が発生するため注意が必要です。

法人税や法人事業税などは利益がなければ発生しませんが、法人住民税の均等割は発生します。自治体によって納税額は異なりますが、毎年約7万円以上は必要です。

参考:個人事業と法人のどちらがよいか | 起業マニュアル|J-Net21

申告に必要な書類が増える

法人は1年に一度納税額を算出し、期間内に納税することを義務付けられています。個人の確定申告と基本的には変わりません。

しかし法人化すると、この決算申告の際に必要な書類が大幅に増えます。各税目における主な提出書類等は下記の通りです。

税目

主な提出書類

法人税

  • 法人税申告書
  • 決算報告書
  • 勘定科目内訳明細書
  • 法人事業概況説明書

消費税(課税事業者のみ)

  • 消費税及び地方消費税の確定申告書

法人都道府県民税

法人事業税

地方法人特別税

  • 法人事業税・地方法人特別税・法人都道府県民税の申告書

法人市町村民税

  • 法人市町村民税の申告書

個人投資家が確定申告のみの提出であるのに比べて、かなり複雑に感じる方も多いのではないでしょうか。

上記の書類は、書類形式や添付書類、提出先などもそれぞれ異なります。

日頃からの記録や保管なども重要になるため、法人の決算申告は税理士への依頼がおすすめです。

参考:C1-1 法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)|国税庁

参考:確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁

法人化を検討するタイミング

投資家が法人化する目安のイメージ

個人投資家が法人化を検討するタイミングは、年間700万円~900万円の所得が一般的です。

先述したように、資本金1億円以下の法人の場合、所得が800万円を超えた部分の税率は23.2%から変わりません。それに対して、個人は比例して上がり続け、最終的には45%にまで達します。

そのため、年間の所得が安定して800万円を超えている方は、法人化するメリットがあると言えるでしょう。

ぜひ長期的視野のアドバイスを参考に

個人投資家の方は、経費や相続の対策など、節税以外の目的で法人化したいと考えている方もたくさんいます。

法人化は、確かに手続きの煩雑さというデメリットがあります。しかしこのデメリットは税理士へ依頼することで解決できるものです。

小谷野税理士法人では、会社設立にかかる手数料を0円でサポート可能です。他社の相場と比べると設立費用を10万円以上抑えられるため、法人成りのスタートアップとしてぜひおすすめします。

また、設立だけではなく、その後の税務サポート全般も承っています。将来的に法人化を検討している方も、ぜひ一度お気軽にご連絡ください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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