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会社設立の基礎知識

フリーランスが受けられる融資はある?主な融資元や注意ポイントを解説

公開日:

フリーランスの男性

フリーランスでも物件の固定費や事業拡大費用など、融資を必要とする場面があります。融資を受けるには様々な方法がありますが、フリーランスは受けられる融資が限られるため、それぞれの特徴を把握した上で事業計画に合った融資を受けることが大切です。この記事では、フリーランスでも借入可能な融資や融資にあたっての注意点を解説します。

フリーランスとは

フリーランスとは、個人で仕事を請け負うスタイルの働き方をする人を指します。会社員のように組織に所属して雇用契約を結ぶのではなく、クライアントと業務委託契約を結ぶことが多い傾向にあります。

雇用契約を結ばないため、労働基準法などの法律は適用外になりますが、勤務場所や勤務時間などの面で自由度が高いのが特徴です。

中小企業庁では、フリーランスの定義を以下のように提示しています。

  • 実店舗がない
  • 雇人がいない
  • 自営業主または一人社長である
  • 自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得ている

参考:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン|厚生労働省

参考:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン|中小企業庁

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスと個人事業主の違いは、開業届の提出状況にあります。フリーランスは開業届を提出していない事業主を指すのに対し、個人事業主は開業届を提出している事業主を指します。

個人事業主も組織や特定の団体に所属せず、個人で仕事を請け負うのはフリーランスと同じですが、個人事業主は税務署に開業届を提出しているため、税法上の区分になることが大きな違いです。

しかし、フリーランスであっても一定以上の所得がある場合は、確定申告をしなくてはならないので注意しましょう。

フリーランスでも融資を受けられる?

フリーランスは会社員より働き方の自由度が高いのに対し、社会的信用度などの関係で金融機関などから融資を受ける際には不利な属性といえます。

実際にフリーランスの人が個人ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることは、会社員の人に比べてハードルが高くなります。

しかし、公的金融機関や公的制度であればフリーランスや個人事業主、中小企業などでも事業資金の融資を受けることができます。

また、フリーランスが融資を受けることが難しいのには理由があります。しかし、フリーランスでもある程度仕事がコンスタントに入っている、収入が安定しているなど、難しいとされる原因がクリアされていれば融資を受けやすくなるといえるでしょう。

フリーランスが融資を受けるのが難しい理由

フリーランスが受けられる融資もありますが、一般的にフリーランスの方が会社員より融資が難しいとされている大きな理由の一つに、収入が不安定なことがあります。

大抵の場合、どの融資元でも融資するにあたって「安定した収入があること」が最低条件となっています。これは貸し倒れを防ぐためであり、収入が不安定になりがちなフリーランスにとっては厳しい条件といえます。

また、フリーランスは収入だけでなく仕事自体が不安定であるため、その点に関しても安定した返済能力が求められる融資の審査は通りにくくなるでしょう。

ただし、フリーランスでも長年に渡り安定した仕事と安定した収入が続いている場合は、過去の実績を示すことなどで融資の審査を通過しやすくなる可能性があります。

フリーランスが融資を受けるタイミング

フリーランスが仕事をする上で融資の利用を検討するタイミングは様々あります。

ここではフリーランスが融資を検討するタイミングをご紹介します。このような局面に差し掛かった場合は融資を検討してみるのもよいでしょう。

フリーランスとして個人事業を始めるタイミング

まず、フリーランスとして独立する際や新しく事業を始める際に融資を利用するケースは多いといえます。

事業を始める際は融資による資金の調達のほかに、ある程度の自己資金を準備しておく必要があります。その際、事業を開業するための設備資金や、開業後の当面の運用資金を融資で準備することは珍しくありません。

怪我や病気などの緊急時

フリーランスとして従事している最中に怪我や病気をしてしまった場合、働くことが困難になり、収入が途絶えてしまう恐れがあります。このような緊急時にお金が必要となった際にも融資による借入が検討されやすいタイミングといえます。

事業拡大を試みる時

フリーランスが事業規模の拡大を試みるタイミングでも、融資の利用を検討することがあります。フリーランスとしての仕事が軌道に乗ってきたことで、これまで以上に収益を増大させたい場合などには、事業規模の拡大と、ある程度の資金が必要になります。

先行投資をする意味で融資を利用した資金を活用することも、事業拡大に向けた一つの手段となるでしょう。

また、事業規模の拡大を試みる場合は、しっかりと正確性の高い事業計画を立て、融資を受けやすいように準備しておくことが重要です。

フリーランスが受けられる融資

 

フリーランスでも融資による借入で資金調達が可能です。事業計画をしっかりと立てた上で準備をすれば融資の審査で不利になることも少ないでしょう。

ただし、収入や仕事の不安定さから借入ができる融資元は限られます。融資の条件や返済の規約、利子などをきちんと確認し、自身に合った融資元を選びましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は財務省が所管する、経済の発展や国民生活の安定を実現するために設立された特殊会社です。フリーランスなどの個人や中小企業、小規模事業者向けに、さまざまな支援を行っています。

借入期間が長期で設定できるほか、財務省所管のため金利が低いのが大きな特徴です。また、融資の種類によっては保証人が不要なものもあるため、フリーランスなど一人で事業をしている場合でも比較的融資が受けやすいといえます。

金融機関

融資の最も一般的な手法として知られているのが銀行など金融機関からの融資です。しかし、民間の金融機関が審査を行う場合、信用保証協会による保証がないので、フリーランスが融資を受けるのは難しいでしょう。特に都市銀行やメガバンクなどからの多額の借入は厳しいのが現状です。

スムーズに融資が受けられない場合、信用保証協会によって審査が行われる「保証付融資」の利用が検討されます。

保証付融資であれば、万が一、借主の返済が滞った際に、借主の代わりに信用保証協会が「立替払い」を融資元の金融機関に行います。ただし、保証付融資の場合は保証を利用する対価として、所定の信用保証料を支払う必要があります。

信用金庫

都市銀行やメガバンクに比べ、主な取引先が中小企業や個人である信用金庫はフリーランスでも融資が受けやすいといえます。

信用金庫の取引地域は一定の地域に限られているため、利用者から預かっているお金は地域の発展に活かされています。そのため、該当の地域で事業を始めるのであれば、より融資がしやすくなるでしょう。

ただし、金利は日本政策金融公庫と比較するとやや高めに設定されています。

制度融資

金融機関と行政に加え、信用保証協会が三者協調のうえ提供している地方自治体の制度融資があります。

主に都道府県や区市町村が中小企業や小規模事業者、フリーランスの資金調達を支援するために設けられています。創業資金が必要な場合や運転資金、設備資金が必要な場合に利用できます。

地方自治体により紹介状が発行され、万が一の際の立替払いの保証を信用保証協会が行ってくれるため、金融機関からも融資が受けやすくなります。

そのため、通常は社会的信頼度が低く、金融機関の審査に落ちやすいフリーランスの方のケースでも審査に通ることがあります。

審査は経営者の人物や資金使途、返済能力などが総合的に判断され、保証の諾否や保証金額が決定されます。

出典:東京都中小企業制度融資|東京都産業労働局

不動産担保ローン

不動産担保ローンは、建物や土地などの不動産を担保にすることで借入が可能になるローンです。本人が所有している物件以外にも、法人名義のものや家族が所有しているもの、今後購入する予定の物件も担保にできる場合があります。

不動産を所有していて、低金利でまとまった金額を借入したい時や、 数十年などの長期間で借入したい時、資金繰りが難しくなり他の金融機関への返済ができなくなってしまった時などに利用できます。

不動産の担保があるため、他の融資に比べると低金利なことや、30年以上の長期間の借入が可能なことがメリットといえます。一方で不動産鑑定料などの各種手数料が発生したり、返済ができない状態になると不動産を失ってしまうことになるので注意が必要です。

社会的信頼度ではなく、不動産の所有有無が主な審査基準になるため、価値の高い不動産を所有していればフリーランスでも利用しやすいといえます。

ビジネスローン

ビジネスローンは、フリーランスや個人事業主、法人の経営者に事業の資金を融資するローンの一種です。商品によっては、使途が事業性資金に限ると明確に設定してあるものや、生活費に充当しても良いものもあります。

主にクレジットカード会社や信販会社、消費者金融会社などが提供している融資サービスです。

事業の設備資金や運転資金が必要な時や、民間の銀行融資に落ちてしまった時、50〜100万円程度の少額だけ借り入れたい時などに利用されます。

申し込んでから審査までのスピードが早く、すぐに融資を受けられることがメリットです。また、保証人や担保は不要で、一般的な銀行の融資と比較すると審査基準が低めなので借入しやすい点も挙げられます。仮にすぐに資金が必要な局面になってしまった場合にも利用しやすいといえます。

一方で金利の水準が高めの設定になっているため、利用する際は注意しましょう。

マル経融資

マル経融資とは、小規模事業者経営改善資金のことで、商工会議所や商工会などの推薦に基づいて、小規模事業者の商工業者が無保証人かつ無担保で経営改善に必要な資金の融資を受けられる制度です。実際には日本政策金融公庫からの資金提供となります。

商工会議所、商工会、都道府県商工会連合会が実施している経営者向けの指導を受けている方のみが申し込み可能な融資制度です。

参考:マル経融資(小規模事業者経営改善資金)|日本政策金融公庫

フリーランスが融資を受ける際の注意点

フリーランスが融資を受けようとする場合には、いくつか注意点があります。いずれも融資の申請をする前に知っておくべき情報ですので、融資の利用を検討中のフリーランスの方はぜひ参考にしてみてください。

融資は開業後ではなく開業前に受ける

フリーランスが融資を利用する場合、開業前に融資の申請をするのがお勧めです。開業してしまってからの融資となると、業績悪化の関係で資金繰りに困り、融資を申請したと見なされてしまうことがあります。そうなってしまった場合は、融資の審査を通過するのが難しくなることが考えられます。

一方で開業前の場合は、開業時の事業計画をきちんと提示することで事業の信頼性が高まり、開業資金としての融資を受けやすくなります。

フリーランスで融資を検討中の場合は、開業する前に融資を受けましょう。

融資希望額の1〜3割は自己資金を用意する

フリーランスが融資を受ける場合、融資希望額の1〜3割は自己資金を用意しておくのが理想です。

自己資金がないと融資が受けられないというわけではありませんが、融資を受ける際の自己資金額が高ければ高いほど融資の審査が通りやすくなるといえます。

日本政策金融公庫では、一定の条件を満たしていれば自己資金が用意できなくても審査が受けられるとしています。しかし、日本政策金融公庫の新創業融資制度は必要な開業資金の1/3が用意できれば審査を通過しやすいと示しており、最低でも開業資金の1割程度を自己資金で用意することが求められています。

地方自治体の融資制度などでも同様の条件が求められることがあるため、申請前に確認しておくとよいでしょう。

また、土地などの不動産や車など、自身が所有する物を手放して資金を捻出する場合は自己資金として見なされることがありますが、家族や親族から借用したお金は自己資金と見なされないため注意が必要です。

​受けた融資を生活費に使用してはならない

開業資金や事業資金として融資を受けた場合は、そのお金を生活費に使用すると契約違反となってしまいます。

審査時や契約時の使途内容に生活費が含まれている場合は、借入したお金を生活費に充当することもできますが、それ以外の場合は私的に流用することは禁止とされています。

万が一、私的な流用が発覚してしまった場合は、一括返金を求められてしまうことも考えられます。開業資金や事業資金として融資を受けた資金は、審査時や契約時に提示した使途内容で使うようにしましょう。

フリーランスが融資の審査を通過するポイント

フリーランスでも融資の審査を通過しやすくするためのポイントがあります。

すぐには実行できない内容もあるので、融資を検討している場合は事前にしっかりと確認しておき、時間をかけてでも準備しておくことをお勧めします。

自己資金は多めに用意する

開業資金を融資する場合は、自己資金の用意が多ければ多いほど審査に通りやすくなります。

自己資金があまり用意できない場合は、事業計画を明確に立て、無理のない返済計画が立てられれば融資が受けやすくなります。

しかし、自己資金が少ないと融資の審査は不利になることがわかっているため、できる限り自己資金は多めに用意しておいた方がよいでしょう。

実現性が高い事業計画を立てる

実現性が高く現実的な事業計画を立てることも融資を受ける上で重要なポイントです。

審査に通りたいからといって最初から数十倍などの売上を示しても、融資元は大抵の場合、業種や職種ごとの売上の相場や利益の目安などを把握しているため、無謀な事業計画であることは察知されてしまいます。

融資を受ける際は適正な事業計画に沿った融資額を申請するのが妥当といえるでしょう。

明確に資金の使途を提示する

融資の審査にあたり、資金の使途を明確にし、融資希望額の妥当性を示すことは非常に重要です。

運転資金にいくら必要なのか、設備資金はいくらかかるのかなど、きちんとした事業計画でどのように進めていくのかを提示する必要があります。

事業計画と資金の使途を総合的に審査した上で、融資希望額の妥当性が高いと見なされ、返済能力があると判断された場合は融資が通りやすくなります。

信用情報がクリアである

事業資金の融資を受ける際にも、個人の信用情報に問題がないかが審査されます。

フリーランスの場合は本人の個人信用情報が、法人の場合は代表者の個人信用情報が審査の対象となります。

既に他の金融機関からの借入があり、返済が滞っている場合や遅延した過去がある場合、破産や代位弁済などの債務整理を過去に行ったことがある場合は返済能力が低いと見なされ、審査が通らない可能性があります。

そのほかにも、所得税や住民税、法人税などの税金の未納がある場合や、家賃や水道光熱費などの支払いに遅れがある場合も注意が必要です。

また、クレジットカードのローンや、そのほかの各種ローンを直近で複数同時に申し込んでいる場合、審査に影響が出てしまいます。

事業のための融資を検討している場合には、新しくローン申請することは控えるようにし、個人信用情報にこれ以上影響を及ぼさないようにしましょう。

資金の使途を明確にすればフリーランスでも融資可能!

フリーランスでも、資金の使途を明確にした事業計画をきちんと提示することで融資を受けやすくなります。

また、フリーランスが融資を受ける際には、融資での借入後に資金繰りで困ることのないよう、利用するタイミングや融資元の特徴、借入の際の注意点など様々な事項を把握した上で融資の準備を進める必要があります。

融資の審査に通っても、実際にお金が入ってくるまでに時間がかかるケースもあります。融資のお金が入る前に資金繰りが困難になってしまうことがないよう、事業の財務状況はきちんと確認し、融資の必要がある場合は余裕を持って融資を受けるようにしましょう。

少しでも不明点がある場合、自身で調べることもできますが、税理士などの専門家に相談してみるのも一つの手段です。

フリーランスの融資でお困りの際は「小谷野税理士法人」にぜひ一度ご相談下さい。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。

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