中期経営計画の作り方⑦
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はじめに
中期経営計画の作り方シリーズでは、中期経営計画の概要、全体の手順や考え方を掴んでいただき、シリーズ⑤以降から、経営理念の作り方、という内容でお送りしております。
今回は、ミッション・ビジョン・バリューについて、ご案内いたします。
1. ミッション・ビジョン・バリューとは?
ミッション・ビジョン・バリューとは、経営学で有名なピーター・F・ドラッカーによって提唱された、企業の経営方針や指針に関する考え方です。
2003年に出版された、「Managing in the Next Society」の中で記載されたものです。
従前からご案内している、日本企業に古くから浸透している経営理念や行動指針と似たようなもので、それを現代版に、世界標準として示された概念と捉えると良いかと思います。
以下で、それぞれの言葉を見ていきましょう。
2.ミッションとは?
ミッション(Mission)とは、企業の使命や目的を指します。
その企業が、何のために存在して、企業活動を通じて、世の中に何をもたらそうとするのかを表現します。「存在意義」という表現でも良いかも知れません。この意味では、前回ご案内した、「生きがい」「やりがい」に通じるものがあります。
一般的に、資本主義社会における株式会社は、出資を行った株主のものであり、利益を追求し、株主に利益を還元することがその存在意義であると言われますが、企業として存在すること、そこで働く人たち、利用する消費者は、単なる「おカネもうけ」のためでなく、誰かのためになること、困ったを解決してくれること、喜びを感じることに価値を感じ、コミュニケーションをとります。
社会に必要とされることに、適正な価格をつけることで、結果的に、企業は利益を得て、事業を継続し、社会に必要とされ続ける存在となると考えられます。
たまたま、現代社会においては、それが株式会社をはじめとする企業体になっているだけであり、古来から存在する組織、江戸時代から続く家業等、株式会社形態になる前から存在しています。
このことからも、企業が継続して存在するためには、「おカネもうけ」はもちろん大事な要素ではありますが、社会に必要とされること、その存在意義が、重要であると考えられます。
3.ビジョンとは?
ビジョン(vision)とは、企業が目指す目標、目指す姿を指します。
ミッションにおいては、その存在意義を示しました。ミッションだけでは、少し抽象的な表現になりがちなので、ビジョンを掲げることで、より具体的な会社像を描きやすくなります。
企業として、どんな姿になりたいのか、未来の様子を示すことで、その存在意義をさらに鮮明な姿にすることができます。
4. バリューとは?
バリュー(value)とは、企業の価値観・価値基準を指します。
バリューは、ミッション→ビジョンで磨かれた会社の姿に対して、「どうすれば良いのか」を示すものになり、行動指針や判断基準とも同じような意味になります。
5. Whyから始めよ
ミッション・ビジョン・バリューを作成する上で、「Whyから始める」こと、「なぜ我々が存在するのか」を問いかけることが、近道になります。
2009年に、TEDカンファレンスで、サイモン・シネック氏の「Whyから始めよ」というテーマでのプレゼンテーションがあります。
書籍の出版や動画も配信されていますので、気になる方は是非ご覧ください。
製品やサービスは、技術・情報が発達して、コモディティ化(差がほとんどないこと)されています。同じような製品・サービスであれば、単におカネもうけを目指しているより、商品づくりの「想い」を大事にしている企業から購入したい。
そんな豊かな社会になっているのだと思います。
おわりに
以上、いかがでしょうか。
次回は、近年注目されている、「パーパス」についてご案内いたします。また次回以降も、お楽しみに!
(担当:横瀬)