(税制改正特集)資産課税のその他の改正
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はじめに
令和5年12月14日に令和6年度税制改正大綱が公表されました。
本稿では「資産課税のその他の改正」についてご紹介します。
1.譲渡所得税(土地・住宅税制)
下記の見直しが行われます。
項目 | 改正内容 | 適用期限 |
収用交換等の場合の譲渡所得の5,000万円特別控除等 | ①適用対象に土地収用法に規定する事業の施行者が行う当該事業の施工に伴う漁港水面施設運営権の消滅等により補償金を取得する場合を加える。 ②障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の就労移行支援の用に供する土地等について、所要の法令改正を前提に、引き続き簡易証明制度の対象とする。 | – |
特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の2,000万円特別控除 | 都市緑地法等の改正を前提に、適用対象に次の措置を講ずる。 ①都市緑地法に規定する特別緑地保全地区内の土地等が都市緑化支援機構(仮称)(一定のものに限る。)に買い取られる場合を加えるとともに、特別緑地保全地区内の土地等が緑地保全・緑化推進法人に買い取られる場合を除外する。 ②古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法に規定する歴史的風土特別保存地区内の土地等が都市緑化支援機構(仮称)(一定のものに限る。)に買い取られる場合を加える。 | – |
特定の民間住宅地造成事業のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の1,500万円特別控除 | 適用期限を3年延長する | R8.12.31まで |
特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例 | 適用期限を2年延長する | R7.12.31まで |
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等 | ① 適用期限を2年延長する。 ② 所要の経過措置を講じた上、一定の手続きを要件として、住宅借入金等の残高証明書の確定申告書等への添付を不要とする。 | |
特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等 | 適用期限を2年延長する | R7.12.31まで |
既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除 | 適用期限を2年延長する | |
既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除 | 次の措置を講じた上、適用期限を2年延長する。 ①本税額控除の適用対象者の合計所得金額要件を2,000 万円以下(現行:3,000 万円以下)に引き下げる。 ②本税額控除の適用対象となる省エネ改修工事のうち省エネ設備の取替え又は取付工事について、エアコンディショナーに係る基準エネルギー消費効率の引上げに伴い、当該工事の対象設備となるエアコンディショナーの省エネルギー基準達成率を 107%以上(現行:114%以上)に変更する。 | |
認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除 | 適用対象者の合計所得金額要件を 2,000万円以下(現行:3,000 万円以下)に引き下げた上、その適用期限を2年延長する。 |
2.登録免許税
住宅用家屋の所有権の保存登記、移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を3年延長します(令和9年3月31日まで)。
3.固定資産税
① 宅地等及び農地の負担調整措置については、現行の負担調整措置の仕組みを令和8年度まで継続します。
② 新築住宅に係る減額措置の適用期限及び新築の認定長期優良住宅に係る減額措置の適用期限を2年延長します。
4.不動産取得税
宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準を価格の2分の1とする特例措置の適用期限及び住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の課税標準(本則4%)を3%とする特例措置の適用期限を3年延長します。
おわりに
弊所HPには令和6年度税制改正大綱の主要な改正の要約が公開されていますのでご参照ください。
(担当:杉山)