『「ようするにさ、人というのは、何か説明があれば、それを信じようとするし、
偉い人が自信満々に、『心配はいらない』と言えば、ある程度は納得しちゃうってことだよ。
そして、偉い人は、本当のことを全部話すつもりはない。
同じ映画の中で、子供向けの教育番組が流れるけど、そこではね、アニメの亀が言うんだ。
『核爆発が起きたら、さっと隠れろ!』って。机の下に伏せて、隠れれば平気だよ、って」
「馬鹿な」
「僕たちからすれば、馬鹿な話だけど、国が冷静に、
自信を持って断言すれば、それが正しいと思わざるをえない。でしょ」』
伊坂幸太郎著「マリアビートル」より。
先日とある駅からタクシーに乗ったんですね。
大した距離ではないのですが、歩くのには少ししんどい微妙な距離だったので。
タクシーに乗って運転手さんに行き先を告げると、
あからさまに舌打ちをされて、無言で急発車、信号では急停車。
まあ売上に貢献しない距離なので仕方ないかなと思って、
「降りるとき領収書くださいね」
と、運転手さんに言ったんです。
そしたら運転手さんのの運転が急におとなしくなって、
降りるときには丁寧にあいさつまでされてしまいました。
冷静に考えて、クレーム電話入れられると思ったんでしょうね。
もしその気ならいまさら手遅れだろうとも思いますが。
だったら最初からそういう対応をするなよ、ということです。
人のフリ見て我がフリなおせ、というわけではありませんが。
ちょっと気持ちに余裕が足りない夏の終わりのお話でした。
ではまた。