従業員へのインセンティブとして、自社の株式を用いることは結構見受けられます。
ストックオプションだったり、従業員の持ち株会だったり。
業績をあげれば、株価も上がり、会社も従業員もうれしい。
理にかなったインセンティブプランです。
でも、少し考えてみてほしい、と思うこともあるわけです。
「卵は一つのカゴにもるな」といわれるように、
リスクは避けて、分散して投資するというのがファイナンスの基本的な考え方です。
従業員が自分が働いている会社の株を保有していることは
自分の労働力と資産を同じところに投資しており、
業績がよければ給料もあがり、株も上がってウハウハだけれど、そうでなければ・・・
卵を一つのかごに盛っています。
リターンも大きいかもしれないですが、相応のリスクもとっていると思います。
そのリスクを避けるとしたならば、従業員の自社株式に対する投資行動は「売り」、ショートポジションをとることになると思います。
例えば、リーマンショックを受けて業績が下がって、給料が下がって、株価が下がっても
ショートポジションであれば、リターンを得ることができる可能性は高くなります。
しかしこれは、あくまで雇用されている従業員の論理であって、
経営責任の有る役員がショートポジションをとってはいけません。
役員がショートポジションを取れば、自堕落な経営から業績悪化→株価悪化でいくらでも儲けることができてしまいます。
どうでしょうか。。。。。