『もともとこの世のことは、運命と神の支配にまかされている。だが、われわれ人間の自由な意欲は、どうしても失われてはならない。』
―「君主論」より。
久しぶりの哲学ですね。
総選挙で結婚発表して話題をかっさらった例のアイドルの方が「哲学するアイドル」とかいって本まで出してたので勝手に自粛していました。
違いますね、ただ飽きただけです。
今日はマキャヴェリさんですね。
ルネサンス期に活躍した思想家さんですが、マキャヴェリさんの時代は現実主義の時代とも言われています。
人間の理想なんてたいした意味はないよ~なるようにしかならないんだよ~。
という考え方ですね。偏見です。
だからこそ強い君主、国家が必要で、すべては国家間のパワーバランスにより左右されて、ときには悪徳の行使も辞さない、というのが基本的な概念です。
で、冒頭の一文。
マキャヴェリさんのように神に支配されている世界のスコラ哲学的な考え方は、これからどんどん後退していきます。前回も少し触れた市民社会の原理を論じる近代の哲学にシフトしていくからです。どんな手段や非道徳的な行為も、国家の利益を増進させるのであれば肯定されるというマキャヴェリさんのような思想のことをマキャヴェリズムなんていったりもするわけですが、神も国家も市民生活の中で生み出されたものですから、市民が考え、力を持ち始めれば、当然こういった考えも衰退していくわけですよね。
ひとまず、哲学が政治や宗教にのみ込まれていく中世の哲学はここまでです。
実際、中身にはほとんどふれてませんね。
いやはや、歴史をひもとけばまだまだ知らないことなんてたくさんあって、こうして本の中に引用されているようなあれこれを見て思うのは、結局のところ、私には一生かかってもこれらを読みきることはできないんだな、という実感に近い絶望だったりします。
ではまた。
【参考:読まずに死ねない哲学名著50】