熱戦の続くW杯ですが。
オランダが前回王者スペインを大差で破り、続くオーストラリアとの打ち合いも制し、早くも決勝T進出を決めています。
人口約1680万人、国土面積約41500㎞、日本の九州程度の規模にもかかわらず、サッカーの強国であるだけでなく、農業生産物輸出額が米国に次いで世界第二位という農業大国でもあるのですね。地理的な条件や関税障壁などの制度的な条件の違いもあれど、オランダの農業の生産性は確かに高いとのこと。
オランダ農業の生産性の高さの要因のひとつは、生産品目をトマト、パプリカ、豚肉等、競争力のあるわずかな品目に政策的に絞って、かつ大規模に生産する少品種大量生産が実現できているからとのことです。ただし、それができるのは、他の品目については、フランスやドイツなどの近隣諸国から安く輸入できる環境にあるからで、日本では同じようにはいかないとか。
とはいえ、最新のバイオ技術やコンピューター制御が駆使された「植物工場」さながらの生産体制や、「フードバレー」と呼ばれる産学共同による農業に関する研究開発体制は、日本でも多いに学ぶところがありますね。会長島耕作も、日本の農業改革に着手すべくオランダ視察にいったようですが、マンガでは、植物と魚を同時に栽培飼育するシステムの研究が紹介されており、目からウロコでした。輸出に拘らずとも、生産性が高まり、付加価値生産額が向上すればよいと思います。日本国内で、政府と各自治体が連携して、日本全体で農業生産力が高まるような施策を打ち出してほしいものです。
カトリックの旧習を嫌って新教を奉じた、自由と合理性を追求する精神を持つ国。全員攻撃・全員守備のトータルフットボールを編み出した国。かつて鎖国政策をとる中、日本にとって欧米では唯一の貿易相手国であり、文明を伝えてくれたオランダに、もう一度、農業もサッカーも本格的に見習い、うまく日本流に取り入れて、日本ならではの農業、サッカーを作り上げていきたいですね。
まずは今夜のチリ戦。
決勝T1回戦でブラジルと当たるか否かが決まる一戦とあって白熱が期待。
明日の仕事に差し支えない範囲で、オランダを応援したいと思います。