「飲水思源」という言葉があります。
「水を飲む際には、その水源や井戸を掘った人の苦労を忘れてはならない」という意味です。
忘れないようにしたい心がけだと思います。
この言葉を聞いて、「とうちゃんのトンネル」という絵本を想い出しました。
作者は原田泰治さんという画家で、物語は原田さんが子供の頃の、
お父さんをモデルとした実話に基づいています。
舞台は終戦直後、町から村に越してきた原田一家です。
食糧難の時代、家族のため、不毛な土地に水田を作るため
一人で水を引くトンネルを掘り始め、ようやく2年目に水源を掘り当てるのでした。
現代は便利な世の中となっていますが、「とうちゃん」のように、
数々の先人たちの壮絶な努力の積み重ねの恩恵を受けて、
今暮らせているのだと、改めて感謝したい気持ちとなりました。
そして今現在も、いつ見つかるかも分からない水脈を目指して、
毎日毎日、ひと堀りひと堀り続けている無数の「とうちゃん」達がいることでしょう。
限りある人生、新たなトンネルを掘るべく自分も頑張ろうと思います。