多摩大学「現代世界解析講座ⅩⅣ」の第7回目(11月18日~オミクロン報道前)は、テレビ解説でお馴染み、昭和大学医学部 内科学講座 臨床感染症学部門の二木芳人客員教授の「新型コロナウィルス感染症の現状と今後の展望」でした。
1.世界の現状
2021年11月第2週現在、感染者数累計2億5千万人、死者数累計500万人超で、さらに増加傾向にあります。
感染状況は国・地域によって大きく異なり、特にワクチン接種の遅れによる感染拡大は著しくなっています。
ワクチン接種者にもブレークスルー感染がみられるため、ブースター接種も開始され、治療薬の開発にも注目が集まっているところです(足許、オミクロンで新たな展開が)。
2.日本の現状
2021年11月第3週現在、ほとんどの都道府県でステージ2以下を維持しており、医療提供体制も逼迫状況を脱しています。
第5波の急速な沈静化の一因は、ワクチン接種率75%(11月15日現在)という急速な高まりです。
但し、ブレークスルー感染対応としてのブースターショットを含む第6波対応では慎重で的確な舵取りが求められます。
3.第6波への備え
■ワクチン接種率のさらなる向上→目標:全国民の80%
■感染対策意識の徹底
■保健所業務の見直し
■医療提供体制を盤石に
■公的検査の拡充
■新規ワクチン・治療薬の開発加速
4.新型コロナウィルスの特性
■感染力が強く、空気感染・飛沫感染・接触感染等多彩な感染経路を有します。
■増殖力が強く、速やかにヒト細胞内でウィルスコピーを作ります。
■患者体内で長期間生存し、感染性を維持できます。
■ヒトに対して感染による負荷が軽く(軽症、無症状)、集団の中で拡散しやすいです。
■抗体や細胞性免疫を形成させにくいです。
5.感染症パンデミックはヒトによる地球環境の破壊が原因
■人口の増加と集中・過密
■グローバリゼーション、ヒト・モノの高速・大量移動
■食料不足・飢餓
■森林開発による未知の病原体との遭遇
■膨大な各種消費
■地球温暖化
■家畜・ペット
■戦争・紛争