多摩大学の「現代世界解析講座XⅣ」をインターネット聴講しています。
6月17日収録分は、TBS”news23”にスペシャルコメンテーターとして出演する星浩氏の「日本政治と
メディア 現状と課題」でした。
★日本政治の現状
安倍・菅政権の8年を経済と政治手法の観点から総括します。
経済は何と言ってもアベノミクス。
第一の矢である金融緩和は、日銀が黒田バズーカを連発した結果、A評価。
第二の矢である財政出動は、財務省が大盤振る舞いをした結果、B評価。
第三の矢である成長戦略については、看板は次から次へと掛け変わりましたが、「改革しなくても株高
だからいいんじゃないか」とばかりに、かけ声倒れに終わってしまったため、E評価。
結局、アベノミクスはABEでした。
政治手法に関しては、「官邸主導」を全面的に打ち出し、法案を通すために、安保法制では内閣法制局
長官を、ふるさと納税では総務省の担当局長を、いずれも反対勢力として、人事権を行使して排除
しました。
「最終的に政治が決める」という姿勢自体は頼もしいのですが、その後の「モリカケ、桜を見る会、
総務省接待」と、こうもスキャンダルが相次ぐと、信頼を失います。
★今後の政治動向
コロナ禍、オリンピックで大変な時期ではありますが、都議選(7月4日投開票)→自民党総裁任期
(9月30日)→衆院議員任期(10月21日)と、政治の季節に突入します。9月末~10月にかけて解散・
総選挙となるようです。
争点は、①二大政党制の行方、②大きな政府に戻るのか、③米中対立下の日本外交の進路、の3点
です。
★メディアの課題
新聞がめっきり売れなくなりました。ピークは6,000万部でしたが、今は4,000万部で、毎年、中日
新聞並みの200万部が減少しています。
テレビは質が低下しています。色々な意味で中国が大きなテーマとなっていますが、朝日新聞には中国
語が話せる人が20名程度いるそうですが、TBSには1名か2名しかいないそうです。
新聞・テレビが衰退してもネットがあるではないか、となりますが、ネットはフェイクニュースで溢れ
かえっています。
こうしたメディア環境の中、一人一人が様々なメディアを使いこなして、メディアリテラシーを高める
必要があります。