私の地元にある多摩大学で「現代世界解析講座ⅩⅣ」がスタート
しました。
これまでは、平日午後に多摩キャンパスに通う必要があり、業務の
関係上、参加することが難しかったのですが、コロナ禍という災いが
転じて(?)、インターネットオンデマンド(録画)受講が設置
されたことから、聴講する機会を得たものです。
初回(4/15)は、寺島実郎学長による「ポスト・コロナに向けての時代
認識」。
コロナのトンネルを抜けるために日本に求められているのは「総合
エンジニアリング力」と「リーダーの覚悟」であることが強調
されました。
★MRJの教訓→総合エンジニアリング力
ボーイングの部品の6割は日本企業製だそうです。この要素技術を
突き詰めればボーイング・エアバスを凌駕する中型ジェット旅客機が
できるという意気込みの下、MRJは、自動車の次の産業を担う国家
プロジェクトとしてスタートしました。
しかしながら、米国の型式認証を取得できず、ついには挫折して
しまいました。
これは、(コロナで航空機需要がなくなったという単純な話では
なく)政治(交渉)力・ソフトパワー・人材力を包含した総合エンジ
ニアリング力が欠如していたためという見立てです。
★国産ワクチンの教訓→リーダーの覚悟
日本の研究レベルは世界に冠たる水準にあるものの、国産ワクチンを
見ることはありません。
これは、副反応に対する責任に萎縮して、製造するメーカーが日本に
存在しないためです。
民間企業としては当然の判断であり、この点は、まさに政治家の領域
です。リスクに立ち向かうリーダーの覚悟が求められる、という分析
です。