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- ウイルスの意味論 ~生命の定義を超えた存在~
小谷野です。
緊急事態宣言が解除され、
経営者の皆さんは「新たなる日常(New Normal)」への道のりについて思案され、
研究者の皆さんは、今回のコロナ禍実態の調査研究が加速しているそうです。
先週末は東京大学のウイルス学研究者、山内一也名誉教授の
「ウイルスの意味論」(みすず書房2018年)を読みました。
自分ではタンパク質合成装置がない、「借り物の生命」と呼ばれる
ウイルスの脅威がその中で指摘されています。
記憶に残った箇所です。
・天然痘ウイルスを人類は克服したが、
ゲノム解析後も廃棄されず米国・ロシアで保管されている脅威
・危険なウイルスのゲノム塩基配列が公開されているので、
人工で合成できる脅威
・3万年も冬眠していたウイルスが増殖を始めた事例から、
地球温暖化で溶けた凍土層から太古のウイルスがヒトへ病気を起こす脅威
・ヒトの中に住み着いているウイルスの脅威
我々が気づかずに静かに感染し,潜伏しているウイルスの脅威
ヘルペス・ウイルス、リンパ腫ウイルス(最初に発見されたヒトの癌ウィルス)
・・・
・ウイルスの宿主を渡り歩く生存戦略の脅威
H5N1:カモ→アヒル→ニワトリ→ヒト
ヒトは、ウイルスに囲まれ、ウイルスと共に生きる選択肢しか無いことを
理解しました。
~ウイルスが宇宙から来たら(恐)、小谷野でした~