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- 代表 小谷野幹雄のブログ
- 和紙の技術~伝統・営利・承継~
小谷野です。
埼玉県小川町で重要文化財である細川紙作りに挑戦しました。
紙をすくだけでなく、原材料の準備から行う貴重な経験でした。
和紙は日本の重要無形文化財として、細川紙(埼玉県)、石州半紙(島根県)、
本美濃紙(岐阜県)が指定されています。
また今4月、国は「和紙技術」をユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録申請しました。
(石州半紙は単独でユネスコ登録済み)
和紙の材料は楮(こうぞ)、三椏(みつまた-お札の原料)、雁皮(がんぴ)、
ねりとしてトロロアオイをつかいます。
本来真冬に冷たい川や水槽の中で行う材料準備は、相当な忍耐が必要な作業です。
ところで、埼玉伝統工芸協会の工房長のお話では、細川紙では幸運にも若手後継者が見つかりましたが、
全国的には後継者探しが大きな課題だそうです。
工房長の言葉で印象的だったのは、「後継者に、ちゃんとお嫁さんがもらえるようにしなくてはならない」
との言葉でした。
言い換えると、利益を出せる経済活動にしないと、価値ある伝統技術とはいえ承継は困難だということです。
和紙は一般大衆が日常的に購入するモノでは無く、寺院や芸術家、
他の伝統芸能の世界で消費されるという特殊性があります。
和紙をつかった大衆向け製品(照明器具、建設資材など)の開発に
力をいれていく必要があるそうです。
利益が出ていない親父の会社は、なかなか子供が継いでくれないのと似ていますね。
~ 伝統技術を営利事業に 小谷野でした ~