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- 命のビザ~人として当たり前の事~
小谷野です。
長年、訪問したい場所がありました。
バルト三国の一つリトアニア共和国のカウナスという街です。
今年ようやく訪れる機会に恵まれました。
第二次世界大戦中、この日本領事館で杉原千畝さんが、
ナチスから虐殺されそうになった多くのユダヤ人の命を救った場所です。
命のビザを、領事館が閉鎖された後は宿泊ホテルで、
出発の電車が発車しても車内で、手が擦りきれるまで書き続け
6000人の命を救いました。
世界的に有名なシンドラーの救った命の数よりも多いといわれます。
その時代、ナチスの虐殺からリトアニアへ逃れてきたユダヤ難民は、
出国のためのビザを求めていました。
シベリア鉄道経由での脱出には、その先の日本のビザが必要だったのです。
映画では唐沢寿明さん主演の『杉原千畝』、TVドラマとしては、
反町隆史さん主演の『日本のシンドラー杉原千畝物語・
六千人の命のビザ』が放映されました。
当時、ユダヤ人への人道的なビザの発給に対しては、
日本国政府の許可が下りませんでした。
しかし杉原千畝さんは、独断でビザを発給し続けました。
本国の命令に従わなかった杉原さんは、帰国後冷遇、退職勧告、
外務省名簿記録からも抹消され、命を救われたユダヤの人達が探すのに
苦労したと言われています。
命のビザ発給行為から50年以上後の2000年になって
日本政府による公式の名誉回復が行われました。
杉原千畝さんの言葉です。
・外交官としては間違っていたかもしれない。
・自分を頼ってきた何千人も見殺しにはできなかった。
・人として当たり前のことをしただけである。
千畝さんは外交官である前に一人の人間でした。
人の命以上に尊いモノはないという強い倫理観が、
命のビザ発給へと彼を動かしました。
現代の経営現場でも、組織の常識が世間の倫理とズレて起きる企業不祥事が
続いています。
個人の持つ倫理観は組織の中でも不変でいたいものです。
~ 夜の街徘徊は家庭倫理違反?、小谷野でした ~