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- 旦那になればお城めぐり?~七月歌舞伎~
小谷野です。
七月歌舞伎に行ってきました。
幕末から明治にかけて活躍した三遊亭円朝の代表作である、怪談話「牡丹灯籠」を観劇しました。
円朝は噺家としてだけでなく、新作落語の創作者としても突出した才能の持ち主でした。
貧しい「伴蔵」は、使えた主人の命と引き替えに幽霊からせしめた100両で始めた商売が繁盛しましたが、酌婦(若い女)にうつつをぬかし、天罰が下るというお話です。
人間国宝である坂東玉三郎が演じる伴蔵の古女房「お峰」に、観衆は沢山の笑いと涙をもらいました。
玉三郎の演技は、あまりにもオリジナルで完成度が高いので、セリフや言い回しを他の役者が真似ても、同じ舞台にはならないでしょう。
先週、片岡仁左衛門が人間国宝に認定されましたが、こちらも属人的能力の評価で当代限りというのが、芸の世界の面白さでしょう。
円朝を高座で演じる市川猿之助、伴蔵に市川中車(香川照之)、馬子に市川海老蔵という豪華メンバーでした。
ところで、伴蔵とお峰は貧乏時代は隠し事がなく、仲むつまじい夫婦でしたが、事業が成功しだすと、男は旦那と呼ばれて若い女のいる店に通いつめます。
現代においても、「お城」めぐりが好きな旦那衆はいらっしゃいます。
「姫路城、彦根城、・・・クラブ嬢、キャバクラ嬢、○○嬢・・」(本年2015年2月、膵臓癌で逝去した坂東三津五郎に対する尾上菊五郎の弔辞より)