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- オーバーエクステンション戦略のすすめ ~背伸びをしない日本企業~
小谷野です。
伊丹敬之一橋大学名誉教授の『経営は無理をせよ、無茶はするな』(日本経済新聞出版2025.2)を読みました。
日本企業の経営は背伸びをすることが減少してしまった。
「新しい企てに乗り出す背伸び戦略」、すなわち自社の能力基盤に弱いところがあることを承知の上で、あえて新市場や新しいビジネスシステムに乗り出す戦略が必要であり、どのような企業でも成長の転機には、オーバーエクステンション(背伸び)があった。
その論理と進め方を解説した内容になっています。
トヨタのハイブリッドエンジン開発、アマゾンのECとクラウドサービス、ヤマトの運送システム等々、オーバーエクステンションがある時の共通点は以下の通り。
・到達点に大きな夢がある。
・その時の組織の能力基盤をかなり超えた挑戦であった。
・様々な困難な新しい仕事を現場が始めざるを得ない。
・当初は組織内でそれほど支持されていない。
・途中でさまざまな想定外の困難に遭遇する。
<オーバーエクステンションが成功する3つの論理>
「夢」「緊張」「覚悟」
1.夢からのエネルギー供給の論理
2.緊張からの現場学習の論理
3.覚悟からの意識集中の論理(低い支持、反対の中で乗り出す)
<オーバーエクステンションの3つの論理を動かすための4段階プロセスマネジメント>
1.助走のマネジメント(ジャンプ台の準備)
2.踏み切りのマネジメント(継続の納得性)
3.学習のマネジメント(現場学習の気配り)
4.やり切るためのマネジメント(継続の覚悟)
無理と無茶の境界線を怖がらず、時には無茶も必要と説く。
~出ない杭は腐る(*)、小谷野でした~
(*)積極的に行動しない人、意見を言わない人は、成長や発展の機会を逃してしまい、役に立たなくなることを表す。