今月の日経新聞朝刊「私の履歴書」は、
元サッカー日本代表監督の岡田武史さん。
面白くて明日で最終回なのが惜しいです。
その中で、横浜MでのJ1連覇など実績が積みあがるにつれ、
選手が指示を求め、監督が駒を動かすような関係が強まり、
結果的に成績も不振になったことが語られていました。
「私の履歴書」といえば、今から9年前の2016年9月の
担当は、ミスター牛丼こと安部修仁さんでした。
さ来月に開催予定の弊所イベントでご講演頂く予定です。
その連載の大きなエピソードとして、入社して数年後に、
会社が破綻し会社更生法を申請した際の話が紹介されます。
そのとき裁判所に選任され管財人となった
増岡弁護士と管財人代理の今井弁護士の二人なくして
吉野家再建はできなかっただろうと語られています。
安部さんが増岡弁護士から学んだ最大の財産として、
「周囲に惑わされず、自らの頭で考えて判断すること」
を挙げています。
「単品商売は限界だ」「店舗のデザインが時代遅れだ」と
マスコミに連日論評され、社内でも「カレーをやろう」
「店舗のデザインを変えましょう」との声が相次いだとか。
しかし、増岡氏はこうした意見を鵜呑みにせず、
1人の店長からの訴えをヒントに再建策を立てました。
「もう一度、おいしい牛丼を作らせて欲しい」
業績不振に至った要因を、売上至上主義の急速な出店と、
合理化で冷凍乾燥肉や粉末タレを使い味を落としたことだ、
と判断し、無謀な店舗展開を改め、品質向上に取り組んだそうです。
そして、7年後に債務を完済し、更正手続を終結させます。
このときの教訓は、同社の経営に脈々と受け継がれ、
その後のBSE危機を乗り越える力にもなったようです。
この物語を安部さんより直接聞いてみたい方は、
ぜひ12/2の弊所イベントへの参加をご検討ください。
