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持株会に税金はかかる?計算方法や、確定申告の必要性について解説

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持株会に税金はかかる?計算方法や、確定申告の必要性について解説

持株会とは、社員が会社の株式を積み立て方式で購入する制度です。持株会を利用すると、株価が上昇した際のキャピタルゲインや配当金を享受できるだけでなく、勤続意識やモチベーションの向上にも役立ちます。しかし、持株会で得られた利益には税金が課される可能性もあります。

この記事では、持株会に課される税金の計算方法や確定申告の必要性について解説します。税金の基礎知識を持っておき、自身の資産形成に役立ててください。

持株会とは何か?

持株会とは、企業が社員や従業員に対して自社株を購入する機会を提供する仕組みです。企業は社員の株式購入を促すために、奨励金などのインセンティブを提供することが多く見られます。

持株会の概要

「持株会」とは、社員が自社の株式を購入するための仕組みを運営するため、会社が設立する団体のことです。毎月一定額を社員の給与から天引きし、集めた資金を持株会が取りまとめて株式を購入します。

各社員の持ち分を管理し、配当金や株式売却時の利益分配を担当するのが持株会の仕事です。

持株会の仕組み

持株会の仕組みは、社員が毎月一定の拠出をする額を持株会が用いて株式を購入するというものです。購入された株式は持株会名義で保有されますが、社員ごとに持ち分が割り振られます。

配当金や株価上昇による利益は社員に還元され、企業は持株会参加者に対して奨励金を提供するケースもあり、それが持株会のメリットの一つとなっています。

参考記事:持株会は節税になる?持株会の仕組みや経営者視点でのメリットについて解説 

持株会に関連する税金の取り扱い

出向者給与 税務のイメージ

持株会に参加する際には、その利益に対していくつかの税金が発生する可能性があります。持株会に参加する上で知っておくべき、税金の具体的な取り扱いについて見ていきましょう。

奨励金にかかる税金

持株会に参加する際、企業が社員に提供する奨励金に対しては、「給与所得」として課税されます。奨励金は毎月の掛金に対して、一定の割合で企業が上乗せする形で支給されるのが一般的です。

奨励金は給与とみなされ、所得税と住民税が課されます。一般的には給与明細に奨励金を含めて処理されるケースが多いですが、年末調整や確定申告においても確認しておきましょう。

持株会の配当に関する税金

持株会で保有する株式から得られる配当金は「配当所得」として課税されます。基本的に配当に対する税率は、上場株式の場合は所得税15%と住民税5%が課せられます

ただし、総合課税として他の所得と合算して申告することも可能です。そのため総所得額が一定金額以下であれば税額が軽減されることがあります。また、所得税における配当控除の適用も受けられるため、節税対策として検討してみましょう。

株の売却益に関する税金

持株会で購入した株を売却する際、売却益は「譲渡所得」として課税されます。具体的には、株式の売却価額から取得価額と売却時の手数料を差し引いた額が課税対象です。

上場株式の場合、税率は一律で所得税15%と住民税5%が適用されますが、特定口座で源泉徴収ありの選択をしている場合は、確定申告を行わなくても自動的に税金が納付される仕組みになっています。

参考記事:株式投資にはどのような税金がかかる?節税方法や税制優遇措置についても解説

確定申告の必要性について

持株会に参加して得られる利益には、確定申告が必要となる場合と不要な場合があります。確定申告は、税金を適切に納付するためだけでなく、税金が還付される可能性もあるため、正しく理解し、対応することが重要です。ここでは、確定申告が必要な場合と不要な場合、そして確定申告をした方が得するケースについて詳しく説明します。

確定申告が必要な場合

確定申告が必要となる場合として、以下のケースが挙げられます。

まずは、持株会で得た配当金や売却益が年間20万円超以上の場合は確定申告が必要です。また、給与所得が2,000万円を超える高額所得者や、副業で20万円超以上の所得がある場合も確定申告が必要とされています。

さらに、特定口座を使用していない場合や、源泉徴収ありの特定口座を選択していない場合も、自ら確定申告を行い所得を申告しなければなりません。

確定申告が不要な場合

持株会関連の利益が年間20万円以下の場合や、特定口座で源泉徴収ありを選択している場合、確定申告は不要となります。特定口座で源泉徴収ありを選ぶと、証券会社が自動的に税金を計算し納付まで行ってくれるためです。

一般の給与所得者で、副業など他に大きな所得がない場合は、確定申告をせずとも税金が適正に処理される仕組みになっています。

参考記事:株式売却の確定申告はいくらから?申告方法は?

確定申告をした方が得するケース

確定申告を行うことで、税金が還付される場合も存在します。例えば、医療費控除や住宅ローン控除、配偶者控除などを適用するケースです。

また、持株会の配当金について総合課税を選択することで、配当控除が適用され、税金が減額される可能性があります。さらに別の投資で損失が発生している場合は、損益通算を行うことで税負担を軽減できる場合もあります。

持株会のメリット

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持株会には多くのメリットがあります。企業や社員・従業員にとっての具体的なメリットを見ていきましょう。

個人の負担を軽減できる

企業が一定の割合で奨励金を上乗せすることによって、社員としては少ない初期投資で持株を増やせることがメリットです

また、株式の所有により、配当金や株価上昇によるキャピタルゲインを享受できる点も大きな魅力です。

税制上の優遇措置が適用されるチャンスがある

持株会を通じて得られる利益には税制上の優遇措置が適用される場合があり、節税効果が期待できます。

特定口座を利用することで、確定申告の手間を省くことが可能であり、税金の自動計算と納付が行われるため、手続きも簡単になるでしょう。

資産形成の手段にもなる

持株会は長期的な資産形成の手段としても優れており、時間をかけて資産を増やせる点もメリットです。市場の動向にもよりますが、株価が上昇することで大きな利益を得る可能性があります。将来的な資産形成や老後の生活資金を確保する手段としても有効です。

持株会のデメリットと注意点

持株会にはいくつかのデメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのか、注意すべき点について解説していきます。

リスク分散が難しい

持株会のデメリットは、リスク分散が困難になる点です。持株会を通じて得る株式は、勤務先企業のものであるため、企業の業績に強く依存します。もし企業の業績が悪化すれば、株価が下落し、損失を被る可能性があるでしょう。

自身の資産が特定の企業に集中してしまい、リスクを分散させられないという点を意識しましょう。

一定期間売却できない時期がある

持株会の株式は一度購入すると、一定期間売却できません。つまり必要なタイミングで資金を取り出せない可能性があります。特に、企業が定める保有期間や退職時の制約があるため、投資した資産の流動性に制約が感じられるでしょう。

手数料がかかる場合がある

持株会には手数料が発生することがあります。購入時の手数料や保管管理手数料など、思いのほかコストがかかる可能性もあります。また様々な手数料が積み重なることで、最終的な利益が削られることもあります。

インサイダー取引の規制対象に該当する場合がある

社員としての内部情報に接する機会が増えることで、インサイダー取引規制の対象となる可能性に注意しましょう。インサイダー情報を利用して株式の取引を行うことは法律で禁止されています。法的なリスクを避けるためにも、適切な情報の取り扱いと取引のタイミングには注意が必要です。

持株会の特徴を理解して上手く活用しよう

持株会は、社員にとって魅力的な投資手段であり、企業の業績向上にも貢献する一方、税金関連の取り扱いやリスク管理が重要です。奨励金や配当金、株価上昇の恩恵を受けられるのが社員にとってのメリットですが、リスク分散が困難になることやインサイダー取引規制のリスクなどもはらんでいます。

持株会に関連する税金の取り扱いについても、奨励金や配当金、売却益に対して適切な手続きを行い、必要に応じて確定申告を行わなくてはなりません。

持株会による確定申告が必要になる方は、一度税理士に相談をすることをおすすめします。税理士からは優遇措置や控除など、節税に繋がるさまざまなアドバイスをもらうことができます。

持株会による節税対策や確定申告は、ぜひ「小谷野税理士法人」にお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者
池田 大吾小谷野税理士法人
カルフォルニア大学アーバイン校卒業、大手生命保険会社勤務を経て2007年小谷野税理士法人に入社。
会計、税務、経理実務の支援業務から各種補助金の相談・申請業務、企業及び個人のリスクマネジメントのコンサルタント業務を行う。
銀行はじめ多くの金融機関、会計・税務・財務業界に多くの人脈を持ち、企業財務のマルチアドバイザーとして活躍。
税理士「今野 靖丈」

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