先週の日曜日にぷらぷら散歩していました。
前方には、おばあちゃんが杖を突いて歩いていました。
おばあちゃんは、家に近づいたらしく、ポケットから
「家の鍵」らしきものを取り出しました。
その時、ポケットの中から偶然にも、鍵につられてお金が
滑り落ちました。地面に寂しく音を立てて落ちたのです。
しかし、不思議なもので、おばあちゃんだけではなく、
周りの人達も誰も気づきませんでした。物静かな道でした。
50円玉が1つでした。
私はその落ちたお金をじっと見ていました。
誰にも拾われる事無く、忘れ去られたお金でしたが、
黒いアスファルトの上でずっとキラキラ光っていました。
おばあちゃんは、奥の方へ行ってしまっていました。
私はつい、その50円玉を握り、おばあちゃんを走って
追い掛けてしまいました。
「ありがとうございます。」 おばあちゃんはゆっくりと笑顔で
お辞儀をしてくれました。
私は恥ずかしかったので、素っ気無い態度でそそくさと
その場を立ち去りました。
その時、天気がすごく晴れている事に気が付きました。