- HOME
- 代表 小谷野幹雄のブログ
- モノの動きのパラダイムシフト~フリマサイトが急成長~
小谷野です。
邦画として21年ぶりにカンヌ映画祭最高賞パルムドールを受賞した是枝監督の「万引き家族」が、
今週末封切りされます(祝)。
ところで、小売業の経営者の方が、昨今万引きが増えて困っていると言っています。
店舗内の警備員の数を増やしたり、従業員不正の牽制のためにバックヤードにも
多くの防犯カメラを設置したりと、コスト上昇をぼやいていました。
その根拠は、商品(棚卸資産)ロス率の上昇のようです。
少し堅い話ですが、商品ロス率は
(1)外部ロス(2)内部ロス(3)管理ロスに分けられます。
(1)外部ロスは、店舗に来た顧客の万引きです。
(2)は従業員や業者の万引きです。
(3)管理ロスは管理上のミスで商品の数え間違いや、レジの打ち間違いのロスです。
この数年でロス率1%台から4%台まで上がっている小売の会社もあり、
紛失した商品は、市場で流通量の多い「定番商品」または「人気商品」に
偏っているので、上記(1)(2)が疑われているようです。
この「商品ロス」は、「値引き」や「商品評価損」などとは比較にならない損失を
会社に与えます。
ロスは値引き100%ですから、利益率が20%の商品なら5個売った利益が
1個のロスでなくなります。
この背景には流通の大きな変化が指摘されています。
フリマサイトの成長で、個人が誰でも「モノ」を簡単に(高く)売れるようになりました。
従来、一般人が物を売るには、まずは知人友人に声をかけ、リサイクルショップ、
バッタ屋で換金していましたから、足下を見られて安く買い叩かれることも多かったそうです。
最近のフリマサイトによる個人の販売力は、リサイクル業界にも大きな影響が出ており、
モノの動きのパラダイムシフト(個人から個人)が始まっているようです。