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- e-Justice~エストニア訪問記[2]~
小谷野です。
裁判は、決着までの時間が長く諸費用も高いとよく言われます。
特に民事訴訟や税務訴訟の場合、裁判所にわざわざ出向いても、
提出資料の確認と次回の弁論期日(刑事事件では公判と呼ぶ)調整を行うのみで
意見のやりとりは皆無です。
10分もかからず終わってしまいます。
この僅か10分のために忙しい弁護士、裁判官、当事者の日程調整をして集まっていることに
疑問を感じます。
また、刑事ドラマのような弁護士が原告、被告、証人に雄弁に口頭で切り込む場面はなく、
前述の10分以内の資料確認と日程調整を繰り返し1年程度で判決となります。
電子政府先進国といわれるエストニアでは、e-Justiceを推進していました。
電子裁判といっても裁判をインターネットでやるわけではありません。
裁判公開の大原則を守り、e-Fileシステムによる答弁書、
意見書(準備書面)、証拠書類などの資料をタイムリーにネット上で提出(アップ)し、
迅速な裁判を推進しているのです。
進行中の裁判情報へのアクセスも可能であり、
傍聴券の抽選を行う日本より裁判公開の原則はある意味守られています。
一方、犯罪行為に関わる刑事裁判では、その事件に関する証拠(映像など)を
持っていれば裁判所に誰でも提出(アップ)できます。
犯罪者はよく、「自分はやっていない」と主張しますが、
犯罪の動かぬ証拠が広く一般の第三者から提出されることによって
刑事事件の判決までの期間が3分の1と劇的に短くなったそうです。
~ 我が国はIT周回遅れの感、小谷野でした ~