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- 佐々木正さん逝く~技術のイノベーター~
小谷野です。
先週、元シャープの副社長佐々木正さんが享年102歳で逝去されました。
世界の先端技術の製品化にどれだけの貢献をされたか計り知れません。
私は、佐々木さんと船井情報科学振興財団(*)の役員として10年以上ご一緒させて頂きました。
90歳を超えられても、AI・ロボット・IoTなどの技術的な見識は常に先端であり誰もが脱帽でした。
佐々木さんは、ロケット・ササキと内外で呼ばれました。
集積回路、液晶、太陽電池など新しい技術を先駆けて製品化していくスピードが
ロケットのようだったからです。
アップルの創業者ジョブズ氏も行き詰まったときに佐々木さんのもとにアイデアを求めて
来日していたり、ソフトバンクは佐々木さんがいなかったら存在しない会社であると
孫正義氏が全社員の前で公言しています。
孫さんのバークレー大学時代、帰国後の起業に際しても、
かけがいのない助言者であったようです。
個人的な回想ですが、1970年代のシャープとカシオを中心とした電卓戦争が
昨日のように思い出されます。
当時、計算機は重さが何十kgもあり、価格も大企業しか買えないほど高価でした。
しかしある時、安くて乾電池で動く小さな電卓が登場し、
「答一発、イチニッパ!(1万2800円の意味 1972年)」というテレビCMや看板を
街中で見かけるようになりました。
当時私は小学校4年生で、地元の市のソロバン大会(全年齢対象)で2位となりましたが、
マセガキはこの看板を見て、その年にソロバン塾を辞めてしまいました。
誤解のないように申し上げますが、ソロバンは集中力を高めたり、
計算を視覚でとらえる右脳の鍛錬であったり、暗算能力の向上に重要な習い事です。
この電卓戦争でシャープは液晶という難しい技術を大衆化しましたが、
その陣頭指揮を執っていたのが佐々木さんでした。
(*)船井情報科学振興財団は、海外の大学院でph.D.を取得するための留学費用の支援を行っている
公益財団です。
http://www.funaifoundation.jp/index.html