代表 小谷野幹雄のブログ

2021年02月12日記憶・集中力が低下  ~スマホ脳~

小谷野です。

 

先週は、電子メールに秒速回答する仕事の非効率の話を書きましたら、読者の方々から様々な情報を頂きました。

①電話の取り次ぎ禁止

②電子メールの禁止

③声がけ禁止 による「集中タイム」「がむしゃタイム」「がんばるタイム」などといわれる時間を午前午後に

設けている企業や、仕事の集中力を細切れにするチャット弊害への対応としてルーム及びmention制限など、

既にいろいろなことが進んでいるようです。

 

今週は、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の『スマホ脳』(新潮新書2020.11.20発行)からです。

 

「最新のドラッグ?」

 米国の調査会社によると、1日にスマホの画面へのタッチ回数は平均2617回、ヘビーユーザーで5427回だそうです。

10分に1度以上スマホを手に取るそうです。

この依存症を引き起こすのがドーパミンです。人間は常に新しい情報を求める本能が有り、スマホの画面をめくる毎に

報酬物質であるドーパミンが放出されるそうです。

 その結果、依存症状が強くなる最新ドラッグであり、アルコールと同じ依存症を発症するスマホは、10代への規制の検討が必要と提言されています。

 

「バカになっていく子供達」

 ショッキングな章のタイトルです。

紙の本を読ませた子供、タブレットで読ませた子供の記憶比較研究では、明らかにタブレットの子供の方が覚えて

いないそうです。そのほか、

①教室にスマホを持ち込むとノートを取らず成績が悪くなる

②学園内でのスマホ禁止をした学校では成績格差が縮まった

③成績優秀者にはスマホはプラスに働く 

など、様々な実験が行われているようです。 IT企業のトップはスマホを子供に与えない話は有名です。

 ジョブスはiPadをはじめデジタル機器の使用制限を子供達に設け、ビルゲイツは子供に14歳までスマホを

持たせなかった。子供に有害である事を充分に承知していたようです。

 

SNSを使うほど孤独に」

 SNSは便利な道具ですが、アメリカでの調査では、SNSを熱心に使っている人の方が孤独を感じ、リアル(現実)に人と会うほど幸福感は増すそうです。

 自己検閲が難しい自己主張を繰り返し、人と様々な比較にさらされおきるデジタル嫉妬、自信喪失など、便利な機能と

裏腹に、マイナスの影響も明らかになっているそうです。

 

「集中力を奪う」

 スマホは人間の注意を引きつけることに、「ものすごい」威力があります。スマホが近くにあるだけで、

認知能力の容量が減るという実験結果もあるようです。

 教室外にスマホを置いた学生と、サイレントモードにしてポケットにしまった学生の集中力の差も、

パソコン試験を通じて結果が明確に出ているそうです。

 

「デジタル健忘」

 私も経験があります。グーグル病などともいいますが、デジタル上の別の場所に保存されているから、

ググればよいので脳が自分では覚えようとしない現象です。情報をその人の個人的体験と融合させ、

私たちが「知識」と呼ぶものを構築するのに、脳には素材がない状態になります。

 

「周囲への無関心」

 誰かと食事中でも、スマホは魅力的すぎて、周囲への関心が薄くなります。

私も過去、顧客との食事で、スマホをテーブルに置いたときに、

「その下品な物は、しまってくれ」と言われた苦い経験があります。

 

<ハンセン教授の提言>

 デジタル時代のアドバイス

 ・スマホの使用時間を自分で知る

 ・スマホの電源オフにする時間帯を毎日設ける

 ・通知はすべてオフにする

 ・スマホの表示をモノクロに(ドーパミン放出量が少ないそうです)

職場では、

 ・集中力をなくすスマホは別の部屋に置く

 ・チャット・メールは時間を決める

人と会っているとき

 ・スマホは遠ざけ、会っている人に集中

睡眠のため

 ・寝る前は仕事のメールを見ない

 ・スマホを寝室に置かない

 

~ゴルフ脳、小谷野でした~

 

 

 

 

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