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- 記憶・集中力が低下 ~スマホ脳~
小谷野です。
先週は、電子メールに秒速回答する仕事の非効率の話を書きましたら、読者の方々から様々な情報を頂きました。
①電話の取り次ぎ禁止
②電子メールの禁止
③声がけ禁止 による「集中タイム」「がむしゃタイム」「がんばるタイム」などといわれる時間を午前午後に
設けている企業や、仕事の集中力を細切れにするチャット弊害への対応としてルーム及びmention制限など、
既にいろいろなことが進んでいるようです。
今週は、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の『スマホ脳』(新潮新書2020.11.20発行)からです。
「最新のドラッグ?」
米国の調査会社によると、1日にスマホの画面へのタッチ回数は平均2617回、ヘビーユーザーで5427回だそうです。
10分に1度以上スマホを手に取るそうです。
この依存症を引き起こすのがドーパミンです。人間は常に新しい情報を求める本能が有り、スマホの画面をめくる毎に
報酬物質であるドーパミンが放出されるそうです。
その結果、依存症状が強くなる最新ドラッグであり、アルコールと同じ依存症を発症するスマホは、10代への規制の検討が必要と提言されています。
「バカになっていく子供達」
ショッキングな章のタイトルです。
紙の本を読ませた子供、タブレットで読ませた子供の記憶比較研究では、明らかにタブレットの子供の方が覚えて
いないそうです。そのほか、
①教室にスマホを持ち込むとノートを取らず成績が悪くなる
②学園内でのスマホ禁止をした学校では成績格差が縮まった
③成績優秀者にはスマホはプラスに働く
など、様々な実験が行われているようです。 IT企業のトップはスマホを子供に与えない話は有名です。
ジョブスはiPadをはじめデジタル機器の使用制限を子供達に設け、ビルゲイツは子供に14歳までスマホを
持たせなかった。子供に有害である事を充分に承知していたようです。
「SNSを使うほど孤独に」
SNSは便利な道具ですが、アメリカでの調査では、SNSを熱心に使っている人の方が孤独を感じ、リアル(現実)に人と会うほど幸福感は増すそうです。
自己検閲が難しい自己主張を繰り返し、人と様々な比較にさらされおきるデジタル嫉妬、自信喪失など、便利な機能と
裏腹に、マイナスの影響も明らかになっているそうです。
「集中力を奪う」
スマホは人間の注意を引きつけることに、「ものすごい」威力があります。スマホが近くにあるだけで、
認知能力の容量が減るという実験結果もあるようです。
教室外にスマホを置いた学生と、サイレントモードにしてポケットにしまった学生の集中力の差も、
パソコン試験を通じて結果が明確に出ているそうです。
「デジタル健忘」
私も経験があります。グーグル病などともいいますが、デジタル上の別の場所に保存されているから、
ググればよいので脳が自分では覚えようとしない現象です。情報をその人の個人的体験と融合させ、
私たちが「知識」と呼ぶものを構築するのに、脳には素材がない状態になります。
「周囲への無関心」
誰かと食事中でも、スマホは魅力的すぎて、周囲への関心が薄くなります。
私も過去、顧客との食事で、スマホをテーブルに置いたときに、
「その下品な物は、しまってくれ」と言われた苦い経験があります。
<ハンセン教授の提言>
デジタル時代のアドバイス
・スマホの使用時間を自分で知る
・スマホの電源オフにする時間帯を毎日設ける
・通知はすべてオフにする
・スマホの表示をモノクロに(ドーパミン放出量が少ないそうです)
職場では、
・集中力をなくすスマホは別の部屋に置く
・チャット・メールは時間を決める
人と会っているとき
・スマホは遠ざけ、会っている人に集中
睡眠のため
・寝る前は仕事のメールを見ない
・スマホを寝室に置かない
~ゴルフ脳、小谷野でした~