会計・税務の知識

2020年08月06日 発行ダイレクト納付について

はじめに

インターネットを通じた納税制度として電子納税があります(4/2発行 電子納税の手続き参照 https://www.koyano-cpa.gr.jp/archives/knowledge/9294 )が、今回は電子納税の一つであるダイレクト納付についてご紹介致します。

 

 

1.制度の概要

(1)「ダイレクト納付」とは

 

e-Tax(国税電子申告・納税システム)により申告書等を提出した後、納税者名義の預貯金口座から、即時又は指定した期日に、口座引落しにより国税を電子納付する手続です。

 

地方税についても共通納税システムを利用し、ダイレクト納付を行うことが可能ですが、今回は国税のダイレクト納付について記載します。

 

(出典:国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/index.htm )

 

ダイレクト納付の利用により、自宅等に居ながら納付手続が可能となることから、金融機関の窓口まで出向かなければならない、あるいは窓口が開いている時間しか納付できないなどの場所・時間的な制約がなくなるというメリットがあります。

 

 

(2)利用開始に必要な手続

 

利用に当たっては、事前に税務署へe-Taxの利用開始手続を行った上、ダイレクト納付利用届出書を提出する必要があります。

 

当該届出書はダイレクト納付を利用する日のおおむね1ヶ月前までに所轄税務署へ書面で提出する必要があります。

 

 

(3)利用可能な税金の種類

 

全ての税目で利用可能です。ただし、納付手続方法によりご利用できない税目があります。詳しくは、e-Taxホームページをご確認ください。

 

 

2.ダイレクト納付を利用するうえでの留意点

 

(1)ダイレクト納付を行う場合、具体的には「申告等データ」または「納付情報データ」を作成し、e-Taxソフトを利用してこれを送信後、納付を行います。ここでは詳細な説明は割愛しますが、e-Taxソフト利用中すぐに納付を行うか、納付日を指定して納付を行うかのいずれかを選択し、納付手続きを行います。

 

e-Taxソフト利用中すぐに納付を行う場合、即時に届出をした預貯金口座から振替が行われ、納付が完了します。

 

納付日を指定して納付を行う場合、引落し日を入力し、指定した期日に振替が行われ、納付が完了します。ここで納付日を指定した場合、指定日の朝に引き落としが行われるため、納税資金は前日までに届出等をした預貯金口座に準備する必要があり、準備が間に合わない場合、残高不足で納付完了とならないことがある点に留意が必要です。

 

また、指定した日の前日までに預貯金口座に準備した場合でも、指定した日に残高不足が発生する場合などの理由によりダイレクト納付が完了しない場合があります。

 

なお、ダイレクト納付が完了しない場合にはダイレクト納付エラー通知がe-Tax内のメッセージボックスに格納されるため、こちらで状況を確認することが可能です。

 

 

(2)ダイレクト納付には、顧問税理士等が納税者に代わって納付手続を行うことができるため、納税者から顧問税理士等へ手続きを依頼されるケースが想定されます。しかし、残高不足により納付が完了しない場合には、様々なトラブルが生ずる可能性が考えられるため、ダイレクト納付の仕組を理解した上で利用する必要があると考えられます。

 

なお、ダイレクト納付の届出を行った後でも、納付書により納付することが可能です。

 

 

おわりに

ダイレクト納付は、納税について場所・時間的な制約が解消されるというメリットがありますが、留意すべき点もあるため、利用にあたっては制度の理解が必要です。

(担当:近野)

 

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