会計・税務の知識

2018年02月22日 発行法人に成ってみる?

はじめに

皆さんは「会社」と言うとどのようなものを思い浮かべますか?

都会のオフィスビル・・・海沿いの工場・・お隣の○○さんの家・・・

ん?隣の家?あれ会社なの?個人事業主じゃなかったんだ!○○さんなんで会社にしたんだろう?

というわけで、今回は主に税金面から法人成りのメリットとデメリットを解説します。

 

 

1.法人成りとは

個人事業主が法人を設立し、事業をその設立した法人に移行することをいいます。

 

 

2. 法人成りのメリット

①給与所得控除

個人事業では、家族従業員への給与については専従者給与として認められる部分のみとなり、

しかもその者に対する経営者の配偶者控除及び扶養控除は認められません。

一方、法人の場合は家族従業員と経営者本人に対する給与についても一部、

又は全額損金として算入する事が可能となります。

また、その家族従業員の給与が103万円以下であれば経営者の配偶者控除及び

扶養控除の対象とすることができます。

 

 

②消費税

原則として、設立開始から2年間は基準期間がありませんので、消費税の免税事業者として

消費税を納める義務が免除されます。

但し、期首資本金の額が1,000万円を超える場合、

または設立2期目において特定期間(前事業年度の開始の日以後6か月の期間)における課税売上高が

1,000万円を超える場合、他納税義務の免除の特例に該当する場合は除きます。

 

 

③欠損金の控除期間

個人事業の場合、欠損金の繰越しは3年が限度ですが、法人の場合、

9年まで繰越しが可能(平成30年4月1日以後開始する事業年度の場合は10年)で、

欠損金を相殺できる可能性が高まります。

 

 

④退職金

個人事業の場合、経営者は勿論のこと、家族従業員に対する退職金の支払いは

必要経費として認められませんが、法人の場合は一定の金額であれば損金に算入することが可能です。

さらに、退職金に課される所得税は退職金のもつ性質上、給与所得よりも有利な税制となっています。

 

3. 法人成りのデメリット

①交際費

個人事業主の場合、業務の遂行上必要であればその全額を必要経費にすることができますが、

法人では損金に算入できる金額の上限が定められています。

※資本金が1億円以下であれば年間800万円までの損金算入が可能です!

 

 

②貸倒引当金

個人事業主は事業遂行上生じた金銭債権について、一定限度額まで必要経費とすることができますが、

法人の場合は一定の中小法人にのみ適用可能となっています。

 

 

③社会保険料

個人事業主の場合、従業員が5人未満であれば社会保険の加入は任意となりますが、

法人の場合は仮に従業員が代表者一人であっても強制加入となり、保険料の負担が発生します。

 

 

④住民税(均等割等)の負担

個人事業主の場合、赤字になれば所得税、住民税、事業税の負担は数千円以内で済みますが、

法人の場合、赤字決算となっても住民税の均等割が発生し、最低でも年間7万円程度負担する必要があります。

また、資本金が1億円を超える法人の場合は事業税の外形標準課税の支払いも発生します。

 

 

おわりに

法人化の際にはメリットとデメリットを総合的に判断する必要がありそうですね。

個人事業主の方で法人成りをご検討中の方、

是非お気軽に弊事務所までご相談ください!(担当:菅原)

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