はじめに
日本の所得税は最高税率で45%となっており、住民税や社会保障にかかる費用を加味して考えた場合に世界的にも税金が高い国であると評価されることが多いようです。
そこで今回は、以前『世界の消費税比較』において消費税の高い国としてご紹介したスウェーデンと日本の税金について、社会保障や生活について比較・検証していきたいと思います。
1.消費税比較
世界の消費税比較
H26.1[世界の消費税比較]メルマガより抜粋
日本の消費税増税にあわせてご紹介した「世界の消費税比較」では、スウェーデンはデンマークに並ぶ消費税25%で、北欧は全般的に消費税が高いことをお伝えしています。スウェーデンは加工品にたいする課税が25%なのにたいして食料品や衣料品などの日用品については約半額の12%、新聞や書籍など文化的なものについては6%という軽減税率を実施しています。
2.所得税比較
スウェーデンの所得税率も日本と同様に累進課税を採用しており、日本円に換算した場合の税率は以下の通りです。
スウェーデンの所得税率
参考[http://fukushi-sweden.net/mini/2009/skatt0909.html]をもとに筆者作成
※所得の内容によって異なるため、一部をまとめています
日本の所得税率
参考[https://www.mof.go.jp/index.htm]をもとに筆者作成
所得税だけで比較してみると、日本に比べてスウェーデンのほうが少ない年収から最高税率となり、税額が高いことがよくわかります。
3.スウェーデンの社会保障
スウェーデンでは20歳未満と85歳以上の医療費が全額無料です。また学費については日本でいう幼稚園から大学までがすべて無料となっています。高い税収を養育や教育の支援に充てているため、住宅手当や子供手当も充実しています。
また、就業支援も充実しており、長期失業者や育児休暇者が再就職するためのプログラムを国が運営しています。
おわりに
スウェーデンの税金と社会保障についてこれまで紹介してきましたが、実際に国民にどれだけ負担がかかっているかというのは住んでみないとわからない部分もあります。「住めば都」とはよく言ったものですが、国連が毎年行っている「幸福な国ランキング//2017年」ではスウェーデンは9位、同じく社会保障に手厚い北欧のノルウェー(2位)やデンマーク(3位)には惜しくも及んでいません。
しかしながら、少なくとも同ランキングで54位の日本よりは生活もしやすいのではないか、と思ってしまうのは筆者だけではないのではないでしょうか。
参考[http://worldhappiness.report/] (担当:岩崎)