はじめに
肩身が狭い思いをしている喫煙者は多くいらっしゃるかと思います。
そこで、副流煙や臭いが大幅に低減されることもあり、
近年加熱式たばこの販売数量が急増しています。
しかし、紙巻きたばことの間には大きな税率格差が存在します。
そこで今回は、紙巻たばこの販売数量減少による税収減および紙巻と
加熱式たばこの税負担格差の是正のため平成30年に改正された、
たばこ税の見直しについてまとめました。
1.たばこ税の税率の見直し
高齢化の進展による社会保障関係費の増加等によって、
国・地方の厳しい財政事情にあることを踏まえて、
財政物資として基本的性格を有するたばこに対し、国及び地方のたばこ税の税率を
1本あたり3円(1箱あたり60円)引き上げます。
ただし、消費者・葉たばこ農家・小売店等への影響に配慮し、3回に分けて段階的に実施されます。
【紙巻たばこ1箱あたりのたばこ税率】
国・地方・特別税合計 | ||
改正前 | 244.88円/箱 | |
改正後 | 2018年10月1日 | 264.88円/箱 |
2020年10月1日 | 284.88円/箱 | |
2021年10月1日 | 304.88円/箱 |
2.加熱式たばこの課税方式の見直し
近年急速に市場が拡大している加熱式たばこについて、加熱式たばこの課税区分が新設され、
製品の特性を踏まえた課税方式への見直しが5回に分けて段階的に実施されます。
改正前 | 改正前の換算本数×1.0 | |
改正後 | 2018年10月1日 | 改正前の換算本数×0.8
+改正後の換算本数×0.2 |
2019年10月1日 | 改正前の換算本数×0.6
+改正後の換算本数×0.4 |
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2020年10月1日 | 改正前の換算本数×0.4
+改正後の換算本数×0.6 |
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2021年10月1日 | 改正前の換算本数×0.2
+改正後の換算本数×0.8 |
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2022年10月1日 | 改正後の換算本数×1.0 |
結果、I製品約80~100円/箱、G製品約120~140円/箱、P製品約175~195円/箱程度、増税される予定です。
3.加熱式たばこの新課税方式
改正前の加熱式たばこは「パイプたばこ」の課税区分に分類されます。直接加熱方式(I製品・G製品)の場合には巻紙・フィルター等・葉たばこ・溶液を製造たばこ、間接加熱方式(P製品)の場合にはフィルター等・葉たばこを製造たばことし、製品重量1gを紙巻たばこ1本に換算し、紙巻たばこの税率が適用されています。
改正後には、「パイプたばこ」から新課税方式「加熱式たばこ」の課税区分が新設されます。巻紙・フィルター等の重さは含まれません。小売価格については、紙巻たばこ1本当たりの平均価格で紙巻たばこの本数に換算します。
おわりに
今回のたばこ税率の改正により、10月より値上げの発表をしている商品もあります。電子たばこ市場への影響が大きいため、新しい商品が開発されることも考えられます。(担当:佐藤裕)