会計・税務の知識

2025年05月01日 発行定額減税が控除しきれなかった場合

はじめに

 

令和6年度税制改正に伴い、デフレ完全脱却のための総合経済対策における物価高への支援の一環として、納税者および同一生計配偶者または扶養親族1人につき、4万円(令和6年分の所得税から3万円・令和6年度分の個人住民税所得割から1万円)の 「定額減税」が実行されました。

本稿では、令和7年以降「定額減税しきれないと見込まれる方」に対して支給される「調整給付金」についてご説明します。

 

 

 

1.そもそも定額減税とは

 

定額減税とは、納税者やその扶養親族などの人数により算出される定額減税額を令和6年分の所得税額及び個人住民税所得割額から差し引くことにより、所得税および個人住民税の負担を軽減する特例措置です。

 

定額減税額

所得税

個人住民税

本人分

3万円

1万円

同一生計配偶者

または扶養親族

1人につき

3万円

1人につき

1万円

 

定額減税は、控除できる所得税額及び個人住民税所得割額がある方が対象となり、定額減税額がその人の所得税額や個人住民税所得割額を超える場合には、それぞれその税額を限度として控除されます。

 

 

 

2.調整給付金の支給対象者と支給金額

 

調整給付金は、所得税と個人住民税所得割の少なくとも一方が納められており、定額減税しきれない額が生じることが見込まれる場合に支給されます。

令和5年の課税状況に基づき、給付額を算定のうえ、令和6年度個人住民税課税団体(各市区町村)から支給されます。

令和6年分の所得税が令和5年分の所得税よりも減少した場合など、令和6年分の所得税の確定後に給付金が支給される場合もあります。

 

例1)

一人暮らしで、所得税1万円・住民税所得割2万円(減税前)の納税者の場合

・所得税から1万円の減税、住民税所得割から1万円の減税が行われます。

・定額減税しきれない所得税分の2万円が、調整給付金として支払われます。

 

例2)

4人家族で、内1人が所得税3万円・住民税所得割2万円(減税前)の納税者の場合

・所得税から3万円の減税、住民税所得割から2万円の減税が行われます。

・定額減税しきれない所得税分の9万円と住民税分2万円の計11万円が、調整給付金として支払われます。

 

 

 

3.給付金の支給手続き

 

支給対象となった場合、令和6年度個人住民税課税団体(市区町村)から確認書が届きます。

給付金を受け取るには確認書に必要事項を記載のうえ、本人確認書類等と一緒に返信する必要があります。

 

 

おわりに

 

詳しくは国税庁ホームページや市区町村のホームページにも案内がありますのでご確認ください。

また、国税庁では「定額減税しきれないと見込まれる方」への給付金(「調整給付金」)について、「振り込め詐欺」や「個人情報の詐取」などの詐欺犯罪にも警戒を強めています。

自宅や職場などに都道府県・市区町村や国(の職員)などをかたる不審な電話や郵便があった場合は、お住まいの市区町村や最寄りの警察署、警察相談専用電話(#9110)にご連絡ください。

くわえて、都道府県・市区町村や国の機関を名乗るお心当たりのないメールが送られてきた場合、メールに記載されたURLにアクセスしたり、個人情報を入力したりせず、速やかに削除していただきますようお願いいたします。

(担当:岩崎)

 

 

PAGETOP

お問い合わせ