会計・税務の知識

2024年11月21日 発行個人事業税について

はじめに

 

個人事業主に課せられる税金に「個人事業税」があります。

個人で事業を行う場合に道路等の各種公共施設を利用するなどの行政サービスを受けていることから、その経費の一部を負担するものです。

ただし、個人事業税の納税義務は、すべての個人事業主にあるわけではありません。個人事業税の課税対象になる業種や計算方法などについて解説します。

 

 

1.個人事業税の課税対象

 

課税対象になる条件は、下記の2つを満たしている人です。

1. 都道府県内に事業所を設け、法定業種に当てはまる事業を行っている人

2. 290万円超の所得(事業所得・不動産所得、個人事業による雑所得)を得ている人

 

 

2.個人事業税の対象になる業種(法定業種)と税率

 

 

 

3.個人事業税がかからない業種(非課税業種)

 

画家・漫画家・作詞・作曲家・通訳・翻訳・農業・林業・プロスポーツ選手・エンジニア・プログラマー

(ただし、契約形態によっては課税対象になることもあります。)

 

 

4.税額の算出

 

1. 事業所得又は(及び)不動産所得

前年の1月1日から12月31日までの1年間の事業から生じた事業所得又は(及び)不動産所得で、事業の総収入金額から必要経費、青色申告特別控除額等を控除して計算します。 

 

2. 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額

事業主と生計を一にする親族の方が専らその事業に従事するときは、一定額を必要経費として控除できます。

・青色申告の場合・・・その給与支払額(所得税の事業専従者給与額)

・白色申告の場合・・・配偶者の場合は86万円、その他の方の場合は1人50万円が限度

 

3. 青色申告特別控除額

個人の事業税には青色申告特別控除の適用はありませんので所得金額に加算します。

 

4. 各種控除額

・事業主控除・・・一律290万円、営業期間が1年未満の場合は 月割額が適用されます。

・繰越控除・・・青色申告者で赤字となった場合や、白色申告者で震災などにより損失があった場合等に受けられます。

 

 

おわりに

 

個人事業税は、法定業種に該当するかしないかの判断によって課税されるので、青色決算書や収支内訳書の業種欄の記載には注意が必要です。

納税の必要がない場合もあるので、業種や仕内内容を確認し、都道府県民税事務所に該当するかどうか確認する必要があります。

法定業種に該当しないと判断された場合は、納めた税金が還付されます。

(担当:吉原)

 

 

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