会計・税務の知識

2024年08月22日 発行会計事務所によるガイドライン6選!

はじめに

 

2019年に「金融検査マニュアル」が廃止された頃から、様々な分野でガイドラインの公表が増えているように感じます。

ガイドラインは、行政機関が示す指針書のようなものです。

多様性と自己責任が求められるようになった現代の経済社会にあって、「マニュアル行政」から「ガイドライン行政」へ、そのかじ取りが大きく転換しているといえます。

数百ものガイドラインが存在するといわれますが、本稿では、銀行勤務30年の税理士が、会計事務所での業務を通じた“独断と偏見”でガイドラインを6つ選んでみました。

 

 

1.事業承継ガイドライン<第3版>:2022年3月

 

事業承継の類型を「親族内承継」「従業員承継」「社外への引継ぎ(M&A)」の3つに区分し、各類型の課題と対応策を提示しています。

税理士を含む士業や金融機関は、中小企業の事業承継を推進する役割が期待されています。

2022年3月の改定(第3版)に際しては、増加しつつある「従業員承継」と「社外への引継ぎ(M&A)」及び後継者目線の説明が拡充されました。

shoukei_guideline.pdf (meti.go.jp)

 

 

 

2.中小M&Aガイドライン<第2版>:2023年9月

 

後継者不在の中小企業の事業承継を解決する手法として増加している「社外への引継ぎ(M&A)」について、その進め方とM&A専門業者、税理士を含む士業、金融機関の支援内容が説明されています。

2023年9月の改定(第2版)に際しては、M&A専門業者に係る課題に対応するため、仲介者やFAの手数料を整理すると共に、M&A専門業者の質の確保と向上に向けた取組を打ち出しました。

20230922004-b.pdf (meti.go.jp)

 

 

 

.中小PMIガイドライン:2022年3月

 

2.で成立したM&Aによって引き継いだ事業の継続・成長に向けた統合やすり合わせ等の取組(PMI:Post Merger Integration)の「型」と支援策を提示しています。

PowerPoint プレゼンテーション (meti.go.jp)

 

 

 

.中小企業の事業再生等に関するガイドライン:2022年3月

 

中小企業者の「平時」や「有事」の各段階において、中小企業者・金融機関それぞれが果たすべき役割を明確化し、事業再生等に関する基本的な考え方を示すとともに、より迅速に中小企業者等が事業再生に取り組めるよう、新たな準則型私的整理手続きを定めています。

中小企業の事業再生等に関するガイドライン (zenginkyo.or.jp)

 

 

.経営者保証に関するガイドライン:2022年6月

 

 

中小企業の経営者による個人保証(以下、経営者保証)は、経営が窮境に陥った場合における早期の事業再生を阻害する要因となっています。

本ガイドラインは経営者保証の契約時と保証債務の整理時の課題に対する解決策として自主的自律的な準則を提示しています。

経営者保証に関するガイドライン (zenginkyo.or.jp)

 

また、経営者保証が事業承継を阻害することがないよう、原則として前経営者、後継者の双方からの二重徴求を行わないことなどを盛り込んだ特則が策定されています。

事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則 (zenginkyo.or.jp)

 

 

.経営力再構築伴走支援ガイドライン:2023年6月

 

 

経営力再構築伴走支援とは、企業に繰り返し訪問し、経営者との徹底した対話と傾聴を通じて、企業の課題設定やその解決に向けた様々な障壁と施策を共に考えることで、経営者自らが変革の道筋を立てることを支援する、ことです。

本ガイドラインは、全国の中小企業・小規模事業者の支援者に向けて、経営力再構築伴走支援の進め方や留意点等を策定したものです。

guideline.pdf (meti.go.jp)

 

 

おわりに

 

AI時代が到来し、付加価値業務が一層求められる会計事務所としては、ガイドラインを大いに活用し、時にはカスタマイズした提案活動に努めて参りたいと思います。

(担当:竹内)

 

 

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