2023年12月14日に2024年の税制改正大綱が公表されました。
本稿では税制改正大綱のなかから消費税にかかる部分をご紹介していきます。
デジタルプラットフォームとは主にWebを介して商品やサービスを提供することを指し、これらを提供する事業者に対して、国外事業者にかかる消費税課税の適正化を図る目的で、プラットフォーム課税が導入されます。
対象となるのは、プラットフォーム事業者のうち電気通信利用役務の提供(事業者間電気通信利用役務の提供に該当するものを除く)にかかる対価の合計額が50億円を超える事業者で、この要件に該当する場合には国税庁に届出が必要となります。
適用は2025年4月からで、事前の指定・届出については経過措置が検討されています。
消費税の免税事業者は、課税資産の譲渡等および特定課税仕入れを行っても、その課税期間は消費税の納税義務が免除されます。これについてはいくつかの特例が設けられていますが、国外事業者により特例を利用した税額軽減が行われている現状を是正するため見直しが行われます。
基準期間の課税売上高が1,000万円未満であっても、特定期間の課税売上高または給与支給額が1,000万円超の場合、課税事業者となります。1,000万円判定時、課税売上高に代わり適用可能とされている給与支払額による判定の対象から国外事業者を除外します。
資本金1,000万円以上の新設法人については基準期間による判定を行わず、課税事業者となる特例が設けられています。外国法人については基準期間を有する場合であっても、国内における事業の開始時における資本金によって本特例の適用の判定を行うこととなります。
基準期間がない資本金1,000万円未満の法人であっても、その事業年度の基準期間に相当する期間における課税売上高が5億円を超える法人等が設立した法人(特定新規設立法人)である場合には、その事業年度の納税義務は免除されません。
2024年10月以後開始される事業年度からは、本特例の対象となる特定新規設立法人の範囲に、その事業者の国外分を含む収入金額が 50 億円超である者が直接または間接に支配する法人を設立した場合のその法人を加えて、先述の②と同様に国内における事業開始時の資本金による判定を行うこととなります。
簡易課税制度は、事業者の納税事務負担に配慮する観点から、事業者の選択により、売上に係る消費税額を基礎として仕入に係る消費税額を算出することができる制度です。
個人事業主であれば2年前、法人であれば2事業年度前の売上が5,000万円以下という要件を満たしていれば、原則として簡易課税制度が選択できます。
2024年10月以降に開始する事業年度からは、その課税期間の初日において所得税法又は法人税法上の恒久的施設を有しない国外事業者については、簡易課税制度の適用を認めないこととし、適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用についても同様に制限が設けられることとなります。
弊所HPには令和6年度税制改正大綱について取りまとめられた資料も公開されています。
あわせてご参照ください。
(担当:岩崎)