はじめに
契約書に過剰に収入印紙を貼り過ぎたときは、「印紙税の過誤納に関する還付」を請求することにより、印紙税の還付が受けられる場合があります。
また、貼付不要の文書に誤って貼ってしまったときも、同様に印紙税の還付を受けられる場合があります。
未使用等の収入印紙については、交換という手続きもあります。
1.印紙税の還付手続
述の通り、契約書や領収書などの印紙税の課税文書に誤って過大に収入印紙を貼り付けてしまったような場合には、過誤納金として還付の手続きを行うことができます。
(1)還付の対象となるもの
① 請負契約書や領収書などの課税文書に貼り付けた収入印紙が過大となっているもの
② 委任契約書などの課税文書に該当しない文書を課税文書と誤認して収入印紙を貼り付けてしまったもの
③ 課税文書の用紙に収入印紙を貼り付けたものの、使用する見込みのなくなったもの
(2)還付の対象とならない例
収入印紙は、印紙税の納付のみでなく、登録免許税や国への手数料の納付などにも使用されています。
従って、例えば、登録免許税や特許手数料を納付するために収入印紙を貼り付けたような場合には、仮に誤って貼り付けたものであっても印紙税法による還付の対象とはなりません。
(3)還付請求の手続に必要なもの
①印紙税が過誤納となっている文書(上記(1)の書類)
②印紙税過誤納確認申請書
③印鑑(法人の場合、代表者印)
(4)提出先
納税地の所轄税務署に持参または郵送
(5)還付請求ができる期限
還付金に係る請求権は、その請求をすることができる日から5年を経過することによって消滅しますので、文書を作成した日から5年を経過したものについても還付の対象とはなりません。
(6)還付方法等
還付される税金は、銀行口座振込あるいは郵便局を通じての送金となるため、還付金を受け取るまでに日数がかかります。
2.収入印紙の交換
郵便局では、一定の収入印紙については他の収入印紙との交換を行うことができます。
(1)交換の対象となるもの
① 未使用の収入印紙
※ 汚れた収入印紙や損傷している収入印紙は、偽造防止等の観点から交換の対象となりません。
② 次のような客観的に見て明らかに印紙税の課税文書でないものに貼り付けた収入印紙
・ 白紙又は封筒
・ 行政機関に対する申請・届出の際に提出する申請書等の文書
(登記申請書や旅券(パスポート)引換書など)
※ 租税や国の歳入金の納付に用いられたものは交換の対象となりません。
(2)提出先
郵便局
(3)手数料
1枚につき5円の交換手数料(10 円未満の収入印紙についてはその半額)が必要です。
(4)交換ができる期限
特になし
おわりに
印紙について還付や交換に触れましたが、収入印紙を現金に交換することはできません。
また、 貼り付けた部分を切り取ったり、用紙からはがしたりしたものは交換や還付を受けられませんのでご注意ください。
(担当:新谷)